日本ロボット学会会長が未来のAI・ロボット研究者に捧ぐ書籍『浅田稔のAI研究道―人工知能はココロを持てるか』12月1日発売

インプレスグループで理工学分野の専門書出版事業を手掛ける株式会社近代科学社は、2020年12月1日に『浅田稔のAI研究道―人工知能はココロを持てるか』(著者:浅田稔)を発行したことを発表した。価格は2,970円(税込)。

ビッグデータやIoTなども巻き込んで発展を続ける人工知能研究は今後、社会にどう受け入れられていくか。その鍵について著者である浅田氏は、社会システムを構成する人工物に「心的機能」が備わることと説き、それを「ココロの創成課題」と呼んでいる。同書籍ではその課題の実現を目指して研究を行ってきた浅田氏のAI研究の足跡をたどりつつ、ロボカップ研究でつかんだ認知上の問題意識の重要性と成果、そして課題を解説する。また、浅田氏の研究過程で出会った各分野のキーパーソンとの対話やその知見なども紹介する。

著者紹介
浅田 稔(あさだ みのる)
1982年、大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。
1995年、大阪大学工学部教授、1997年、大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻教授となり、現在に至る。
2019年より、大阪大学先導的学際研究機構共生知能システム研究センター特任教授(名誉教授)を兼任。
1992年、IEEE/RSJIROS-92Best Paper Award、1996年・2009年、日本ロボット学会論文賞、2001年、文部科学大臣賞・科学技術普及啓発功績者賞など、受賞多数。日本赤ちゃん学会理事、ロボカップ日本委員会理事、ロボカップ国際委員元プレジデントなどを歴任。
2019年より、日本ロボット学会会長。

目次
第1章 序章:哲学者鷲田清一との語らいの中に研究の本質を見る
 1.1 座談会:哲学とロボットから語る教育の話
 1.2 コラム1:対談後のあとがきから

第2章 はじまりは人工視覚の研究
 2.1 Out of sight, out of mind!
 2.2 コラム2:二人の恩師,辻三郎先生と故福村晃夫先生
 2.3 コラム3:コンピュータビジョンの巨匠たち
 2.3.1 ビジョンチップとレンズ系繋がり:IITのジュリオ・サンディーニ(Giulio Sandini) 教授
 2.3.2 アクティブビジョンの父,イアニス・アロイモノス(Yiannis Aloimonos)教授
 2.3.3 コンピュータビジョンの師匠たち:白井良明先生と金出武雄先生
 2.3.4 コンピュータビジョン時代からの大先輩,池内克史元東大教授

第3章 人間と人工物の間の関係に対する基本的な考え方
 3.1 思想的背景
 3.2 再考:人とロボットの自律性
 3.3 人間の自律性と機械の自律性に関する論考
 3.4 自律神経系の意味
 3.5 初期自己の概念
 3.6 本章のまとめ
 3.7 コラム4:Kフォーラムの朋友:OISTの谷淳教授と札幌市立大学の中島秀之学長

第4章 身体・脳・心の理解と設計を目指す認知発達ロボティクス
 4.1 ヒトの初期発達
 4.2 身体性の意味と役割り
 4.2.1 脳神経系
 4.2.2 筋骨格系
 4.2.3 体表面
 4.2.4 身体性と認知
 4.3 心の課題
 4.4 認知発達ロボティクスの方法論
 4.5 浅田共創知能システムプロジェクトの概要
 4.6 本章のまとめ
 4.7 コラム5:JST ERATO時代のグループリーダーたち

第5章 情動から共感へ
 5.1 身体性と感情・情動
 5.2 共感の進化と発達
 5.2.1 情動伝染から妬み/シャーデンフロイデまで
 5.2.2 共感に関連する用語の図式的記述
 5.2.3 自他認知の発達と共感の関係
 5.3 人工共感に向けた共感・模倣・自他認知の発達
 5.4 予測学習規範による発達原理の可能性
 5.5 本章のまとめ
 5.6 コラム6:表象なき知能のロドニー・ブルックス元MIT教授

第6章 脳神経系の構造と身体との結合
 6.1 スモールワールド・ネットワークとレザバー計算
 6.2 胎児の発達とそのシミュレーション
 6.3 身体と脳神経の結合ダイナミクス
 6.4 本章のまとめ
 6.5 コラム7:赤ちゃん学の仕掛人:多賀厳太郎教授と故小西育郎教授

第7章 身体表現の獲得
 7.1 身体表現の生物学的原理
 7.2 身体表現の認知発達ロボティクスアプローチ
 7.2.1 自己身体の発見
 7.2.2 道具使用による適応的身体表現
 7.2.3 VIPニューロンの働き:頭部身体周辺空間の表現の獲得
 7.3 本章のまとめ
 7.4 コラム8:ロボットと生物の身体表現,ロルフ・ファイファー(Rolf Pfeifer) 教授と入來篤史博士
 7.5 コラム9:「手は口ほどに物をいい……」

第8章 共同注意の発達97
 8.1 ロボットと養育者の相互作用に基づく共同注意獲得
 8.2 ブートストラップ学習を通した共同注意の創発
 8.3 相互作用の随伴性を利用した共同注意発達モデル
 8.4 本章のまとめ
 8.5 コラム10:「視覚と聴覚とどちらが大事?」視覚と聴覚の障害者の福島智東大教授

第9章 模倣とMNS
 9.1 ミラーニューロンとは?
 9.2 新生児模倣の不思議
 9.3 MNSの発達
 9.4 本章のまとめ
 9.5 コラム11:ロボットを使った計算神経科学の大御所,川人光男博士

第10章 人工痛覚と共感の発達
 10.1 人工痛覚
 10.1.1 痛覚神経系
 10.1.2 ロボットへの痛覚神経系の実装
 10.2 感情の始まり
 10.3 初期の共感発達モデル
 10.4 共感行動学習モデル
 10.5 社会的関係性の学習モデル
 10.6 本章のまとめ
 10.7 コラム12:玉川大学名誉教授塚田稔画伯

第11章 音声の知覚と発声の発達過程
 11.1 母子間相互作用による言語獲得過程の課題
 11.2 音声の知覚と発声の発達における身体性と社会性
 11.3 初期言語発達に関連する計算モデル
 11.4 身体構造の異なる他者との母音の対応学習
 11.5 本章のまとめ
 11.6 コラム13:トリのうたからヒトのことばへ:岡ノ谷一夫東大教授

第12章 言語獲得の過程
 12.1 顕著性に基づくロボットの能動的語彙獲得
 12.2 対象物体向けの行動学習に基づく語彙獲得
 12.3 複数モダリティを利用した言語獲得
 12.4 日本語,英語,中国語の言語構造を反映した幼児の統語範疇の獲得
 12.5 本章のまとめ
 12.6 コラム14:言語進化の巨人,テレンス・ディーコン(Terrence W. Deacon)

第13章 自己認知・身体表象と社会脳解析
 13.1 自己顔認知と身体認知の発達過程
 13.2 多様なエージェントとの相互作用がもたらす異なる社会性脳の解析
 13.3 本章のまとめ
 13.4 コラム15:潜在脳科学の達人:カルテックの下條信輔教授
 13.5 コラム16:夢を育むSF作家,そしてサイエンスジェネラリスト瀬名秀明氏

第14章 エピローグ:ニューロモルフィックダイナミクスへの旅立ち
 14.1 総括として
 14.2 ニューロモルフィックダイナミクス
 14.3 コラム17:日本のカオス界の大ボス,中部大学の津田一郎教授

関連サイト
紀伊國屋書店
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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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