「ひたちBRT」の通常ダイヤで自動運転バスが実証運行 本格商用に向けた課題抽出を進める バス停は全部で6つ 運賃は既存と同じ

茨城県日立市のバス専用道「ひたちBRT」は2020年11月30日(月)〜2021年3月5日(金)まで自動運転バスを使った実証実験を開始する。同実証実験は経済産業省・国土交通省の事業を受託した国立研究開発法人産業技術総合研究所より「中型自動運転バスによる実証実験」を実施するバス運行事業者に茨城交通が選定され実証するもので、期間中広く一般の人に利用してもらうことで、2022年以降の本格商用運用に向けた課題抽出を進めることを目指している。

自動運転バスが停車するバス停は「多賀駅前」「河原子(BRT)」「大沼(BRT)」「大甕駅西口」「日立商業高校」「おさかなセンター」。本格的な稼働は12月5日(土)からで、3月5日までの期間中は誰でも乗車可能(12月28日〜21年1月3日は運休)。乗車は先着予約制で予約はスマートフォン、PC、取扱い窓口、電話にて可能。なお、運賃は既存のひたちBRT路線バスと同額。


2020年11月30日(月)より乗車予約が開始(予約フォーム)
ラッピングデザインについて


みちのりグループにおける自動運転実証実験では、「土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション」や「えちごトキめきリゾート雪月花」、「WEST EXPRESS 銀河」等の実績を持つICHIBANSENの川西康之氏がデザインしたおさかなデザインを車両ラッピング等に使用している。個々の魚はひとつの個体だが、魚群全体としては調和してしなやかな群れを作って泳ぎ回る、そのような自律と調和が街中の交通システムにも現れたらよいのではといったアイデアからのデザイン。街に導入されていく自動運転バスが、全体で一つのシステムとして機能する将来をイメージしている。なお、みちのりグループの「MEX-みちのり高速バス」、「関東自動車路線バス」も同氏によるデザイン。
MaaSアプリと連携

同実証中は並行してひたち圏域(高萩市、日立市、東海村、ひたちなか市)の広域で連携実施する「ひたち圏域MaaS」の取組や、自動運転バスの乗車券の事前購入(10%引きの特典あり)や大沼地区のオンデマンドタクシーとも連動し、将来のネットワーク型の交通サービスの提供を目指す。各種サービスはひたち圏域のモデルアプリから利用可能。


MaaSアプリの画面イメージ


運行開始記念イベント

実証実験スタートを記念して11月29日(日)10時~16時、「久慈交流センター」で自動運転に関するパネル展示、運転手なりきりフォトスポット、ワークショップ、風船のプレゼントなどを行う。同イベントは申し込み不要で、一般の人が参加可能。また、11月30日(月)~12月4日(金)は1,000名(各便25名 5日間)が自動運転バスの先行体験を行う。

<イベント概要>(プレスリリースより引用)
実際に走る自動運転バスの車内装飾を日立のみんなで作るイベントを開催します!あなたがつくった飾りつけを乗せて自動運転バスが走ります。
【自動運転バスの飾りをつくろう!】
・日時:11/29(日)10:00~16:00
・場所:久慈交流センター多目的ホールー
・予約不要/参加費無料/入退場自由
・内容:自動運転パネル展示、飾りづくりのワークショップ(魚のガーランド)、⾵船の配布、運転⼿なりきり撮影など
・趣旨:地域の方が自動運転バスに愛着を感じていただけるよう、参加者がワークショップで制作した飾りを自動運転バスに装飾し、実証期間中走行します


2018年に続く2回目の実証実験

日立市には全国でも珍しい専用道路空間を走る「BRT」(Bus Rapid Transit)がある。この「ひたちBRT」は2019年3月に第二期の延伸工事を完了し、道の駅「日立おさかなセンター」とJR常磐線「常陸多賀駅」の間を結ぶ専用道区間(約6km)を含む路線長が約9kmの路線になり、年間約53万人が利用している。ひたちBRTでは専用の道路空間によって、バスと一般車両や人が混在しないことで、自動運転技術を一般道路よりも安全に導入することが期待されている。

今回の実証実験は、2018年に続き2回目。前回の約3.2kmから大幅に延伸した新たな路線にて、通常の路線バスのダイヤに追加して自動運転バスのダイヤを設定し運行する。実証実験では本格商用実装に向けた取組として、高い安全性と多様な環境下で安定した運行を実現するため、次の2点の技術を導入する。


2018年に行われた実証実験

2018年に行われた実証実験

1.路側センサーによる自動運転車両との協調
専用道区間や一般道区間において、自動運転車両から見通しの悪い場所に、各種光学センサーや電波センサーを活用した路側センサーを敷設し、自動運転車両と通信することで、自動運転車両の死角を減らす。これら路側センサーと前回実証にて検証した信号協調システムが連携することで、自動運転バスが安全に走行できる走行環境の構築とスムーズな定時走行を目指す。これら路側センサーの設置は、住友電工、PSSI、小糸製作所、コイト電工の協力のもと実施する(PSSIは自社で開発し、2020年秋に発売予定の3D-LiDARを使用予定)。





2.遠隔監視装置
上記路側センサーや信号協調システムとの連携を含めた自動運転バスの円滑な運行を支援するためKDDI、KDDI総合研究所から遠隔監視装置と遠隔に情報を送信するための通信環境を提供する。遠隔監視装置では自動運転バスの走行状況をカメラ映像や各種状態情報で確認することに加えて、車外に設置する路側センサーの稼働状態もモニタリングすることで、将来、自動運転バスが運行する際の運行管理の在り方についても検証を進める。


KDDIより引用
関連サイト
日立市

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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