牛の誘導はドローンにまかせて!! ドコモの放牧業務効率化の実証実験をテックファームがサポート

テックファーム株式会社はNTTドコモ(以下、ドコモ)によるドローンを活用した放牧業務の効率化を目指す実証実験をサポートしたことを発表した。(上の画像はイメージ、テックファームホームページより引用)


Androidアプリで航行制御しながら牛を誘導できるシステムを開発

豊富町が運営する大規模草地牧場は広大な敷地面積にも関わらず従業員が少なく、牛の誘導や施設管理業務に約4時間かかり、人手不足が深刻な課題となっていた。ドコモが豊富町などと行った実証実験では従来2人一組で行っていた牛の誘導がドローン操縦者1人で済み、労働時間を削減できたという検証結果が出ている。この取り組みにテックファームが加わりドローンの自動航行を目指すことで、更なる効率化が期待できる。

テックファームはスピーカーを搭載したドローンの航行ルートや音声の自動再生の設定をウェブサイト上で行い、Androidアプリで航行制御しながら牛を誘導できるシステムを開発。ウェブサイト上でドローンに搭載されているGPSに基づく緯度経度のポイントごとに飛行高度、滞在時間、音声の種類、音量などを設定し、ドローンの航行計画を立てる。その航行計画をAndroidアプリに登録し、アプリ上で飛行開始の指示や一時停止の制御などを行う。ドローンから送信される位置情報はテックファームの提供するIoTプラットフォーム「MoL」(モル)で管理している。

ドローンによる牛の誘導
IoTプラットフォーム「MoL」について
“Monitoring of Location”の略。ドローン以外にも、温度・位置などの情報を取得する環境センサーやBeaconなどさまざまなデバイスに対応でき、LPWAやWi-Fiといった通信方式も利用環境に合わせて選べる。収集したデータは別のシステムと自動で連携できる。IoTシステムの中でも数少ない“屋外”で利用可能な位置管理機能が特徴。


ドローンによる牛の誘導のメリット

1.人手を介さない牛の誘導が可能
ドローンから犬の鳴き声などの音を発することで、人が近くにいなくても牛を柵内に誘導できる。大規模な牧草地を移動する身体的負担が軽減でき、作業時間短縮や人員削減による人手不足の解消にも繋がる。

2.誰でも簡単に操作可能
アプリやウェブサイトの操作画面をシンプルで直感的なデザインにすることで操作性を向上。ドローンの操縦ができない人でもアプリ上での指示だけで簡単に操作できることを目指し、開発している。




テックファームの取り組み

テックファームは2019年、ドコモが推進するドローン農作業支援システムの実証実験プロジェクトで、ドローンの自動航行によって農地を撮影し生育状況の確認ができるシステムとアプリを開発した。その際に得た知見を活かし、ドコモが北海道豊富町で取り組んでいたドローンによる牛の誘導プロジェクトに参画。ドローンの自動航行による牛の誘導という目標に向けて、テックファームが開発したシステム・アプリによって実証実験をサポートしている。

テックファームは今後も産業用ドローン向けのスマートフォンアプリ開発によって、農業、点検、防災といった幅広い分野でのドローン活用に貢献していくとしている。

関連サイト
テックファーム

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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