パナソニックのプログラミング対応トースター 温度・時間を制御してクッキーを焼く くらしが題材の新しいSTEAM教育を開発

パナソニックはプログラミングで制御可能なトースター機能を備えたプロトタイプ(以下、Scratchトースター)を試作し、調理の試行錯誤に化学・生物の知識を結び付けるプログラミング教材(作成協力:株式会社Z会)と組み合わせた新たなカリキュラムを開発。このカリキュラムを実際の教育現場で検証するため、新潟県新潟市立光晴中学校にてパイロット授業を実施したことを発表した。


料理を題材に新たな創造的な学びをスクラッチで実現

パナソニックは住空間における創造的な学びの価値提供を目的として、くらしを題材にした新しいプログラミング教育の研究開発を推進しており、2018年にマサチューセッツ工科大学(MIT)にて研究開発を開始。MIT Media LabのLifelong Kindergartenグループが開発した教育用プログラミングソフト「スクラッチ」Scratch :8歳から16歳を対象にした教育向けのプログラミング言語)を適用し、住空間に新たな「創造的な学びの場」を作ることを目指している。

世界的にSTEAM教育が盛り上がる中、その中心に位置づけられるプログラミング教育は日本においても2020年度より小学校、2021年度からは中学校にてそれぞれ必修化される。現在のプログラミング教育は、ゲームやロボットを題材に物理や数学の知識と関連付けた学びが中心となっている。これに対し、今回開発・試作したScratchトースターを活用することで、従来のプログラミング教育では出来なかったくらしの一部である“料理”を題材に、加熱や下処理など調理に結びつく化学や生物の知識に関連付いた、新たな創造的な学びを実現することができる。


Scratchトースターは様々な家電操作に拡張する取り組みでの最初のプロトタイプになります

今後IoT化されていく住空間では、便利なくらしを享受(きょうじゅ)することに加え、そこで暮らす人が自らの快適さを自らの手で学び、創り出すことが可能となる。同社は今回のパイロット授業を通して、こうした創造的な学びのある住空間の創出を目指し、教育としての効果を実証しながら、くらしに根差したサービスの実現に取り組んで行く。


Scratchトースターを用いたパイロット授業の概要

新潟県新潟市立光晴中学校でのパイロット授業では、参加の生徒が自分たちで決めた理想のクッキーを作ることを目指し、プログラミングで試行錯誤をしながら、クッキーの生地づくりからScratchトースターで焼き上げる一連の工程に取り組み、その過程で用いる化学や生物の知識や調理プロセスを、プログラミングを通して学ぶ。


パイロット授業の様子、実施時期:2020年10月2日、28日、30日、11月6日 3年生の“総合”の授業時間内(クラスごとに日を分けて実施:全4クラス)

なお、パイロット授業で用いたScratchトースターを実際に体験できるワークショップは、パナソニックコーポレートショウルームのパナソニックセンター東京でも実施予定。

ワークショップ実施日時

【日時】
2020年11月21日(土曜日)14:00~17:00
2020年11月22日(日曜日)14:00~17:00
2020年11月29日(日曜日)14:00~17:00

【対象】小学校4年生~6年生
【定員】各回親子6組12名
【参加費】無料
【場所】パナソニックセンター東京 ホール

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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