芝浦工業大学が人工筋肉を高速振動させたスピーカーを開発 球形で全方位に響く ソフトロボットなどへの応用も

コンサートホールなどの室内音響の特性把握には、点音源を用いた音響試験で残響時間を計測することが理想とされており、それには筐体に複数の磁石とコイルからなる重いスピーカーが取り付けられた正多面体スピーカーが用いられている。しかしスピーカーが音場に対して相対的に大きい場合には、点音源と見なせない。

そこで芝浦工業大学 工学部機械機能工学科の細矢教授らの研究チームは、軽量かつ柔軟でありながら大きな変位を生み出す誘電エラストマーアクチュエータ(Dielectric Elastomer Actuator、以下「DEA」)を半球形や球形にして振動させることで、全方位に音を届けるスピーカーの開発に成功。これによって音場やスピーカーのサイズによらず、点音源を実現できるという。(特許出願済み(特願2019-132812号))
DEAは人工筋肉や発電デバイス(エナジーハーベスティング)、ソフトロボットなどへの応用が期待されているという。

■誘電エラストマーアクチュエータの特徴
・1秒間に最大1万6千回の振動(16khz)

・全方向に音が届く
コンサートなどにおけるステージレイアウトの新たな可能性

・素材自体が振動し、音を発生
形状を制限せず、音を発生させられる

・わずか数gの軽さ
これまでとは異なる場所や条件での設置が可能に

ScienceDirectから引用

風船スピーカーの揺れ方

DEAは高分子誘電膜を柔軟電極で挟み込んだキャパシタ構造で、電極間の電位差により電極同士が静電気力によって互いに引き合うことで変形する。DEAは人工筋肉や発電デバイス(エナジーハーベスティング)、ソフトロボットなどへの応用が期待されている。なお誘電エラストマーはポアソン比が0.5に近く、体積変化はほとんどない。



アクリルゴムで製作した 球形スピーカー

シリコーンゴムで製作した半球形スピーカー

これらのスピーカーはともに可聴域上限付近の16kHzまでほぼ無指向性の音響放射特性。今後、様々な人々にとって聞き取りやすい音を提供できるスピーカーの実現に向け、開発を加速していくとしている。

関連サイト
芝浦工業大学

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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