東日本旅客鉄道(JR東日本)、先進モビリティ、愛知製鋼、京セラ、ソフトバンク、日本信号、日本電気の7社が協力して、バス自動運転の技術実証を行う。
実験の場所はJR東日本管内の大船渡線のBRT専用道(バス高速輸送システムのバス専用道)。
実験の内容は主に、車線の維持と制御を行う実験と速度を制御する実験(磁気マーカーと高感度磁気センサの連動)、バス停(発着用ホーム)などに磁気マーカーで正確に停車する制御実験、無線でやりとりをした交互通行の実験などを行う。更には、QZSS(準天頂軌道衛星みちびき)などによる自動運転バス位置情報の測定実験や、無線機の電波到達距離の検証実験なども実施する。
なお、一般の人を対象とした試乗会は開催しない。
バス車両は先進モビリティ所有の日野リエッセを使用、自動運転区間においてもドライバーが乗車し、緊急時においてはドライバーが運転を行う実験となる。
各企業の役割
各企業の役割は下記のとおり
(プレスリリースより抜粋)
自動運転車両の速度制御および正着制御
先進モビリティ
自動運転バス(ベース車両:日野リエッセ)を用いて実証実験を行います。
走行ルートに沿ってハンドル、アクセル、ブレーキを自動制御し、最高40km/hでの走行実験を行います。
BRT専用道に設置された実際の駅(竹駒駅)を使用した正着制御(ホームに向かって密着して停止するようハンドルを自動制御)を実施します。
磁気マーカを用いた自車位置特定
愛知製鋼
走路に沿って敷設したフェライト磁石製の磁気マーカの微弱な磁力を、車両底部に設置した高感度磁気センサ(MIセンサ)で検知し、自車位置を正確に特定して車両制御を支援します。
IoT・ビッグデータ時代に対応すべく新規に開発した、RFIDタグ※付きの次世代磁気マーカを全国で初めてBRT専用道に敷設して読取性能を検証します。
磁気マーカシステムにより自車位置を高精度に特定し車両制御を行うことで、GPS※の届かないトンネル・高架下などのロケーションや、積雪・濃霧などの悪天候による影響も受けることなく走行支援が可能になります。
NEC
道路設計図面上の線形や勾配などの情報を数値化、フォーマット化し、自動運転用に電子データへ変換したうえで、車両に提供することで、円滑な走行を支援します。
磁気マーカおよびRFIDタグを車両側リーダにて読み取ることで、自車位置を特定し、正確な軌道上での走行を支援します。
無線を使用した信号制御による交互通行
京セラ、日本信号
自動運転バスの位置情報を信号制御機へ無線通信し、信号情報を自動運転バスへ無線通信することによって、交互通行の通行権を提供する技術検証を行います。
京セラ
無線方式として、「LTE」と信号機連携の自動運転としては業界初となる「700MHz帯ITS無線」の活用を実証します。
BRT専用道周辺において、乗用車を使用した無線検証実験も行います。
マルチGNSS端末による車両位置計測
ソフトバンク
QZSS(みちびき)、GPS、GLONASS(ロシアの衛星測位システム)の信号を受信可能な専用端末「マルチGNSS端末」により車両位置を測定し、LTEにより情報を送信します。