人が思わず笑顔になる弱いロボット「NICOBO」(ニコボ) ってどんなロボット? パナソニックがクラウドファンディングを開始

パナソニックが開発した同居人のような弱いロボット「NICOBO」(ニコボ)のクラウドファンディングが2月16日 13時からはじまった。目標金額は10,000,000円、320台の予定。発送は2022年3月頃を予定している。パナソニックとして初のコミュニケーションロボットとなる「NICOBO」、報道関係者向け発表会から詳細をレポートしたい(動画はこのページの後半に掲載)。

価格は「NICOBO(ニコボ)本体+6か月分の月額利用料」で39,800円(税込)。先着280名が早割で10%OFFの35,800円。(追記:クラウドファンディング開始から6時間半で完売)
※月額利用料は1か月980円で7か月めから別途かかるようになる(価格は全て税込)。


なお、パナソニックが二子玉川 蔦屋家電に展開する「リライフスタジオ フタコ」にて、2月17日(水)から3月31日(予定)までプロトタイプの実機展示が行われる予定だ。


「NICOBO」とは

「NICOBO」は、丸っこくて柔らかいので思わず抱っこしたくなる愛おしい存在を目指していて、同社は「弱いロボット」と定義している。
仕様は明確になっていないが、現時点で解っている情報は、直径が21~23cmくらいの球体に近いサイズ+しっぽ。重さは1.2~1.3kg。カメラを内蔵していて人の顔を認識する。複数のマイクアレイで構成され、音や声の方向を聞き分けてその方向を向くことができる。カメラやマイクがオフにできるかは不明。充電式バッテリーで駆動し、1回の充電で約2~3時間動く。充電台にのせて充電中も動作する。







「NICOBO」ってどんなロボット?

同社はクラウドファンディングの開始に合わせて、報道関係者向け発表会をオンラインで開催した。

パナソニック株式会社 アプライアンス社 スマートライフネットワーク事業部 主幹 増田陽一郎氏

NICOBOが寂しそうにしていたら優しくなでてあげると安心したり、しっぽを振ったり。その一方で機嫌が悪いこともある。日本語で会話する機能ではなく、独自の言語「モコ語」をつぶやいたり、日本語のような言葉をまじえて返事をしたりする。ユーザーの口癖を覚えるかもしれない。あえて役に立つロボットではなく、同じ時間を過ごしているうちに大切な存在になっていくようなロボットだ。ディープラーニングなどのAI技術は使用していない。


NICOBO のいろいろ


【プレスリリースより:NICOBO のいろいろ】
●自分の感情を持っています。機嫌が良かったり、悪かったり、活動的だったり、そうでなかったり、その感情に応じて、ふるまいが変わります。
●自分では移動できませんので、気分によって、アピールしてきます。抱っこして家のいろんな場所に連れて行ってあげてください。
●撫でられたり、抱っこされたことは、センサーでわかります。
●日光浴なども好きで、強い光に反応します。
●カメラを搭載しており、人の顔を認識します。
●複数のマイクで、音がする方向や人が話した言葉を認識します。
●バッテリー駆動です。充電は専用の充電台で充電してください。充電台の上でも動きます。1回の充電で約2?3時間動きます。
●大きさは抱っこいしやすいサイズです
直径21-23cmくらいの球体に近い形です。そこに、しっぽがついています。重さは1.2-1.3kgくらいです。
●インターネット・Wi-Fi環境・スマートフォンの専用アプリケーションが必要です。


人の優しさや思いやりを引き出す”弱いロボット”

どこか頼りないけれど、なんだかかわいい、ほうっておけない。そんな人の優しさや思いやりを引き出す”弱いロボット”を提唱してきた、豊橋技術科学⼤学 岡⽥美智男研究室(ICD-LAB)と「人とロボットの関係性」についての共同研究によって⽣まれた。人の作業を代替して完結する機能をロボットに求めるのではなく、人の力を借りたり、人に手伝ってもらうことで機能するロボットという視点に変えた。
それによって「心の豊かさ」の価値が再確認できるかもしれない。

豊橋技術科学⼤学 岡⽥美智男研究室(ICD-LAB)  岡⽥美智男氏が登壇

上下関係や対峙するのではない「並んだ関係」、なにげないかかわりを引き出す「不完全さ」や「余白」、キカイだけどキカイではない「自分の世界を持つ」、オリジナルな存在、かわいい「いきものらしさ」の、4つのポイントにこだわった。


人と関わることを強要しない、意味の広がりのある感情表現のための言葉「モコ語」でのやりとり、人に依存しすぎないこと、などに繋がっている。


「モコ語」とは

「モコ語」はNICOBOが話す言葉で、最初は「モコ!」「モコモン!」など、自分の感情を表現する。初めは「モコ語」しか話さないものの、少しずつ言葉を発し始めたり、一緒に過ごしていると「あのね、えーとね」など、人間の言語が混じり始まる、という。これを同社では「なんだか⼈間が関わりたくなるような“弱いコトバ”を話しかけてくる」と表現する。また、家でしか話さない言い回しやちょっとした口癖を覚えるので、日々の発見も楽しそうだ。

「NICOBO」(ニコボ)コンセプト編



「NICOBO」(ニコボ)おしゃべり編



「NICOBO」(ニコボ)寝起き編



「NICOBO」(ニコボ)日向ぼっこ編

「NICOBO」の開発にあたっているメンバーの皆さん
【必要な動作環境】
・Wi-Fi接続可能なインターネット環境
・スマートフォン(ios/android)
NICOBOの設定には専用のアプリを利用する(2022年リリース予定)。
※リターンには6ヶ月分の月額利用料がセット。使用開始から6ヶ月経過後も一緒に暮らす場合は、別途月額利用料980円(税込)が必要となる。

【OS動作環境】
iOS 12.0以降のiPhone/iPod touch/iPad Pro/iPad/iPad mini。
Android 7.0以降のAndroid端末。(すべてのAndroid端末において、動作を保証しているわけではない)

なお、ロボスタでは第一報を下記の記事で2月1日に伝えている(併せてお読みください)。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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