Googleが目指す未来を感じる、完全ワイアレスイヤホン「Pixel Buds」同時通訳など気になる機能をチェック 2万800円で8/20発売

Googleがオリジナルのイヤフォン、Pixel Budsの日本での発売を発表した。
完全ワイアレス方式、高速ペアリングや高速充電、直径12mmの高音質なドライバ、周囲の騒音に合わせて音量を最適化する「アダプティブサウンド」などが話題になっている。

また、防水性能はIPX4級(防滴クラス)で雨や汗の心配はいらない。
「OK Google」と話しかければGoogleアシスタントが起動し、そのあとに「エクササイズ用のプレイリストを再生して」などと続けてお願いすることで、お気に入りの音楽の再生やルート検索、家族への通話など、様々な操作が可能だ。

そしてさらに「同時通訳機能」がどうも気になる。「ノイズキャンセル機能はどうなってるの?」というあたりも深堀りしてみたい。

価格は2万800円、8月20日よりGoogleストアのほか、KDDI、ソフトバンクなどの通信キャリア、家電量販店(エディオン、コストコ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ)でも取り扱われる。






Google 完全ワイアレス・イヤホン「Pixel Buds」の主な特徴

・12mmスピーカーによる豊かなサウンド
・周囲に合わせて音を最適化する「アダプティブサウンド」
・高いフィット性
・紛失時にスマホのように探せる「デバイスを探す」機能
・高速ペアリング
・急速充電
・防滴 (IPX4)
・音声操作「Googleアシスタント対応」
・同時通訳
・環境音を取り入れるSpatial Vent

Pixel Budsにはざっとあげただけでも、このような特徴がある。
みなさんが気になるのは、どの機能だろうか?

■ Meet the new Google Pixel Buds


Google Pixel Buds 注目の機能


リアルタイム翻訳は期待しているけれど

Google Pixel Budsの目玉機能のうち、一番注目してしまう機能に同時通訳機能をあげる人は多いだろう。
まず、正直に言うと、多言語をリアルタイムに翻訳、というキャッチフレーズは前回の「Pixel Buds」でも使われている。しかし、根本となっているのがAndroidスマホで使うことができる「Google Assistant」の「通訳モード」であることを考えると、「SF映画のように耳に差し込む自動翻訳機」や「ほんやくコンニャク」のように使えるか、というと少し違う。2020年4月27日に公開された動画を見るとイメージしやすいだろう。

■ How to translate with your earbuds | Google Pixel Buds (英語)

リアルタイム翻訳の使用イメージ。Pixel Budsをタップしながら使用言語を設定。ネイティブの言語(たとえば日本語)を話す際にもタップしながら話すとスマホが他言語に翻訳してくれる。そして、話し相手が他言語でスマホに話しかけるとPixel Budsからネイティブ言語に翻訳されてきこえてくる、というもの

もちろん期待はしているので、実際に真っ先に使ってみたい機能にはちがいない。互いの音声をスマホの画面を見ながらコミュニケーションするのに比べれば、お互いの目を見て話すことができるのは大きな利点ではあると思う。しかし、前回のPixel Budsが酷評されていることを見ると、新版でどの程度期待できるのかは未知数だと考えたほうが良いだろう。


つけ続けられるフィット感とバッテリーのバランス

同時通訳機能のような、あからさまに未来的な機能よりは地味だが、Pixel Buzには魅力的な機能は多いと感じている。また、搭載されていない機能を追っていくと、「おそらくGoogleが目指している方向性はこのようなものなのではないだろうか」というイメージも浮かび上がってくる。それは「ネットワークにつながり続ける生活」だ。

米国発売後に書かれたいくつかのレビューを読むと、「つけ続けていて疲れないフィット感」を評価する声が多い。完全ワイアレスはケーブルレス、ゆえに気になるのが「ぴったりしたフィット感」や「落とさないの?」といった点だろう。

■ How to wear your Google Pixel Buds(英語)

数千人の耳をスキャンしてデザインされたというPixel Buds。フィット感はかなり高いという。

フィット感やデザインは、一般にバッテリーの容量や持ち時間に関係してくる。使用時間を延ばすために大きなバッテリーを内蔵すれば大きく重たいものになる。バッテリー持続時間がライバル製品のApple AirPod以下になってさえいないのであれば仕様上の持続時間はそれほど気にせず、10分間の充電で1時間使えるという「急速充電機能」で対処するというコンセプトを選択したのではないだろうか(1回の充電で5時間まで音楽再生)。
長時間の運動中であっても不快感やズレなくつけ続けられる軽量さとコンパクトさ、ウェイトバランスを重要視したということだろう。
そして、イヤーピースや形状、バランスと最適化することで「どのようなシチュエーションでもつけ続けられるフィット感とデザイン」を実現したのではないかと考えられる。


ANC(ノイズキャンセル)はヘッドセットの最適解か?

レビューの評価で辛辣なのが「ノイズキャンセル(ANC)」機能を装備していないこと。Pixel Buzでは、ANCではなく、イヤーピースと独自の音響設計で最適な音作りをしているという。むしろ、周囲の音に関しては、Spatial Ventとよばれる環境音を取り入れるベントを装備し、過度な密閉を避け、環境音をある程度取り込みながら音量を最適化するアダプティブサウンド技術を採用している。

■ How to use Adaptive Sound | Google Pixel Buds (英語)

環境音に反応して音量が変わるアダプティブサウンドのイメージ

この対応はどちらかといえば「周囲音の抹消」を目的とするANCよりは周囲音との「共存」をコンセプトの中に感じさせる。
これは、「環境音を遮断しすぎることや耳孔を密閉してしまうことによる疲れ」や、「通常の業務や生活のなかでヘッドセットをつけ続ける際にANCが最適なのか」という問題を考えたうえでのことだろう。

STmicroによる加速度センサとマイクによるノイズキャンセル技術例


ノイキャン vs アダプティブサウンド

ヘッドセットとしての利用が多くなっており、イヤフォンにマイクを搭載するのが普通となっている現在においてANC自体はかなり普遍的な技術になってきている。
むしろ、マイクを使った処理としては、Pixel Budsのマイクに採用されている加速度センサで発声時の骨の振動を骨伝導マイクのようにピックアップし、ビームフォーミングマイクと組み合わせることで環境音を拾わないようにするノイズキャンセル処理のほうがチャレンジングだし、リスニング機能に採用している環境音に合わせて音量を変えるアダプティブサウンドのチューニングも簡単ではないだろう。
しかし、そういった難しい設計をしたとしても、「周囲の音を聞き漏らすことによるトラブルや事故」や、過度のノイズキャンセルによる精神面への影響など、現実とのすり合わせにおいて予想される懸念事項を考慮したのだろう。


Googleアシスタントとの音声会話

おそらく、Googleとしては、常にPixel Budsを装着し続けてもらい、スマホのディスプレイを見ることができない多くのシチュエーションにおいても、さまざまなアプリケーションからの通知をボイスメッセージで受取り、Googleアシスタントを通じてコマンドを出し続けることができる、AIやネットワークにつながりつづけることができる生活の第一歩としてこのデバイスを設計したのではないだろうか。
■ How to use the Google Assistant | Google Pixel Buds (動画)

Google Assistant使用イメージ

音楽を聴くためでも、集中したいときの耳栓がわりでもなく、生活の間つけ続けるデバイスとして考えると、ANC機能の非搭載や、「12mmのドライバを採用しているにも関わらず低音が弱い」といった批判を受けた仕様も納得感が出てくるはずだ。


生活の中で使い続けることでわかるUXと、確実に使う機能

結局のところ、様々な機能に関しては遅延などを含めたUXを体験して、使い続けてわかるものだ。8月20日に同日発売されるGoogleのスマートフォンの新製品「Pixel 4a」と合わせてGoogleの技術力と、彼らが推し進める未来の生活のUXに興味があるなら「Budsをつけ続ける生活」を体感してみるのもよいだろう。

なお、ここまで長々と様々な機能について解説しておきながら
「ぶっちゃけた話、自分が買ったとしたら一番使うのって”うっかり忘れた”or”落とした”時につかう『デバイスを探す機能』や、『ペアリングしたBudsを鳴らすことで”探しやすくする機能”』なんだろうな」と予想をしていることも正直に述べて締めせてもらいたい。

■ How to find your earbuds | Google Pixel Buds (英語)

音でさがすだけでなく、ロケーション履歴を有効にすることで落とした場所なども履歴に残すことができるという


「Pixel Buds」の主な特徴
サイズ 各イヤフォン: 20.5 x 19.5 x 18.2 mm(イヤーチップおよび固定用アーチを除く)
ワイヤレス充電ケース: 63 x 47 x 25 mm
重量 各イヤフォン: 5.3 g
ワイヤレス充電ケース: 56.1 g(イヤフォンを除く)、66.7 g(イヤフォンを含む)
電池容量 イヤフォン単体: – 音楽再生時 5 時間、通話時 2.5 時間
ワイヤレス充電ケース: – 音楽再生時 24 時間、通話時 12 時間
充電ケースでの急速充電: 10 分間で最長 2 時間の音楽再生または最長 1 時間の通話
ワイヤレス充電ケース USB-C® 充電ポート
Qi 規格対応
ケース開閉検出用のホール効果センサー
音声 デュアル ビームフォーミング マイク
音声検出用の加速度センサー
オーディオ カスタム設計の 12 mm ダイナミック スピーカー ドライバ
パッシブ ノイズ リダクション
空気孔(耳への圧力を軽減しつつ、周囲の音も聞こえやすい)
無線 Bluetooth® 5.0
防水仕様 IPX4 (水の飛まつに対して保護)
カラー Clearly White、Almost Black、Quite Mint
内容物 イヤフォン
ワイヤレス充電ケース
イヤーチップ(S / M / L の 3 サイズ。M サイズはイヤフォンに装着済み)
USB-C® to USB-A® 充電ケーブル
クイック スタートガイド

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梅田 正人
梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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