夜間にAIが問合わせに自動ヒアリング、翌朝折り返し電話で対応「LINE AiCall」を大分県中津市が電話相談窓口に採用

LINE株式会社は同社のAI事業「LINE BRAIN」が展開している音声応対AIサービス「LINE AiCall」が、4月15日に開設された大分県中津市の新型コロナウイルス感染に関する市民からの電話相談窓口に採用されたことを発表した。

「LINE AiCall」は夜間のヒアリング対応と自宅待機をしている人の問い合わせに対する折り返し電話対応を行う。夜間に「LINE AiCall」がヒアリングした内容については、翌朝に保健師等が確認して、問い合わせ者に適切な対応を助言する。


夜間にAIが自動ヒアリング、翌朝折り返し電話で対応

昨今、新型コロナウイルスの流行に伴い、厚生労働省による電話相談窓口(コールセンター)の設置や、各自治体で健康相談などの対応が行なわれている。LINEリサーチが日本全国の15歳〜69歳の男女5,233名を対象に実施した新型コロナウイルスに関する調査では、日本国内での感染について「不安に感じている」という人が8割を越えている。また、新型肺炎について「症状が出たら何をすればいいか/どこに行けばいいか」という情報を求めている人が半数を超える結果となっている。

一方、自治体の職員、医師、保健師・看護師のリソースや、対応時間帯、問い合わせ数の増加による回線混雑などの問題も懸念され、自身の症状に不安を抱える人や、緊急性が高いと思われる症状の人が必要なサービスを受けられない状況も考えられる。

そのような中、大分県中津市では音声応対AIサービス「LINE AiCall」を採用した、新型コロナウイルス感染に関する市民からの電話相談窓口を設置することとなった。

■窓口受付時間
月曜日〜木曜日:24時間対応
金曜日:0時〜17時
土曜日:休み
日曜日:17時〜24時
(受付時間等は変更となることがある)

体調不良を訴える市民からの電話を受け、国が示した「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安について」に基づくヒアリングを行い、その結果から保健師等が適切な対応を助言する。このプロセスのうち、「LINE AiCall」は夜間のヒアリング対応と自宅待機をしている人の問い合わせに対する折り返し電話対応を行う。夜間に「LINE AiCall」がヒアリングした内容については、翌朝に保健師等が確認のうえ、問い合わせ者に適切な対応を助言する。



滑らかで自然なユーザーとの会話を重視

「LINE AiCall」は「LINE BRAIN」のAI技術である「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」(音声認識)、「LINE BRAIN TEXT TO SPEECH」(音声合成)、会話制御の仕組みを組み合わせ、なめらかで自然な会話を可能にした音声応対AIサービス。特にDialogue Control(会話制御)にこだわり、会話に遅れがないこと、またレスポンスのスピードを自然なテンポにすることでユーザーとの滑らかで自然な会話を可能にしている。

今回の対話エンジンは緊急性の高い事案であることを踏まえ、約10日という短期間での開発をしながらも、幅広い層の利用を想定し、回答に迷わないようなシナリオの工夫や話しかけるスピードの調整を行っている。なお、大分県中津市の新型コロナ電話相談窓口における電話番号や接続回線などのTelephony Serviceについては、Twilio社のクラウド・コミュニケーション・プラットフォームの無償提供を受けて中津市に提供している。

LINEはAI事業「LINE BRAIN」を通じて、人々の暮らしや生活に寄り添う「ひとにやさしいAI」のある社会を目指している。今回の取り組みによって、医師や保健師等がより優先すべき業務に集中できる環境と、中津市民に安心と適切な対応を行える環境の整備に貢献していくとしている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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