ドコモ「AI運行バス」が横浜MaaS実証実験へ 一般乗客も横浜みなとみらいの回遊バス体験 そのメリットとしくみ

NTTドコモは横浜市と共同で、10月から12月まで横浜市臨海部にて横浜MaaS「AI運行バス」を運行する。「人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現」の実証実験として、昨年に続き2回目となる。

観光や生活における多様な移動の社会課題の解決には、便利で効率的な移動手段の提供が必要とされ、近年、鉄道やバスなどの異なる移動手段を統合して提供するMaaS(mobility as a service)が、その課題解決につながるとして注目されている。
このような背景のもと、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現にむけた研究開発・実証を行う「人工知能(AI)の社会実装の実現に向けた研究開発プロジェクト(実施予定期間:2018年度~2022年度)」の一環として、「人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現」の実証実験として、株式会社NTTドコモ、横浜市と共同で、2018年10月から12月まで横浜市臨海部にて「AI運行バス」を運行。この度、2回目となる、横浜Maas『AI運行バス』実証実験を開始することを10月3日に発表した。


なお、実証実験は、JR東日本主催のモビリティ変革コンソーシアムDoor to Door推進WGにおける 「Suica認証による交通事業者・デマンド交通・商業施設の連携に関するMaaS実証」と連携して実施される。



横浜Maas『AI運行バス』実証実験について

乗りたいときに、行きたい場所までダイレクトに運んでくれるオンデマンドの乗合型公共交通サービスに関する同実験は、移動手段に加え、商業施設のサービスをMaaSプラットフォームとして統合することで、交通と商業施設の連携を促し、交通需要増大と商業施設の売上向上を図り、結果として移動の社会課題解決につなげることを目的としており、一般の人々がスマートフォンで観光施設やグルメスポット、イベント情報を検索し、検索結果から直接「AI運行バス」を予約して回遊できるものだ。
観光客にとっては交通手段を細かく調べる必要がなく、バスを呼んで、所定の場所で乗って目的地で降りるというシンプルな移動が実現できる。その他、商業施設や自治体にとってもメリットを提供するしくみだ。


前回、2018年度の実証実験では、10月5日(金)から12月10日(月)の期間中、最大15台の定員4~6人の車両で「AI運行バス」の技術検証を行い、国内外からの来街者や居住者、勤務者など利用者は増加し続け、合計約3.4万人を輸送。オンデマンド乗合交通が都市部においても高いニーズがあることを立証するとともに、効率性とサービス性を両立しながら膨大な乗車リクエストに対してリアルタイム配車を実現する「AI運行バス」の高い技術性能と、回遊性向上につながる検証結果を確認することができた。
今回は、検証第一弾として、2019年10月10日(木)から10月20日(日)の11日間に、みなとみらい21・関内エリア周辺で、スマートフォンで専用サイトからダウンロードしたアプリなどを用いて、観光施設やグルメスポット、イベント情報を検索し、検索結果から直接「AI運行バス」を予約して回遊できる実証実験を実施する。

前回の実証実験概要(NEDO配布のPDF資料)
https://www.nedo.go.jp/content/100884118.pdf
AI運行バス公式サイト
https://yokohama.ai-bus.jp/index.html



具体的な実験内容

高需要ルートに限定した定員11人以上の大型車両の運行、および、NTTの「AIタクシー」で実用化したリアルタイム移動需要予測技術の活用による効率性とサービス性に関する性能検証や、予約画面の改善や乗車定員と乗降所要時間を考慮した配車制御といったユニバーサルデザインの検証、250を超える商業施設などとの連携による集客サポート機能の検証などを行う。

【乗降ポイント】マップで示す運行エリア内に数多く配置した乗降ポイント間で乗車可能



同実験におけるそれぞれの位置づけ

NEDO:人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現」の実証実験として実施。

横浜市:まちの回遊性向上ならびに商業施設への送客効果による経済の活性化、にぎわいの創出をめざし、AI・IoTなどを活用した新ビジネス創出を促進する「I・TOP横浜」の取組みの一つである「まちの回遊性向上プロジェクト」の一環として実施。

NTT:日本版Maas(Mobility as a Service)を「移動に関する社会課題を解決するもの」とした取り組みの一環として、地方部から都市部まで「AI運行バス」による二次交通の充実に向け、約18万人の輸送実績から得られた知見と、「corevo」などのAI技術を活用して、未来の移動需要をを見える化し、様々な移動手段の効率的運行による交通全体の最適化と、移動×サービスによる新たなビジネスの創出を目的としている。

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ロボスタ編集部

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