「Hi, メルセデス!電動ブラインドを閉めて」ベンツを音声制御できる「MBUX」体験レポート、本当に会話は通じるのか

音楽をかけたり、ナビをセットしたり、サンルーフを閉めたり・・音声で愛車に指示できる「メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス」(MBUX)初搭載の新型メルセデス・ベンツAクラス。東京、大阪、名古屋で展示イベントが開催中ということで、早速、体験しに行ってきました。果たしてちゃんと会話が通じるのでしょうか。

■新宿
 開催日程:10月20日(土)~23日(火) 12:00~21:00
 開催場所:小田急新宿駅西口地上イベントスペース

■軽井沢
 開催日程:10月27日(土)~28日(日) 9:45~17:00
 開催場所:軽井沢・プリンスショッピングプラザツリーモールイベントスペース

■東京駅
 開催日程:11月21日(水)~25日(日) 11:00~20:00
 開催場所:JR東海東京駅 八重洲口イベントスペース

■有楽町
 開催日程:11月24日(土)~25日(日) 11:00~20:00
 開催場所:「Mercedes-Benz×阪急Men’s Tokyo特別コラボ展示」
       有楽町センタービル1階コンコース

■大阪
 開催日程:11月10日(土)~13日(火) 11:00~20:00
 開催場所:阪急梅田駅 ビッグマン前広場

■名古屋
 開催日程:12月9日(日)~11日(火) 11:00~20:00
 開催場所:JR東海名古屋駅 中央コンコースイベントスペース


展示の様子

以下、新宿の展示の様子をレポートします。



小田急新宿駅西口、地上イベントスペースが会場です。行けばすぐにわかると思います。



展示されていたのは2台の新型Aクラス。まだ日本でナンバーがとれていないため、試乗はできないそうですが、MBUXは止まっている状態でも機能が確認できるのでロボスタ編集部的には問題ありません。



早速、シートに座らせてもらいます。このモデルはAクラスにフルオプション搭載の豪華仕様。これでも500万円切る価格でメルセデスとしては格安とのこと。



眼の前にワイドに広がる液晶ディスプレイが未来的です。また左右に展開するアンビエントライトもいい雰囲気です。写真では緑色ですが、好きな色にカスタムすることもできます。さまざまな機能を音声で制御できることに加えて、ステアリングホイールの左右スポーク部についたスイッチでも制御できます。またセンターコンソールのタッチコントロールや液晶画面のタッチコントールも可能で、好きな方法で操作できます。



ステアリング前は完全なデジタルメーターになっています。これはスピードメーターとナビゲーションを表示したところ。もちろんタコメーターを表示したり自由に変更できます。



センターに位置するナビゲーションの画面もワイドで美しい表示です。


MBUX動画

以下MBUXを使ってみた様子を動画でお届けします。


天気聞いてみた。

まず今日の天気を聞いてみました。場所は指定していませんが、現地が新宿であること理解して回答しています。「度」の音声合成のアクセントが若干イマイチですが、ディスプレイを活用した天気予報の結果が得られました。よく使いそうな言い回しなので、発話のチューニングはしてほしいところですね。


ナビゲーションの目的地をセットしてみた。

現在地の新宿から目黒を指定してナビのセットをしてみました。気になったのは選択肢が一つしかないのに「1番」を選ばせなければならないこと。また確認の前に途中で間違って「はい」と言ってしまいました。僕のタイミングのとり方が悪いのかもしれません。それはともかく、きちんとナビがハンズフリーでセットできました。


ラジオを選曲・再生してみた。

音楽がかかっていない状態で、J-WAVEを選曲するように指示してみました。きちんと選曲され再生されます。


電動ブラインドを閉めてみた。

ルーフに電動ブラインドが付いており音声で閉めることができます。こういうのは専用の車載システムらしくて良いですね。


MBUX使ってみての感想

MBUXはメルセデス・ベンツ専用の音声アシスタントで、AlexaスキルやGoogle Assistantのアクションなどが使えないという面ではネガティブですが、その分、車の制御への対応は自社製品ということで徹底しています。たとえば、前述のアンビエントライトの色を音声で変えるといった、メニューをたどって変えるとそれなりに面倒な設定を簡単に運転中にできてしまうのはMBUXの良さだなと思います。

一方、今回は運転中ではないため、エンジン音、排気音、風切り音、ロードノイズがない音声認識には良い状況での操作ですが、日常的に使っているスマートスピーカーと比較すると、現状では聞き取り精度が低いように感じました。何度か言い直しが必要になったり、間違って認識されたりもしました。また想定外のことを言うと反応せず、シナリオが多いようには思えません。実際に街中を走行したら、これよりも聞き取りの精度が悪化しないかどうかも心配ではあります。また音声合成についてもチューニングはまだ不十分に思います。よく使う機能の発話についてはもう少し流暢に読み上げてもらいたいところだと思いました。

なおまだ発売されている車ではなく、納車されるまでには日々進化、ブラッシュアップされるとは思います。AlexaもGoogle Assistantも日本語版リリース直後よりも現在のほうがより高性能になっていることもあり、今後MBUXがどのように進化するのか引き続き注目していきます。


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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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