経済産業省とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、ロボットのユーザーとシステムインテグレーター等が協力して取り組む「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を立ち上げたことを発表し、タスクフォースチームや参画する各社が連名でリリースを行った。
ロボットタスクフォースは、内閣府、厚生労働省、文部科学省、経済産業省が2019年7月に合同で取りまとめた「ロボットによる社会変革推進計画」に則り、2019年10月に設置された。施設管理、小売・飲食、食品の各分野におけるロボットの社会実装に向けて、ロボットユーザーが主導して抽出する施設環境等の共通課題の解決のため、としている。
参画メンバーは以下の通り。
イオン株式会社
がんこフードサービス株式会社
キユーピー株式会社
株式会社スシローグローバルホールディングス
トヨタ自動車株式会社
パナソニック株式会社
株式会社パルコ
東日本旅客鉄道株式会社
株式会社ファミリーマート
株式会社本田技術研究所
三菱地所株式会社
森トラスト株式会社
ロイヤルホールディングス株式会社
株式会社ローソン
【システムインテグレーター等】
学校法人青山学院大学
株式会社 FA プロダクツ
株式会社 QBIT Robotics
ソフトバンク株式会社
TechMagic 株式会社
学校法人東海大学
株式会社東陽機械製作所
日本ユニシス株式会社
参画各社もリリースを通じて発表しており、ソフトバンクであれば「人型ロボット「Pepper」や AI 清掃ロボット「Whiz」などから得たサービスロボット分野での豊富な経験と知見を生かし、ソフトバンクグループを挙げてロボットの社会実装の実現に向けて取り組む」としている。
また、QBIT Roboticsは「タスクフォース参画を機に、多くのユーザー企業やロボットメーカーと、より深くより実現的にロボット活用への対話・検討を行う。企業の壁を超え、ロボットTFメンバーとともにロボット実装モデルを創出し、サービスロボットの普及を目指す」としている。
※ 以下、経産省や各社のリリースより引用
設立の背景
【経産省】
当省は、ロボットの社会実装を加速し、ひいては、課題先進国である我が国のロボットによる社会変革を推進することを目的に、2019年5月から、内閣府、厚生労働省、文部科学省と合同で「ロボットによる社会変革推進会議」を開催し、分野横断的な施策の検討を進め、7月に「ロボットによる社会変革推進計画」として取りまとめました。同計画には、①ロボットの社会実装に向けて、ロボットメーカーのみならずユーザーやシステムインテグレーターも巻き込んだエコシステムの構築、②産学が連携し、高専や工業高校における教員や学生に対する人材育成、③中長期的課題に対応するため、産学が連携して実施する基礎・応用研究に関する体制構築などが盛り込まれています。
上記①を具体化する施策として、人手不足等が深刻化している、施設管理、小売・飲食、食品の3分野について、ロボットのリーディングユーザーを核に、システムインテグレーター等が集うタスクフォース(TF)を立ち上げました。同TFの下、各分野におけるロボット実装モデルの創出を目指します。
【各社】
自動車や電機・エレクトロニクス分野等と異なり、ロボットの導入が進んでいないサービスや三品産業分野等においては、人手不足といった社会課題の解決のためのツールとして、ロボットに対する期待は極めて高いと考えられます。そのため、これらの分野におけるロボットの導入を進めるべく、様々なプレーヤーが協力して実証実験をはじめとした取組を進めている状況にあります。
このようなロボットの導入を進める取組は極めて重要でありますが、現時点では、ある特定の企業の活用を想定した活用範囲の狭いロボットの利用を前提とした開発や供給が行われているケースが多い状況です。このままでは、ロボットは高機能・特定企業仕様ゆえの高コスト構造から脱却し難く、現時点においては、幅広くロボットの導入を進めていくことへの障壁が存在している状況にあります。
趣旨
【各社】
そのような状況を打開し、ロボットの社会実装を加速すべく、経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ユーザー、システムインテグレーター等が一堂に会するロボット実装モデル構築推進タスクフォース(TF)を設置しました。本 TF は、ユーザー側が既存の業務プロセスや施設環境等を見直すことを前提とした「ロボットフレンドリーな環境」を検討のうえ、その環境から導かれる共通ファンクションに基づき、ユーザーとシステムインテグレーター等が協力して取り組む場です。この取組を通じて、本 TF では人手不足への対応などが喫緊の課題となっている施設管理、小売・飲食、食品の3つの分野にフォーカスをあて、ロボット実装モデルを創出します。
本 TF メンバーは、ロボット実装モデル創出に貢献するとともに、創出されたモデルを業界内はもちろん類似業界にも横展開していくことを目指し、今後人手不足に苦慮する企業等が幅広くロボットを導入していくための基礎を構築していきます。
今後の予定
【経産省】
本年度末を目途に、3分野のロボット実装モデルを取りまとめ、公表する予定です(TFの内容については、個社の情報を含むため非公開としています)。
経産省によるプレスリリース