機械学習により、カメラのみで人を追従 特殊なマーカーも不要「収穫サポートロボット」アトラックラボが佐賀大学 佐藤和也教授らと共同開発

株式会社アトラックラボは国立大学法人 佐賀大学、銀座農園株式会社と共同で、機械学習を活用した人認識による人追従型収穫物搬送ロボット車を開発したことを発表した。


カメラと人との距離を算出し、距離に応じて自律追従

人追従型収穫物搬送ロボット車は搬送ロボット車に装着したカメラ映像をもとに、機械学習により人の大きさを検知し、カメラと人との距離を算出、距離に応じて搬送ロボット車は人追従走行と停止を判断して自律追従する。

搬送ロボット車を追従させたい人は簡単なビブスを着用するだけで、特殊なマーカーなどを身につける必要はない。また葉などが茂り、カメラが人の足元まで映らない場合も、適切に人の大きさが認識できるように機械学習を行っているという。

カメラ映像をもとに機械学習により人の大きさを検知し、距離算出と人追従走行と停止を行う制御アルゴリズムは、佐賀大学教育研究院自然科学域理工学系の佐藤和也教授が開発、移動ロボット車に実装。アトラックラボと銀座農園は、搬送ロボット車の開発やシステム設計などを担当している。

佐藤和也教授について
佐賀大学教育研究院自然科学域理工学系 教授。制御工学の理論とその応用の研究に従事。 現在,理工学系副学系長,公益社団法人計測自動制御学会理事。2003年よりカメラに映る 移動体の3次元空間内における位置制御に取り組む。講談社より「はじめての制御工学」(現在,第2版)、 「はじめての現代制御理論」、「はじめての線形代数学」を出版。「はじめての制御工学」は 2013年計測自動制御学会著述賞を受賞。


カゴに15kgの重りを乗せた状態でも安定して自律追従

従来、搬送ロボット車が人との距離に応じて人追従走行をする場合は、LiDARやステレオカメラが必要であった。この方式では、安価な単眼カメラなどが使用できるため、 コスト的に大きなアドバンテージがある。佐賀県農業試験研究センターの協力のもと、同センター三瀬分場の実験圃場において、ブロッコリー収穫における搬送を模擬して実験が行われ、カゴに15kgの重りを乗せた状態でも搬送ロボット車は安定して人追従走行と停止することが実証された。

今後は、コストの制限が大きい農業分野などに展開するとともに、ライン工場内での治具搬送、倉庫内での搬送補助などに応用していくという。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム