全長5mのヘビ型の点検ロボット「Float Arm」を開発 ハイボットが発電所などの点検に導入めざす

株式会社ハイボットは東京パワーテクノロジーとタカハタプレシジョンを引受先とした第三者割当増資による資本業務協定を締結したことを発表した。(上の画像は新ヘビ型マニピュレータ「Float Arm」 ハイボットホームページから引用)


資本業務提携によりハイボットは、東京パワーテクノロジーがメンテナンスをおこなう火力発電所、原子力発電所、再エネプラントなどの電力各施設においてロボットを用いたインフラ点検サービスの導入に取り組んでいく。また、タカハタの新型3D光学センサーをハイボットの新ヘビ型マニピュレータ「Float Arm」(フロート・アーム)の先端に搭載。それによって高速に高精度の3次元のデータを取得する事でより詳細な解析が可能となる。さらに、タカハタのネットワークを活用し、ハイボットのRaaS(Robot as a Service)事業を、国内だけでなくグローバルに向けても本格展開していく。



「汚い・危険・きつい」をロボットが代替 ハイボットの「FloatArm」

ハイボットは東京工業大学発のベンチャーとして2004年にスタートしたロボティクス企業。「汚い」「危険」「きつい」といった極限環境の作業から人を解放し、ロボットが代替することで、世界のインフラ整備における新たな潮流をつくっている。

同社の新ヘビ型マニピュレータ「FloatArm」(フロート・アーム)は狭隘スペースの遠隔作業用に開発された全長5メートルのロボット。重量は25kg。ヘビのように細長くしなやかな動作を可能にする独自技術のモーションコントロールにより、狭く見通しの悪い環境下でも高精度な検査を実施し、設備データを取得することができる。AIデータプラットフォーム「HiBox」と連携させることでロボットが収集したビッグデータにAIを適用し、故障や欠陥、不具合の可能性を予測することも可能。また、インフラ設備内で稼働中のシステムとの統合も容易のため、多様なアプリケーション環境に対応できる。



仕様
・全長:5m
・重量:25kg
・ペイロード:1.5kg
・リンク数:8
・搭載可能なセンサー:HDカメラ、サーモカメラ、UTプローブ、LiDAR

「Float Arm」を活用することで従来、点検のために足場を組んでいた時間を削減できるほか、危険な環境での点検作業から人を解放する。既に大手OEMメーカーや航空機、石油、ガス、化学プラント業界の世界的サービスプロバイダーとの提携を開始している。


「Float Arm」の使用イメージ:(左)航空機検査、化学プラント検査とデジタルツイン(右)

AIデータプラットフォーム「HiBox」(ハイボクス)は、点検用ロボットに搭載した高解像度カメラや超音波プローブなどの各種センサーが捉えた点検データを蓄積・分析するAIデータプラットフォーム。蓄積したデータを用いて点検するインフラのデジタルツインを作成し、ロボットが収集したデータにAIを適用することで、故障や欠陥、不具合の可能性を予測することができる。また、クラウドを介した転送データによって遠隔から点検結果を確認することも可能となる。

「HiBox」を活用することで点検時間とともに作業に伴うインフラの停止期間も短縮できるほか、詳細な測定データは追加の点検作業を減らすことにもつながり、点検にかかるコストの大幅な削減と安全で効率的なインフラ整備、維持管理を実現。すでに発電所・航空機・化学プラントなど複数のグローバル企業と共同で、点検ロボット及び「HiBox」の試験的な導入に取り組んでいる。


電力各施設の導入とグローバルサプライチェーンを構築していく

東京パワーテクノロジーは発電設備の維持管理を担う東京電力ホールディングスのグループ会社。今回の資本業務提携によってハイボットは、東京パワーテクノロジーがメンテナンスをおこなう火力発電所、原子力発電所、再エネプラントなどの電力各施設において東京パワーテクノロジーとともにロボットを用いたインフラ点検サービスの導入に取り組んでいく。さらに、両者の知見と技術を融合させ、インフラ点検の省人化、デジタル化、高度化に取り組み、発電所やプラント点検における世界的ニーズにも対応していく。

タカハタは自動車、OA機器、光学機器、住宅設備機器、医療機器などの機器を企画・設計・開発しているエンジニアリングプラスチックのリーディングカンパニー。

今回の資本業務提携によって、タカハタの新型3D光学センサーをハイボットの新ヘビ型マニピュレータ「Float Arm」(フロート・アーム)の先端に搭載。それによって高速に高精度の3次元のデータを取得する事でより詳細な解析が可能となり、これまで以上に精密なインフラ点検の提供ができる。また、アジア、アメリカ、ヨーロッパなどに14の拠点を持つタカハタのネットワークを活用し、グローバルサプライチェーンを構築していく。

東京パワーテクノロジー 取締役 佐藤 正俊氏とタカハタプレシジョン 代表取締役社長 山本 康雄氏は次のようにコメントしている。

【関係者のコメント】
・東京パワーテクノロジー株式会社 取締役 佐藤 正俊 氏
「東京パワーテクノロジーは東京電力ホールディングスのグループ会社として、60年以上にわたり発電設備の維持管理に携わっており、設備メンテナンスの安全性向上・効率化のため日々カイゼンに取組んでおります。弊社はハイボットが持つ高度なインフラ点検技術および点検データの解析システムによって、プラントメンテナンスのさらなる省人化・高度化が実現されることを期待しています。本提携によりメンテナンス業務を直接的に担う弊社の知見とハイボット社の技術知見を融合させ、火力・原子力・再エネ発電プラント等において世界的に高まるスマートMROニーズに応えてまいります。」

・タカハタプレシジョン株式会社 代表取締役社長 山本 康雄 氏
「ハイボットは、最先端かつ、高度な技術力を持ち、成長力の高い事業パートナーであると確信しております。インフラ点検ロボット市場は今後大きく拡大することが見込まれ、また社会的なニーズもますます増えていくと思われます。今回の資本業務提携を通じて、当社の持つ3Dセンシングデバイス技術をハイボットのロボット技術に活用し、当社としても、持続可能な社会インフラの実現に積極的に取り組んでいく方針です。」

ハイボットは、大変重要ではあるものの「汚い」「危険」「きつい」と避けられがちの極限環境の作業から人を解放し、ロボットが代替することで、世界のインフラ整備における新たな潮流をつくり、安全で持続可能な世界の実現に取り組んでいくとしている。

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山田 航也
山田 航也

横浜出身、1998年生まれの20歳。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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