AIが回転式アナログメーターを自動で読み取る技術 保守点検や検針作業の効率化/自動化めざす エヌエスティと山梨大学が共同開発

エヌエスティ・グローバリスト株式会社は山梨大学工学部コンピュータ理工学科の茅 暁陽教授の研究グループと連携して、AIによる回転式アナログメーターの自動読み取り技術を共同開発したことを発表した。今後は現場での実証研究をさらに進め、従来人手で行っていた巡回点検作業の負荷低減や設備監視作業を容易にさせ作業の簡便化を図る。


数枚の写真からでも深層学習に必要なデータを自動生成

工場やプラント設備の保守点検では各種設備のアナログメーターが複数個所に取り付けられている。作業員は現場に出向いて施設内を巡回しながら複数のメーターを人手作業で確認・転記・集計を行うため、人為ミスが発生しやすく、また最近の自然災害やコロナ禍により現場へ出向くことが困難な状況に陥っている。さらに、産業・社会インフラにおいては設備点検作業員の高齢化、人材不足、設備の長期運用での経年劣化で停止リスクの高まりや維持コストの増加が問題であり、設備稼働率の維持や向上は企業経営に影響を及ぼすと言っても過言ではない。

回転式アナログメーターは設備の動作環境によっては撮影角度や照明条件が大きく制限され、鮮明な画像が得られないことが頻繁に起こる。特に回転式メーターの場合は撮影角度に関係なく数値と数値の間の状態を正確に読みとることが困難になる。低画質の画像の認識には近年注目されている深層学習技術が有効とされてきたが、メーターの上位桁の更新に数年単位の長い時間を要する場合もあるため、深層学習に必要となる学習データの確保が大きな課題となっていた。

今回開発したAIアナログメーター自動読み取り技術は数枚の写真からでも深層学習に必要なデータを自動生成でき、最新の深層学習モデルと組み合わせることによって、様々な環境に設置されている回転式アナログメーターの自動読み取りを可能にした。回転式アナログメーターの他、NSTGが確立した自動画像解析が完了しているメーター種類は次の画像の通り。


自動画像解析が完了しているメーター種類
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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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