2018年9月27日、AmazonがAlexa Fundから会話型AIの未来を広げる3つのスタートアップに投資したことを発表した。
Alexa Fundは、2015年に設立されて以来、すでに50以上の企業に投資しており、音声業界を力強く後押しする仕組みとして機能している。なおAlexa Fundは投資額やシェアなどはの詳細は発表していない。
このファンドは米国企業に限定されたものではないのだが、現在日本企業への投資実績がないのは少し残念でもある。
それではここから、今回新たに選ばれた3つの企業をご紹介していく。
Bamboo Learning
1社目は「Bamboo Learning」だ。Bamboo Learningは、音声ベースのインタラクティブな教育系スキルを開発するスタートアップ。Alexaで音楽理論を学べるスキル「BAMBOO Music」、Alexaを使ったオーディオとビジュアルを組み合わせた算数問題を学べるスキル「BABOO Math」などをリリースしている。
創業者のイアン・フリーCEOは、もともとアマゾンのデバイス担当副社長を努めていた人物でもある。
Endel
2社目の「Endel」は、集中力向上・リラックス・睡眠改善をするためのパーソナライズされた環境音を生成するサービスを提供するスタートアップ。時間、天気、心拍数、場所などに応じて最適な音を生成するアルゴリズムを持っている。環境音系スキルはスマートスピーカースキルの人気ジャンルのひとつだが、そこにテクノロジーを駆使してパーソナライズするというのが最大の売りだ。
Aiva
そして3社目となる「Aiva」は、音声制御の医療アシスタントを提供するヘルスケアスタートアップ。医療スタッフおよび患者・高齢者・介護者に対して音声サービスを展開している。Aivaはスマートスピーカーを通じて患者のリクエストを受けると、その内容を理解して適切な医療スタッフにスマホアプリを通じてタスクを指示する。結果として、患者、医療スタッフ両面で迅速で効果的な体験を提供できるのが売りだ。
Aivaは「Google Assistant Investment Program」からも出資を受けたばかりで、注目度の高いスタートアップだ。
日本でもVUI系のスタートアップが育ち始めており、今後出資を受ける会社も出てくることだろう。今後も同ファンドの動きに注目していきたい。
Source:Amazon
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。