WHILLがトヨタの子会社Woven Capitalからの資金調達を実施 近距離モビリティを活用したスマートシティをグローバルで加速

WHILL株式会社は、ウーブン・キャピタルからの資金調達を完了したことを発表した。Woven Capitalはトヨタ自動車の子会社で、ウーブン・プラネット・グループの投資機能を担うグローバル投資ファンド。
調達資金は、生産体制のグローバル拡大やビジネスのサービス事業に重点を置いたリソース強化に用いられる。

WHILL社は高性能な電動車イスなどの近距離モビリティを手がけ、自動運転モビリティサービスにも注力している。2020年6月には羽田空港で近距離モビリティを実用化し、国外でも米国のサンノゼ国際空港、ジョン・F・ケネディ国際空港、ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港、ダラス・フォートワース国際空港、ジェラルド R. フォード国際空港で実証実験を行っている。ほかにもカナダのトロント・ピアソン国際空港、ウィニペグ国際空港などでも実験している。

羽田空港ではWHILLの低速モビリティが活用されている(写真はイメージ)


両社のコメント

WHILL 社の代表取締役社長 CEO 杉江理氏と、Woven Capital 社のプリンシパル 加藤道子氏は次のようにコメントしている。

杉江理氏(WHILL)

10周年に合わせてこの資金調達を実施できたことを嬉しく思います。WHILL 社は 2012 年以来、革新的な近距離モビリティのハードウェアとソフトウェアを開発してきました。今後 10 年を見据え、増大する需要に対応するために事業を拡大し、空港、病院、および人々が近距離移動を必要とする歩行領域のサービス展開を加速させます。今回の資金調達により、Woven Planet と WHILL 社のモビリティ製品およびサービス連携の可能性が創出されました。Woven Planet は私たちと同じようなミッションを掲げています。今後は Woven Planet の持つ豊富なつながりと知見を活かし、私たちの事業を成⻑させてまいります。

加藤道子氏(Woven Capital)

WHILL 社は、何十年も真の意味で革新が今まで起こってこなかった業界を変革しています。世界中で 2億人以上いる歩行が困難な方々に新しいモビリティを提供することで人と人をつなげ、健康と生活の質の向上に多大な影響を与えます。WHILL社は、革新的なモビリティを 10 年間提供してきた実績で業界を牽引しており、モビリティを通じてすべての人が最高の生活を送れるように貢献すると信じています。


WHILLと自動運転

WHILLは、自動運転・自動停止機能などを搭載した「WHILL 自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するシステムから構成される、歩道・室内領域のための自動運転システムを提供している。施設はシステムを導入することで複数のデバイスを同時に管理および操作することができ、自動走行および自動運転による無人での返却が可能になる。顧客体験の向上と便利なサービスの提供に加え、施設管理者はスタッフの負荷を軽減し、安全で効率的な運用を行うことができる。
また、利用者自身で運転するモデルも提供しており、自由に空港内を散策し、ご自身のペースで自由に搭乗ゲートに向かうことができる。タンパ国際空港では WHILLを15台活用した。
さらに、B2B2C のビジネスモデルも展開している。電動キックボードのシェアリングサービスを行っている米国のBirdは専用のアプリを通じ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコで WHILL のレンタルをしている。

■「WHILL自動運転システム」サービス(空港)


Woven Capital について

Woven Capital は、モビリティ分野におけるテクノロジーやイノベーションを生み出すグロースステージ企業に投資する8億米ドルのグローバル投資ファンド。
トヨタ自動車の子会社である Woven Planet Group のコーポレート・ベンチャー・キャピタルとして、2021年に設立された。モビリティの未来への進化を世界的に加速させる Woven Planetの取り組みを支援するために、Woven Capitalは、モビリティ、自動化、人工知能、データ・アナリティクス、コネクティビティ、スマートシティなどの分野を中心として、グローバルに投資を行っている。

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