
アスラテック株式会社は、2022年4月20日、マニピュレーターなどのロボットにかかる力を操作者に伝えることができるロボット操作システム「V-Sido Bilateral(ブシドー・バイラテラル)」を発表した。ロボットの手などを感覚を遠隔操作者がリアルに感じ取ることができる技術。
「V-Sido Bilateral」は、同社独自のロボット制御システム「V-Sido(ブシドー)」をベースに、バイラテラルの機能に特化したソフトウエアとして開発されている。「V-Sido」と同様、幅広いアクチュエーターに対応し、形状や大きさ、用途を問わず、さまざまなロボットに適用することが可能だ。また、アクチュエーターを変更した場合でも、同じソフトウエアを利用可能なため、効率的にロボットを開発できる。
市販製品では現在、「V-Sido Bilateral」は株式会社ロボティズ日本支店(ROBOTIS)のマニピュレーター「OpenMANIPULATOR-X」に対応している。なお、ROBOTISから「V-Sido Bilateralスターターキット」が2022年夏前に発売される予定だ(価格は未定)。同キットは、「OpenMANIPULATOR-X」、「小型コントローラーRakuda-mini」、「V-Sido Bilateral制御ボックス」の3点で構成されており、「V-Sido Bilateral」のロボット制御をすぐに利用できるようにした製品となっており、その他のROBOTISロボットにも、「V-Sido Bilateral」の対応を検討していく。
また今後、同社は、分野を問わずさまざまなロボットメーカーに「V-Sido Bilateral」を提供していくとのことだ。
「V-Sido Bilateral」の概要
「V-Sido Bilateral」は、マニュピュレーター1台と同一形状のコントローラー1台の2台で構成されるロボットシステムで、コントローラーの動きをマニュピュレーター(ロボット)に同期させる、いわゆるマスタースレーブをベースにしつつ、コントローラーに力覚をフィードバックすることで双方向の姿勢同期を行う。操縦者はロボットにかかる外からの衝撃や物体を把持する感覚を得ることで、より直感的にロボットを動かすことができるほか、自然にロボットへかかる負担が小さくなる動作を作ることが可能だ。
なお、マスタースレーブとは、ロボットの遠隔操作手法のひとつで、ユーザーが手元にあるマスターロボットを操作して、その動きと同期して遠隔にあるスレーブロボットが動作する仕組みのことで、近年はリーダフォロワなどの用語が推奨されている。また、ロボットおよびコントローラーへの力覚フィードバック設定を調整することで、作業内容や用途に応じたロボット操作を実現。これにより、破損の可能性がある対象物を把持する際、ロボット側にトルクリミットをかけ破損を防ぎながらコントローラーへの力覚をフィードバックさせることで、対象物への繊細なアプローチが可能になる。
■【動画】「V-Sido Bilateral」対応製品:ROBOTIS製「OpenMANIPULATOR-X」
■【動画】「V-Sido Bilateral」を使ったロボット「ねこずきん」
※動画で使われている「ねこずきん」は同社が「V-Sido Bilateral」の開発・検証のために作成した独自設計ロボット。
「V-Sido Bilateral」採用事例
「V-Sido Bilateral」は、2022年4月20日時点で、VTuber「斗和キセキ」が動画を公開しているロボット「ロボ斗和キセキ」の制御や、VTuber「シマハイイロギツネ」のリアルごあいさつ会で使われたロボットの制御で採用されている。その他、株式会社オリィ研究所が開発中の新型分身ロボットにも「V-Sido Bilateral」で協力をしている。
採用事例:VTuber「シマハイイロギツネ」のリアルごあいさつ会
■【動画】『けもV シマハイイロギツネ ジャパリパークから「ヒトの国」にきたよ!よろしくにぇ!ごあいさつ会』オフィシャルレポート動画
採用事例:VTuber「斗和キセキ」の「ロボ斗和キセキ」
■【動画】例のロボ斗和キセキに猫カフェ行かせた結果www
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アスラテック株式会社
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