avatarinとJAXA、東大大学院が宇宙アバターの開発に向けた活動を開始 遠隔からの宇宙旅行も視野に

ANAグループのavatarin株式会社と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みのもと、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(東京大学大学院工学系研究科)の協力を得て、2021年7月より「アバター技術を利用した宇宙関連事業」の共創活動を開始したことを同月16日に発表した。
(冒頭の画像:遠隔コミュニケーション型space avatarイメージ)

avatarin、JAXA及び東京大学大学院工学研究科は、同事業コンセプト共創活動を通して、「アバター技術を利用した新たな宇宙関連事業」について検討を促進し、アバター技術がもたらす新たな価値の創出及び宇宙利用の拡大、地上への成果の反映を目指していくとのことだ。

▼ 3社の目指すもの

avatarin 2020年11月の実証で得られた地上-宇宙間の遠隔操作技術含めた宇宙におけるアバター活用ノウハウを「アバター技術を利用した宇宙関連事業」の礎とし、各事業における宇宙でのアバター活用に発展。また、同事業を通して培った技術を活用し、全ての人に開かれた宇宙体験の提供を目指していく。
JAXA アバター技術による地上と宇宙の連携により、高度化・複雑化する宇宙空間における作業をより効率的に行うための技術的知見の獲得を目指すとともに、「きぼう」における民間活動の拡大、将来探査ミッション等に利用可能なロボティックス技術に向けた検討を進めていく。
東京大学大学院工学系研究科 自己位置推定・地図学習、動的システム学習、および画像認識での研究経験と技術を活かして、動的な環境であるISS船内で頑強な自己位置姿勢推定および制御技術の研究を進めていく。




共創活動の内容

avatarinとJAXAは、「アバター技術を利用した宇宙関連事業」を目指した事業コンセプト共創活動の一環として、2020年11月に国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」に設置された「space avatar」を一般の人がJAXAなどの限られた施設からではなく、街なかから操作するという技術実証に世界で初めて成功。今回の共創活動では、上記の技術実証成果を踏まえ、「遠隔宇宙旅行事業」、「遠隔宇宙飛行士作業支援事業」、「宇宙関連遠隔体験事業」の3つの事業分野について検討・開発・実証を行う。


「遠隔宇宙旅行事業」

急速に進む宇宙の民間化を背景に期待される宇宙旅行時代を見据え「SPACE FOR ALL ~全ての人が宇宙へ行ける時代」を実現するため、アバター技術を活用し、地球からISSや宇宙空間にある遠隔コミュニケーション型space avatar(地上からISSや月面など宇宙空間に接続し宇宙飛行士の支援、作業代替、休息などの業務を行えるコミュニケーションに特化した宇宙アバター)にアクセスすることで、自身が宇宙に遠隔移動できる宇宙体験サービスだ。同サービスの実現に向けて、ISS内を地上からの遠隔操作で移動可能とするspace avatarの開発を目指すとしている。

「遠隔作業支援サービス事業」

国際宇宙ステーション(ISS)や将来的に月面等で想定される宇宙飛行士作業をアバター技術を活用して支援する事で、作業の効率化や代替化を目指したサービスの検討を行う。同検討では、アバター技術によるコミュニケーション円滑化による支援を行う遠隔コミュニケーション型と、ヒューマンスキルの機械学習等を用いた高性能ハンド型の2種類のspace avatarの開発を目指す。

「遠隔宇宙体験事業」

avatarinが独自開発したアバターnewmeを用いてJAXA関連施設を遠隔見学することで、宇宙を身近に感じ宇宙開発を学習できる体験を提供でする。同事業により、実際にその場に行く事が困難な状況においても、体験機会を提供する事が可能となる。これまでアクセスできなかった方も含め、より多くの方に見学の機会提供をすることを目指し、種子島宇宙センター宇宙科学技術館でnewmeを活用した遠隔見学の実証を行う。


今回の取り組みの位置づけ©JAXA

space avatar開発に向けたロードマップ©avatarin
3社の役割分担
avatarin 「アバター技術を利用した宇宙関連事業」全体の事業計画立案・体制構築、遠隔コミュニケーションspace avatar・高性能ハンド型space avatarの開発、newmeを活用したJAXA関連施設の遠隔見学に関する事業計画立案。
JAXA ISS「きぼう」日本実験棟の利用・運用、飛行士支援作業用ロボット開発、有人安全に係る知見など、これまでに蓄えた有人宇宙技術を活用した技術協力。「遠隔作業支援サービス事業」においては宇宙飛行士作業支援に関するミッション検討の支援。「遠隔宇宙体験事業」では種子島宇宙センター宇宙科学技術館をはじめとするJAXA関連施設でのnewmeを活用した遠隔見学の実証支援。
東京大学大学院工学系研究科 遠隔コミュニケーション型space avatarのISS内における自己位置推定のための技術を開発。東京大学先端科学技術研究センター知能工学分野(矢入 健久教授)により、位置情報の動的システム学習及び運動法則を用いた時系列画像の生成モデル学習と状態推論を活用した技術開発。







JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)とは

J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムだ。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めている。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチや事業のコンセプト検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディや共同技術開発・実証などの活動を行う。

■【動画】【J-SPARC】共創現場に行く。~♯1:アバターイン(株)編~

共創型研究開発プログラムJ-SPARCで進める、アバターイン(株)とのアバター(遠隔存在技術)を活用した事業の進捗ムービー。


avatarinが独自開発したアバターnewme

「newme(ニューミー)」は、「avatarin」プラットフォームを介して、体を移動させずに人の意識と存在感を伝送する新たな移動手段だ。移動したい場所にあるnewmeを選択して、見て、話して、歩きまわることができる。ビデオ通話やWeb会 議システムなど、既存のコミュニケーションツールとは異なり、自分の意思で好きなタイミングで遠隔地の空間を動きまわることができる。

■【動画】【ご紹介】newme(ニューミー)のユースケース動画


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ロボスタ編集部
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