ロボット店員「Sota」を遠隔操作して実演販売 「人」と「ロボット」で比較した効果検証へ アジア太平洋トレードセンター

東京都港区の開発プロジェクト「東京ポートシティ竹芝」を推進するアルベログランデは、大阪市が実施しているIoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」にて、2020年2月29日(土)と3月1日(日)の2日間、コミュニケーションロボット「Sota(ソータ)」を活用した実演販売の実証実験を行うことを発表した。

今回の実証実験は、アルベログランデ、サイバーエージェント、大阪大学大学院 基礎工学研究科 石黒研究室の3者共同研究プロジェクト。「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」の実証実験フィールドの一つである、大阪南港の複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」にて実施する。

■実証実験概要
・実施名称
「遠隔操作ロボットによる実演販売実験」

・実施主体共同グループ
○株式会社サイバーエージェント AI Lab(代表:馬場 惇氏)
○大阪大学 大学院 基礎工学研究科 石黒研究室 (代表:石黒 浩 教授)
○株式会社アルベログランデ(代表:根津 登志之氏)


遠隔地にいるスタッフがロボットを介して顧客と会話を行う

近年、労働力人口の減少や都市圏への人口集中を背景に、サービス業における人手不足が課題となっており、ロボットやAIの活用に期待が集まっている。また、業務効率化や自動化が進む一方で、働き方改革の一つとして遠隔勤務(リモートワーク・テレワーク)が注目されている。

このような背景のもと、大阪南港ATCにおいて卓上型コミュニケーションロボット「Sota(ソータ)」を使用した「遠隔操作ロボットによる実演販売の実証実験」を行う。実験では、大阪南港ATC内に実験用のポップアップショップを開設し、ロボットが店員となって商品を実演販売する。ロボットは遠隔操作が可能で、別の場所にいるスタッフがタブレットにて操作し、ロボットを介して顧客と会話を行う。



今回の実験では、サイバーエージェントの研究開発組織「AI Lab」にて音声認識やロボット動作生成などの技術を活かし、操作者の能力を向上させる遠隔操作ロボットシステムの研究開発を行った。これら一連の遠隔操作ロボットによる接客・実演販売において、「売上向上への寄与」および「働き手の遠隔勤務を可能にする、サービス利用者が満足できる質の高いサービスを提供できるのか」の検証を行っていく。

■実験概要
・実施場所
大阪南港ATC ITM棟2F

・実験内容
大阪南港ATC館内に実験用の店舗を設置し、「ロボットが販売した場合」と「人が販売した場合」の2つの条件で比較を行い、ロボットが販売することによる効果を検証します。

・ロボットの遠隔操作について
ロボット周辺に設置されたカメラとマイク、スピーカーを使い、ウェブ会議システムで話すように離れた場所から会話・接客が可能です。操作者はタブレットを使い、話した声がロボットのスピーカーを介して発話され、相手の声はロボットのマイクを通して操作者に届きます。ロボットはヴイストンのSota(ソータ)を使用。

今後も共同研究グループでは、実証実験を通して得た結果をもとに、接客向け遠隔操作ロボットの実用化・広告技術の研究を進めるとともに、遠隔勤務による高齢者や主婦層の社会参画など、社会における実用化に向けて取組んでいくとしている。

サイバーエージェントと大阪大学大学院基礎工学研究科では、先端知能システム共同研究講座を発足し、ロボットなど対話エージェントによる接客対話の自動化や、広告技術の確立などを目的とした研究開発を行っている。今回の実験もその研究開発の一環で実施される。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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