NTTドコモが世界最高峰のデータ分析競技会「KDD CUP 2020」の3部門で入賞 タクシー配置/攻撃×防御/BERTでAIビッグデータ分析能力を実証

株式会社NTTドコモは、世界最高峰のデータ分析競技会である「KDD CUP 2020」において3部門で入賞したことを2020年8月27日に発表した。
同競技会は、公開されたビッグデータを活用して、データ分析の精度などを競う世界大会で、コンピュータサイエンス分野の国際学会ACMのデータサイエンス分野、分科会 SIGKDDが主催する国際学術会議 KDD 2020 で開催されている。 なお、同社は、2016年から同協議会への参加を続けており、2019年の優勝に続き2年連続、3回目の入賞となる。
(ACM:Association for Computing Machinery/ SIGKDD:Special Interest Group on Knowledge Discovery and Data Mining)

【今回のKDD CUP 2020について】
2020年の同大会はは6つの部門に分かれて実施され、世界中から企業、団体、個人、延べ 4,000 チーム以上が参加した。 同社はタクシー配車制御の最適化を課題とする部門で3位、偽データによる攻撃に耐えられる強いAI開発を課題とする部門で4位、WEBサイトユーザーの興味のある商品を当てるAI開発の部門で7位に入賞した。同社は、同大会で評価された世界最高レベルの AI・ビッグデータ分析技術を活用し、AI・ビッグデータ活用ビジネスの拡大とともに社会課題解決の取り組みを促進していくと述べている。また、 今後も世界的な学会への積極的な参加を通じ、最先端のAI・ビッグデータ分析技術を強化し、 新しい価値や感動を提供し続けることができるよう取り組んでいくとのことだ。




入賞した各部門の詳細

今回は、オンデマンド型の乗り合いタクシーにおける配車の最適化に関する課題を扱った強化学習部門にて3位、機械学習部門の偽のデータによる攻撃と防御 AI の開発 と、オンラインショップの商品検索で、ユーザーが興味のある商品を当てる AI の開発により、4位と7位に入賞した。


【強化学習部門】オンデマンド交通におけるタクシーの再配置AIの開発(3位入賞)

同部門の課題は、オンデマンド型の乗り合いタクシーにおける配車の最適化に関するものだ。利用者の乗車要望により運行する「オンデマンド交通」は、車両を適切に配車し、運行効率を向上させることが重要となっている。 今回の競技では、AIが最適な行動決定を独自に学んでいく「強化学習」を活用し、空車の車両をAIが再配置(いつ、どこに配車させるか決定)することで、各ドライバーの収益効率性をいかに最大化できるかを競った。
同社は、先行研究を基に強化学習により時間別、エリア別の収益傾向を自ら学習し、収益を最大化させる配車パターンを提案するAIを開発。また、与えられた過去の配車実績や走行記録といった データから車両運行のシミュレーターを構築し、AIを効率良く学習させることで、高精度かつ安定的な配車 制御を行うことに成功した。




【機械学習部門】偽のデータによる攻撃と防御AIの開発(4位入賞)

同部門は、偽データを使って攻撃するAIと、攻撃に強い耐性を持つ防御AIの2つを開発するものだ。論文の引用関係のような対象物と対象物との関係性をネットワークとして捉え対象物の分類を行うAIに対し、 偽のデータを紛れ込ませることによりAIに誤った分類をさせる攻撃方法と、偽のデータによる攻撃を受けても正しく対象物を分類する防御方法の、二つのAI手法を開発するものとなっている。同社は、画像認識で主に用いられる、データをわずかに変化させることで誤認識させる手法 (Fast Gradient Sign Method)を応用した攻撃手法と、対象物との関係性ネットワークの データ用に開発されたニューラルネット手法(Graph Isomorphism Network )を利用した防御手法を開発 。これらを主催者が提供する対象物数60万個のデータに適合させることで高い分類精度を維持することに成功した。




【機械学習部門】オンラインショップの商品検索で、ユーザーが興味のある商品を当てるAIの開発(7位入賞)

同部門は、オンラインショップの商品検索で、サイトユーザーが入力した文から、ユーザーがクリックする商品の画像を当てる手法を開発するものだ。 (検索文入力の例:「女性向けの山登り用の靴」のように、複数の単語で構成されている文) ドコモは、翻訳などの言語処理で広く使われている「BERT」というディープラーニングの手法を改良し、 画像に含まれる物体と検索文中の単語を結び付けられるAIを開発。そのほか、画像に含まれる物体の種類を表す単語の情報を用いて、検索文と画像の対応関係を学習するAIを開発した。これらの複数のAIを使うことで、高い精度でクリックする商品の画像を特定することに成功した。



関連サイト
株式会社NTTドコモ

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ロボスタ編集部
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