東大発のAIベンチャー、障害物回避型アームのアルゴリズム開発に成功 製造業や農業、小売業などで省力化とコスト削減に期待

東京大学の学生らにより設立されたAIベンチャー、TRUST SMITH株式会社は、同大学の研究開発チームと共に、AI関連技術を使った障害物回避型アームのアルゴリズムの開発に成功した。この技術をロボットに実装することで、これまで手作業で行っていた工場などでのピックアップ作業の自動化が実現できる可能性が高まり、製造業や農業、各種サービス業などで大幅な省力化とコストカットが期待できる。


「リーマン計量」微分幾何学の理論

今回、同社が開発に成功したのは、「リーマン計量」と呼ばれる微分幾何学の理論に基づくもので、空間内に存在する障害物を回避し、目的物へアプローチすることができるアルゴリズムだ。アームから見た空間内の物体との距離、相対速度または相対加速度に応じて適切に場を計量することができるため、障害物が動いていても安全に回避しながら、目的物へ到達することが可能となる。その他でも、障害物回避型アームの活躍の範囲は多岐にわたり、従来人々が手作業で行ってきたあらゆる作業をサポートすることが期待されている。



【障害物回避型アームに期待される作業の事例】
・製造業(金属製品/電子部品など):部品の分別、部品の溶接などの作業
・製造業(食品):食品の調理工程における作業全般
・農業:野菜や果物の最適な収穫時期の判定と収穫作業
・インフラ(原油):原油配管の超音波非破壊検査作業
・サービス業(卸・小売):食品スーパーにおける商品陳列作業
・サービス業(空港):空港内手荷物のバックヤードにおける搭載・取降工程における作業




その他のAIソフトウェア開発について

また、同社は、障害物回避型アーム以外にも様々なAIソフトウェアの開発に取り組んでおり、その一つとして、ドローン航行の自動運転により、発電施設の故障検知などを無人で行う技術を開発・展開している。今回開発に成功した障害物回避型アームのアルゴリズムを拡張することで、ドローンの自動運転技術にも適用出来るとしている。




発電施設の故障検知などを無人で行う技術について

太陽光パネルの故障にはホットスポット(落ち葉などがパネルに付着し、その部分に影が出来てしまった際に、その箇所が発熱する現象)による故障とパネルガラス割れによる故障の2種類が存在するが、パネルガラス割れによる故障は、故障の原因となる傷が極めて微細なため、パネルの亀裂発見は、全て作業員の定期的な点検によるものであった。このような人手による検知方法では、人手不足も深刻化している為、1回の点検に数十万円のコストがかかることが課題となっていたが、同社が2019年9月、発電施設デベロッパー大手と共同で独自の最先端異常検知AI技術を用いた新たなパネル亀裂検知ドローンを世界で初めて開発。
同システムを導入することで、人手不足の問題解決と人件費のコスト削減となることで、太陽光発電事業の利益率向上の実現を可能にした。



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TRUST SMITH株式会社

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ロボスタ編集部
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