電気自動車の普及加速へ ABBとシェルが世界最速のEV充電器「Terra 360」ネットワークを構築、ドイツで200基以上設置へ

ABB(ABBN: SIX Swiss Ex)は、より生産的で持続可能な未来の実現に向けて社会と産業の変革に活力を与える、世界をリードするテクノロジー企業だ。

同社と世界80の市場に46,000以上の拠点を持つ世界最大のモビリティリテーラーであるシェルは、2022年5月17日、ABBの世界最速のオールインワン電気自動車用充電器Terra 360による初の全国ネットワークを立ち上げる計画を発表した。新型Terra 360は最大4台の車両を同時充電できるモジュール式充電器。15分以内に電気自動車をフル充電(航続距離約500km分)できる。

同社は、透明性とデータセキュリティの基準を設定し、Terra 53/54とハイパワーDC充電器がドイツの「Eichrecht」システムに準拠した最初の主要充電サプライヤの1社となっており、今後12カ月でドイツ全土に200基以上のTerra 360充電器の設置を予定。シェルと共に、170万人以上のドイツの電気自動車ドライバー​のために、充電器の普及と充電速度の向上に貢献するとしている。

(冒頭の画像:ABB E-モビリティのCEO Frank Muehlon氏とシェル・モビリティのグローバルエグゼクティブバイスプレジデント István Kapitány氏)



今回の発表について

同発表において、シェル・モビリティのグローバルエグゼクティブバイスプレジデントであるIstván Kapitány氏は次のように述べている。

Shell Mobility Global Executive Vice President István Kapitány氏

シェルでは、お客さまが都合の良いときに便利な場所で充電できるようにすることで、EV充電のリーダーになることを目指しています。外出中のドライバー、特に長距離を走行するドライバーにとって、充電速度は重要であり、1分の待ち時間が彼らの旅に大きな違いをもたらします。フリート所有者にとっては、EVフリートを走行させ続けるための日中充電にスピードが重要です。このため、ABBとのパートナーシップを通じて、ドイツで最初に、そしてすぐに他の市場で利用可能な最速充電をお客さまに提供できることを嬉しく思います



また、ABB E-モビリティのCEOであるFrank Muehlon氏も以下のように発言している。

ABB E-mobility CEO Frank Muehlon氏

EV充電インフラのグローバルリーダーとして、私たちは、イノベーションとコラボレーションが一体になれば、気候変動の影響を緩和し、低炭素社会を実現するためにともに貢献することができると信じています。

運輸部門だけで世界の温室効果ガス総排出量の約29%を占めており、変化を推進するために協力して取り組むことの重要性はかつてないほど高まっているため、このマイルストーンの立ち上げでシェルと提携できることを嬉しく思います。



100%再生可能な電力によるTerra 360充電器の全国ネットワークであるシェル・リチャージは、消費者とフリートの双方から高まるEV充電インフラに対するドイツの需要に応え、将来的にドイツ全土でのe-モビリティの普及のさらなる加速に役立つことになる。



Terra 360について

新型Terra 360は、ABBが2021年9月30日に、市場で最速の充電体験を提供する革新的なオールインワン電気自動車(EV)用充電器として発表した。同充電器は動的配電により、最大4台の車両を同時充電できるモジュール式充電器だ。このモジュラー設計により、動的配電を備えた充電ステーションのピーク時の使用が保証され、ドライバーは他の誰かがすでに充電している場合でも待つ必要なく、別のプラグを使用して充電開始可能。新型の充電器の最大出力は360kWで、15分以内に任意の電気自動車をフル充電(航続距離約500km分)でき、急速充電であろうと、食料品の買い物中のフル充電であろうと様々なEVユーザのニーズに対応できる。

※同充電速度は、360kWの出力レベルで充電可能と予想される今後のEVにおいて期待されるもので、一般に、車種によって充電速度が異なり、走行1kmあたりの電力消費量も異なる。実際の充電速度と1kmあたりの電力消費量は、充電時の周囲温度やバッテリの充電状態によっても異なる場合がある。


■【動画】Meet ABB’s new Terra 360, the most powerful charger in the world




ABB E-モビリティとシェル・モビリティ

ABB E-モビリティは、ABBのACおよびDC充電ステーションのエンドツーエンドのポートフォリオを供給するためのグローバルフレームワーク契約をシェルと締結。ポートフォリオは、家庭、職場、小売設備用のACウォールボックスから、給油ステーション、都市充電ステーション、小売駐車場、フリートアプリケーションに最適なTerra 360まで多岐にわたる。同社は、2025年までに全世界で50万カ所、2030年までに250万カ所を設置するというシェルの目標をサポートするとも述べている。


■【動画】ABB E-mobility and Shell – collaboration to decarbonize road transport(英語 ※日本語字幕可能)

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム