階段や段差などの走破性を重視した「ラストワンマイル向け自動配送ロボット」の開発に東大発AIベンチャーが着手を発表

近年、物流業界は、オンラインショップやEC市場の拡大によりニーズが高まっている一方で、人手不足や労働の激務化などが大きな問題となっている。また、新型コロナウイルス感染症の影響から、利用者はもちろんのことドライバーも常に感染リスクがある。

政府は、このような物流業界の課題を解決するため、2021年度に自動配送ロボットの公道使用を実現するための検討を国会でも行うことが報道されている。この流れを受け、東大発AIベンチャーのTRUST SMITH株式会社は、階段や段差などの障害に対する走破性を重視したラストワンマイル(物流拠点やスーパー、飲食店などから届け先まで)向けの自動配送ロボットの開発に着手したことを2021年3月31日に発表した。


同技術と今後の展開について

同社はこれまで、トラックの自動運転技術を始めフォークリフトの衝突防止システムなど様々なソリューション開発を行ってきたが、これまで開発を進めてきた既存のAGV(Automatic Guided Vehicle)では、段差の乗り上げや不整地での走行が不可能だった。そのため、今回の自動搬送ロボットでは、グリップ力のあるタイヤを用いた四輪駆動式を採用し、歩道走行中に現れる軽微な段差の乗り上げを可能にした。同技術は、物流業界の課題解決に繋がるだけでなく、新型コロナウイルス感染症対策にも期待できる。また今後は、研究開発チームで取り組んできた階段の昇降に対応するような4脚歩行(犬型)ロボットの開発にも引き続き注力する予定だ。

最先端の技術の実装により、より良い社会の実現を目指しており、今回開発を行う「自動配送ロボット」は、物流業界における労働力の不足・新型コロナウイルス感染症対策に繋がるだけではなく、社会全体で起きている諸問題に対して一石を投じることができると考えている同社の同技術は、物流業界において、今後ますます必要不可欠なものとなるだろう。



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ロボスタ編集部

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