東京・丸の内エリアでテムザック「RODEM」を使った公道実証実験 3月18日から22日までの5日間


株式会社NTTドコモ、三菱地所株式会社、株式会社三菱地所設計、株式会社テムザックは、東京・丸の内エリアで、テムザックが開発・製造したパーソナルモビリティ「RODEM(ロデム)」を使った観光客向け公道実証実験を2019年3月18日から22日まで実施すると発表し、18日に記者会見を行った。記者会見にはタレントのメイプル超合金も登場した。

テムザックの「RODEM」は前傾姿勢で乗るパーソナルモビリティ。ジョイスティック一本で操作できる。体験者はRODEMに乗って、周囲の観光情報にアクセスしながら周辺を回遊する。看板掲示制限がある地域ではARとドコモの「dグルメ」を組み合わせたサービスや、「はなして翻訳」を使ったインバウンド対応サービス、三菱地所設計が提供する丸の内エリアの歴史紹介コンテンツを動画やAIエージェント基盤を活用した対話形式で体験できる。


体験会の様子

発着場は18日と19日は丸の内ビル1Fマルキューブ。20日から22日は新東京ビル1F JNTO TIC。屋内での試乗体験、仲通りでの自由回遊、スタンプラリーでアート体験、キッチンカーでキャッシュレス体験、歴史体験ツアーのうち一つを選んで体験できる。体験料金は無料。夕方5時まで受け付ける。体験時間は一回あたり5分から15分程度。


体験は無料




「RODEM」屋外用モデル

「RODEM」屋外モデル

「RODEM(http://www.tmsuk.co.jp/rodem/)」は全幅690mm、全長1000mm、全高1070mm。座面高785mm。最高時速は6km/h。バッテリーは鉛蓄電池。8時間充電で15kmの連続走行が可能。家庭用100Vでプラグイン充電できる。充電時間は8時間。


障害物認識用にRealSenseを搭載

RealSense処理用のPCとインジケーター。障害物を認識する緊急停止する

公道用屋外モデルはRealSenseを用いて障害物回避を行うことができる。段差も、屋外用なら5cmまでの段差を乗り越えることができるという。また後方確認用のカメラとモニターをつけたモデルも一台用意されている。


タブレットをつけて丸の内をガイドする

後方確認用モニタ(左)付きモデルも

実際に乗車して確認したところ、この段差は踏破できた


5G時代を見据えた屋内外シームレスモビリティの実験

株式会社NTTドコモ第一法人営業部 部長 齋藤武氏

株式会社NTTドコモ第一法人営業部 部長 齋藤武氏は、新しいモビリティに新しい通信技術を加えて新しい体験を生み出したいと述べ、5日間の実証実験で新しい価値を体験してもらいたいと語った。もともとテムザックと開発時点から協力しており、タブレットをつけて介護用以外の用途も探っている。丸の内では景観のため看板が制限されているが、その補助をタブレットで行う。仲通りに設置されているアートオブジェを使ったARスタンプラリーも企画されている。多言語対応によるインバウンドサービスの実験も兼ねる。低遅延・高速大容量といった特徴を持つ「5G」も見据えた実験の一つだという。


三菱地所 街ブランド推進部 オープンイノベーション推進室長 佐野洋志氏

三菱地所 街ブランド推進部 オープンイノベーション推進室長 佐野洋志氏は、三菱地所による丸の内の「オープンイノベーションフィールド」化の取り組みを紹介。スタートアップや新技術を集めて刺激的な街の実現を目指している。街を移動するなかでの新しい楽しみ方を提案したいと述べた。都市観光や外国人観光客への社会課題への取り組みでもあるという。


株式会社三菱地所設計 R&D推進室長 安田健一氏

株式会社三菱地所設計 R&D推進室長 安田健一氏は、歴史ある街のなかで最先端デバイスを用いることは、伝統をいかしつつ街が素敵に変わっていくことだと述べた。NTTドコモの最新通信設備や安全安心の知見が建築の設計にも通じるところがあると考えて参加しているという。また、屋内外にシームレスに入っていける「RODEM」のようなパーソナルモビリティの場合は、建物内のセンサーと連携することも重要だと考えていると述べた。


株式会社テムザック代表取締役 髙本陽一氏

株式会社テムザック代表取締役 髙本陽一氏は前傾姿勢で乗れる「RODEM」の基本機能について簡単に紹介。デンマークでの実証実験を踏まえて、「乗れるスマートフォン」のように使うことができるのではないかと考えるに至ったと述べた。将来はライドシェアや自動運転などの仕組みとも組み合わせて、街の中の乗り物、パーソナルな公共交通機関として使えるようにしたいという。今回の実証実験は、その前段階としての取り組み。そういう世界が来るのではないかと少しでも感じてもらいたいという。将来を見据えて、車道ではなく歩道目線、歩行者目線のデータ収集も行なっていると述べた。



メイプル超合金も登場

安藤なつさんにはRODEMはちょっと小さすぎる模様

記者会見にはタレントのメイプル超合金の二人も登場、華を添えた。カズレーザーさんはRODEMに乗って登場。ジョイスティックを倒すだけで直感的に操作できると感想を述べ、遠隔操作機能のデモや、ARを使った歴史案内などの機能について興味を示し、試乗体験無料を大いに盛り上げた。安藤なつさんは「ぜひ多くの人に普及したい」と述べ、カズレーザーさんも「一人でも多くの人に乗ってもらいたい」と語った。

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森山 和道

フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。WEB:http://moriyama.com/ Twitter:https://twitter.com/kmoriyama 著書:ロボットパークは大さわぎ! (学研まんが科学ふしぎクエスト)が好評発売中!

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