ハイブリッド制御ロボット技術のTelexistence新型ロボット ニチレイロジとセンコー物流施設へ 

Telexistence株式会社(TX)は、株式会社ニチレイロジグループ本社とセンコー株式会社と共に、TXの独自AIシステムによる自動制御と人による遠隔操作のハイブリッド制御ロボット技術を核とした新たな物流オペレーションの開発を目的に、TX製ロボットのニチレイロジグループ、センコーへの導入に向けた実証実験を開始した。

第一段階として2022年3月4日に、ニチレイロジグループの物流施設の冷蔵エリアにおいて、TX製遠隔操作ロボットがカゴ台車への混載積み付けを行う実証実験を実施。また、2022年秋頃には、センコーの大手小売業向け物流施設において、実証実験の予定がある。

なお、同件の開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けている。

実証実験が行われた物流施設

遠隔操作オペレータとコックピット映像




物流施設向けTX製ロボットについて

物流施設向けTX製ロボットは、協働用ロボットアーム、AGV(自律走行搬送ロボット)、エンドエフェクタおよび遠隔操作機構で構成されている(協働用ロボットアームとAGVは他社製を採用)。一般的なパレタイズ/デパレタイズロボットは床等へのアンカー固定が必要であるため、ロボットの稼働場所が限定的となったり、ロボット作業の前後工程にマテリアルハンドリング機器等を追加する必要がある。一方で、同ロボットはAGVと遠隔操作機構を備え、さらに全ての電力がAGV内蔵バッテリーから供給される仕組みであるため、移動を伴う作業や時間帯等に応じて異なる場所で稼働することが可能だ。また、ロボットを遠隔操作するオペレーターが把持対象物や積み付け場所等を目視で確認するため、ケースサイズ等に合わせた最適な把持や載置が可能であり、保冷カバー付きカゴ台車のような複雑な作業を要する場合も従来の積載効率を維持した混載積み付けを実現しいる。





同実験の概要

今回の実験では、人件費高騰や慢性的な人手不足が深刻化する物流業界において、Augmented Workforce Platform(AWP/拡張労働基盤:ロボット制御を遠隔操作と機械学習の最適な混合比で制御可能なプラットフォーム)を通じて、身体への負担が大きい冷蔵エリアでの作業や重たいケースの運搬をロボットが代替することによる労働環境の改善や生産性向上に関する検証を行う。

■【動画】TX – Nichirei Logistics PoC 2022 03 04

※映像は(株)ロジスティクス・ネットワーク東扇島物流センターにて、TX製ロボットの遠隔操作による実験を行う様子。2022年3月1日撮影。

ニチレイロジグループは、冷蔵エリアに配置されたロボットを、人間が事務所から遠隔操作(移動・作業)することで、物流センター作業におけるリモートワークとストレスフリーな作業環境構築の可能性を今回検証するとともに、今後も先端技術の導入や作業のデジタル化を積極的に推進し、お客様のサプライチェーンを支える持続可能な物流の実現に取り組んでいくとのことだ。また、センコーは、2014年にデパレタイズアームロボットを導入し、以降もAGV等、省人化・省力化機器の導入を積極的に行っており、今回のTXのロボットは、一度設置すると、移動が困難な従来型とは違い、時間帯や業務の都合に合わせて移動出来ることで、ロボットの稼働時間が飛躍的にアップし、さらに遠隔操作で人が常時監視することで、トラブル時の迅速な対応も可能になると考えており、「簡単に移動が出来る」ことに最も期待していると述べている。


▼ニチレイロジグループ及びTXによる実証実験の概要

実施日 2022年3月4日
場所 (株)ロジスティクス・ネットワーク東扇島物流センター(ニチレイロジグループ 100%子会社)

実証実験が行われた物流施設

遠隔操作オペレータとコックピット映像

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ロボスタ編集部

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