ヤンマー、海を自動航行する「ロボティックボート」を開発

ヤンマー株式会社は、危険海域などで自動航行し、海域調査やスマート漁業などでの活用が期待される「ロボティックボート」の基礎技術、および「自動着桟システム」を開発したと発表した。

自動車や農業機械の分野において、ロボット技術の実用化が進んでいる中、「海」のフィールドにおける自動化技術は十分に確立されていない。ヤンマーは、漁船やプレジャーボートで培った造船技術と、中央研究所の基幹技術の融合により、海域調査やインフラ点検などに貢献する「ロボティックボート」の基礎技術を開発した。



「ロボティックボート」は、ヤンマー造船のガラス繊維強化プラスチック(FRP成型技術)により、小型・低コストでの生産を実現し、過酷な環境の海域においても安定した航行を可能とし、転覆しても復原する事ができる。また、ミドルウエア採用のプラットフォームにより、さまざまな企業や研究機関、企業のニーズに合わせてモジュールを組み合わせることで技術のカスタマイズも可能。


同実証機の仕様

同実証機は、SIP「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の一環で開発を行い、洋研究開発機構(JAMSTEC)が実施する海洋資源調査の洋上中継器(ASV)として活用された。今後は、大学や研究機関における海洋試験での活用拡大や産業界での実用化を目指すそうだ。

また、ヤンマーは自動操船技術として、漁船やプレジャーボートでも搭載が可能な「自動着桟システム」を開発。同技術は、衛星からの位置情報と同社開発の中継器から、補正情報を受信するRTK-GNSSを活用することで、指定した着桟位置に向けて目標位置・方位を組み合わせた正確な着桟軌道を生成し、高精度な自動着桟を実現している。

自動着桟システムは、2020年をめどに産業用だけでなく、プレジャーボートや漁船などの自社商品での活用を目指し、将来的には無人ロボット船におけるコア技術として開発を進める方針。

関連サイト
ヤンマー株式会社

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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