IoTデバイス開発のミラ、代表交代を発表 遠隔ロボットugoのMira Roboticsや大成とのビルメン業務で新体制の構築へ

IoT機器の受託開発を行う株式会社ミラは、総合ビルメンテナンス大手の大成株式会社、及びパートナーロボットの開発を手掛けるMira Robotics株式会社とビルメンテナンス業務向けの総合プラットフォーム開発に関し、業務提携することを発表した。

この業務提携にあたってミラの代表取締役は松井健氏に代わり、新たに川原菊臣氏が就任することも発表した。松井氏は顧問に就任する。また、松井氏はアバターロボット「ugo」を開発しているMira Roboticsの代表取締役CEOを兼務しているが、そちらは継続する。

左:松井健氏 旧ミラ代表取締役 現顧問。右:新しく代表取締役に就任した川原菊臣氏


【略歴】
松井健氏
大学卒業後、様々な新規事業のスマホアプリ/Webシステムを開発。
2011年に、IoTデバイス開発の株式会社ミラを創業し、スマートロックやBLEゲートウェイなど様々な新製品を開発・量産する。2018年に、Mira Robotics株式会社を設立。これからの社会に向けたロボティクス・サービスを開発している。

川原菊臣氏
大学卒業後、基幹/Webシステム開発のエンジニアを経て、多くの事業の立ち上げ、AI・Iot機器などの先進技術を利用したサービス構築に携わる。主にサービス企画・業務設計、プロジェクトマネージャなどを担当。2020年ミラ代表取締役に就任。




新体制移行の背景

先日、Mira Roboticsと大成との提携に関するニュースをロボスタでもお伝えしたが、今回は、Mira Robotics以前に松井氏が創業したミラも業務提携をすることを発表した。
このタイミングでの代表交代から、松井氏のロボティクス事業に対する専念が求められたのではないかと予想される。
松井氏は引き続きミラでは顧問としてサポートしていく立場をとることで関係性を保っていくとのことだ。

今後は
・大成が長年培ってきたビルメンテナンスのノウハウ
・Mira Roboticsが開発するアバターロボット”ugo”による警備
・ミラが得意とするIoTデバイスと関連アプリケーション開発
を統合し、業界初となる総合的なビルメンテナンスサービスプラットフォームの開発・提供を目指していくという。

話題となったugoでの紫外線除菌。こういったソリューションにもIoT人感センサーを連携させることで、使用履歴がない箇所の作業の省略などで業務効率化をはかることなどもできるだろう。

個人的な意見としては、ugoは非常に自由度が高いロボットだが、どのようなロボットであっても十分に作業するためには「ロボットが作業しやすくなる環境づくり」が必要だ。
そのためにはIoTデバイスや、サポートする人間のスタッフなどをどのように組み合わせていくかが重要になってくる。


また、大成が取引する現場は、必ずしもugoを導入することがベストソリューションとなるものばかりではないだろう。
そのような現場に対しては、ugoとIoTデバイス、人を組み合わせたフラッグシップとなるソリューションの開発や実証実験を急ピッチで進めることで耳目を集めつつ、普及価格帯となるIoTデバイスと人を組み合わせたソリューションに関しても手抜かりなく開発し、提供していくことが必要となってくる。


そういった意味では、単なるR&Dベースのロボットメーカーではなく、IoTソリューションの開発に実績があり、深センでの量産などに関して実績があるJENESISともつながりがあるMira Robotics、ミラ両社との提携は大成の新しいサービス開発にとって非常に有意義だったのではないだろうか。
今後もどのような形でロボティクス、IoTソリューションがビルメンテナンスサービスのような労働集約型サービスを変えていくのかに注目していきたい。

ABOUT THE AUTHOR / 

梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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