東京ガスがアクセンチュアのAIソリューションを導入 コールセンターの応答時間が短縮、緊急対応が約14%低減

超少子高齢社会で労働生産人口が減少している日本では、個々の従業員が持つ知見やノウハウの継承と生産性の向上が多くの企業に共通する課題となっている。

この課題解決に向け、アクセンチュア株式会社は、企業が保有するデータのさらなる価値を引き出し、データ駆動型の企業経営を支援するAIソリューション「AI Powered Knowledge Sharing(エーアイパワード ナレッジ シェアリング)」の本格展開を開始したことを2022年4月27日に発表した。

画像は同社公式サイト内より

また、導入事例として東京ガスのオペレーションセンターのケースを公表。AI導入により、応対時間の短縮、緊急対応の削減、回答レベルの均一化など、多くの効果があることを紹介した。

東京ガスとアクセンチュアのメンバー。(写真:上段 左から)桒原 氏(TGCS)、林 氏(アクセンチュア)、小林 氏(TGCS)、曹 氏(アクセンチュア)、岩下 氏(TGCS)、飯澤 氏(アクセンチュア、後藤 氏(アクセンチュア)/(写真:下段 左から)高瀬 氏(アクセンチュア)、亀本 氏(TGCS)、小林 氏(TGCS)

※画像:同社公式サイト内事例紹介ページより




AI Powered Knowledge Sharingとは

AI Powered Knowledge Sharingとは、AIによる自然言語処理や自動音声認識技術を活用したソリューションだ。社内に点在している知見やデータを集約し、経営からオペレーションの最前線にいたる、あらゆる事業プロセスでデータを容易に活用できる環境を構築することで、データに基づく企業経営の実現を支援する。具体的には、音声やテキストなどでインプットされるさまざまな形式のリクエストデータをAIがその意図を理解し、膨大なデータの中から瞬時に最適な情報を提供。社内に蓄積している多様なデータを最大利用することで、データ駆動型の事業運営を支援して事業成長を促進する。

■【動画】AI POWEREDナレッジシェアリング




導入企業の事例【東京ガス株式会社】

顧客問い合わせの業務改善に取り組んでいる東京ガス株式会社は2021年10月に「AI Powered Knowledge Sharing」の運用を開始した。古くなっていた情報の最新化と分散していた知見を集約して一元管理し、自然言語処理技術を実装した検索システムを活用して、文章検索で必要な情報を取得できるようにした。これにより、コールセンターのオペレーターが適切な情報を素早く利用できるようになり、応対時間が短縮した。
また、スーパーバイザーへのエスカレーション対応が約14%低減するなど、さまざまな改善効果が生まれている。また、2022年4月より、AIの音声認識結果を活用した電話問い合わせ対応を開始。顧客の問い合わせ内容に応じてAIが瞬時に推奨回答を特定し、確認項目リストとともにオペレーターのPCディスプレイに表示される。AIが支援することで、オペレーターごとの応対のばらつきが低減され、更なる応対時間の短縮につながる。応対品質の高度化と標準化が可能になるため、顧客満足度の大幅な向上が期待できる。

アクセンチュアのビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 AIセンター長 マネジング・ディレクターの保科学世氏は次のように語っている。

アクセンチュア 保科学世氏

AI Powered Knowledge Sharingは、幅広い業界で、経験豊富な従業員の知見継承や生産性の向上、設備保守や事故防止、製品開発など企業のさまざまな事業プロセスにおいてデータから価値を引き出します。東京ガス株式会社の事例のように、人間が迅速かつ細やかに対応するための支援をAIが行い、顧客満足度の向上や業務負荷の軽減に寄与していることを嬉しく思います。AI Powered Knowledge Sharingが多くの企業の課題解決を支援することで日本企業の成長を促進できると信じています


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ロボスタ編集部

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