ロボット開発を手がけるヴイストン株式会社は、同社製の研究開発用台車ロボットに搭載可能な「3D LiDARオプション」を発売する。
本製品は、平面だけでなく高さ方向の測距も可能な3次元LiDARを搭載することで、複雑な環境下での自律移動や自動搬送に関する研究開発を支援するものである。
小型・高性能な3D LiDARで環境認識能力を向上
本オプションには、Livox社製の小型・高性能3D LiDAR「Livox Mid-360」が採用されている。レーザーは水平方向360度、垂直方向59度(-7度~+52度)の範囲を走査し、検出可能距離は約40~70mとなっている(対象物により変動)。

これにより、従来の2D LiDARでは検出が困難だった高さ約5cmの低い障害物や、脚の細い椅子といった対象物も認識できる可能性があり、これまで走行が難しかった環境でのSLAM(自己位置推定と環境地図作成)や自律走行の実現が期待される。
一方で、2D LiDARは3D LiDARに比べてデータ処理の負荷が低いという利点もある。そのため、どちらのLiDARを選択するかは、用途や開発環境、利用可能なリソースに応じて適切に判断する必要がある。
台車ロボットへの最適化とROS 2による開発環境
「3D LiDARオプション」は、台車ロボットでの運用を想定したハードウェア構成となっている。専用設計のフレームでLiDARを本体に確実に固定し、台車ロボットの内蔵バッテリーから給電できるため、ロボットの移動性能を損なうことなく搭載が可能である。なお、構成によっては「拡張機器用電源基板 VS-WRC054」が別途必要となる。
また、LiDARに接続するケーブルの向きは、取り付け位置に応じて3方向から選択でき、ユーザーによる変更も可能だ。特定の用途でLiDARを傾けて固定したい場合には、カスタムフレームの製作にも対応する。


ソフトウェア面では、ROS 2 Humbleをセットアップ済みの「ROS PC(NUC14)オプション」で動作が確認されている。このオプションを併用することで、3D LiDARを用いた開発を迅速に開始できる。ただし、提供されるのはセンサー用のドライバーパッケージのみで、3次元SLAMなどのサンプルプログラムは付属せず、ユーザー自身での開発・実装が必要となる。

製品情報
「3D LiDARオプション」は、ヴイストン株式会社の公式Webショップにて注文を受け付ける。本製品は、同社製の研究開発用台車ロボット本体を注文する際の有償オプションとして提供される。
・製品名:3D LiDARオプション
・価格:148,500円(10%消費税込み)
 
          




 
  
         
         
         
           
          