博多の街を舞台にしたオリジナル音声コンテンツ エイベックスの音声ARアプリ「SARF」で配信 観光ガイドコンテンツも配信

エイベックス・エンタテイメント株式会社はスマートフォンの位置情報と音声コンテンツを組み合わせた音声ARアプリ「SARF」(サーフ)が、観光ガイドとして福岡市の博多旧市街に2021年11月25日(木)から導入することを発表した。


エイベックスの音声ARアプリ「SARF」が福岡市の観光ガイドに採用

音声ARは”位置情報”と”音声情報”を組み合わせた音の拡張現実(AR)によって、日常の新しい楽しみ方を演出するソリューション。エイベックス・エンタテイメントが提供する「SARF」は、音声ARによる没入体験を観光ガイドや謎解きなどのコンテンツとして簡単に制作・導入できる点が最大の特長。制作した音声ARコンテンツは専用のアプリを介して、現地で利用することができる。

福岡市は博多を訪れる観光客に歴史的に重要な寺社仏閣が多く連なる博多旧市街を周遊してもらうことを目的に「SARF」を導入。これに合わせ、福岡市と連携し制作したオリジナルコンテンツ「博多流」(はかたながれ)を含む3つの街歩きコンテンツを11月25日から「SARF」で公開する。


同コンテンツではNHK連続テレビ小説「エール」で注目を集めた福岡市出身の俳優、坪根悠仁氏が自身初の声優に挑戦。この他、没入感を持って音声コンテンツを楽しんでもらうため、AfterShokz社と連携し、博多駅総合案内所、アジア美術館、博多町屋ふるさと館の3箇所で、骨伝導イヤホンの貸し出しを行う。


オリジナルコンテンツ「博多流」(はかたながれ)について

「博多流」は中世の博多の街を舞台にした音声ドラマ。「祇園山笠」をテーマに博多の街を盛り上げる一人の青年の物語で、博多を発祥の地とする「うどん」や、「黒田官兵衛」など歴史上の人物も登場する。「博多流」の主人公ナガマサはNHK連続テレビ小説「エール」で俳優デビューを飾り、注目を集めた俳優の坪根悠仁氏が演じる。普段は見せない、人情味あふれる熱のこもった演技は必聴。


観光客は「SARF」を起動した状態で、博多旧市街に設置された博多駅を含む20のスポットを周遊。アプリから流れる音声ドラマの世界に没入しながら、博多の歴史を味わうことができる。また、博多旧市街の観光モデルコースをベースに、観光ガイドやその場所のトリビアなどの情報を紹介する観光ガイドコンテンツの配信も行う。

【坪根悠仁氏のコメント】
僕の地元、福岡市ということもあり携わらせていただきとても光栄です。今回初めてのアフレコ経験だったので、声で表現する難しさや楽しさを実感でき、良い経験をさせていただきました。ぜひ、福岡市を観光するときに聴いていただき、福岡の魅力をより多くの人に知ってもらえたら嬉しいです!


音声AR導入の背景

福岡市では観光においては「食」というイメージが強く、他の様々な観光アセットが散在するものの、食を中心とした点の観光となってしまうことを課題と捉えてきた。一方で、祇園や呉服町方面の博多旧市街地には歴史的に重要な寺社仏閣が多く、博多を訪れる観光客を天神、中洲などの繁華街だけでなく旧市街地まで周遊してもらうための仕組みが必要と考えていた。また、コロナ禍における、密を避けた安全性の高い観光ソリューションとして、ツアーガイドを伴わずに臨場感、没入感を演出できる、非接触型の音声ARによる観光ガイドに着目し、今回の導入に至った。


「SARF」と今後の展開

「SARF」はSound Augmented Reality Formatの略。現実空間に音楽や音声情報を重ねて表示することで、Society 5.0をスマートに実現する新しいARの活用方法。これまで主なARコンテンツ及びデバイスの開発は、現実空間上に新たなビジュアル情報を重ねて表示する”視覚”の拡張を前提にするもので、スマートフォンなど既存のデバイス画面に依存することで生じる視聴範囲の制限、また、それを解消するデバイスが開発段階のため、ARを最大限享受できないシチュエーションが散在していた。

一方で、音声ARはデバイスの制約や利用シーンの制約を受けない”聴覚”による拡張を前提とするため、現段階では”視覚”によるARと比べて、幅広いシチュエーションでの導入が可能。視覚と比べた音声ARの特長は以下の通り。

1.利用障壁が低い(スマートフォンとイヤホンを利用するため、3Dメガネ等、特別な機器が不要)
2.視覚と比べて注意喚起特性が高く、歩きスマホにならない(都市等公共空間における高い安全性)
3.映像と比べて最小限のコンテンツ制作・運用コスト
4.GPSによる実装が基本のため、導入が容易

今後「SARF」は音声・音楽をベースとした地方創生支援、地域課題の解決、ブランディングを政令指定都市、中核市、観光都市に対して行っていく。音声ARによる没入体験を観光ガイドや謎解きなどのコンテンツとして簡単に制作・導入できる管理システムと、専用のスマートフォンアプリを展開していくことで、自治体や企業は独自のアプリやシステムを開発することなく、低コストで音声ARコンテンツを制作し、効率よく運用していくことが可能になる。また、利用者は「SARF」をダウンロードするだけで、自治体や企業が制作した様々な音声ARのコンテンツを、気軽に楽しむことができる。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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