空飛ぶクルマの離発着場「バーティポート」早期実用化に向けて ブルーイノベーションと英UAP社が業務提携

ブルーイノベーションと英 Urban Air Port社(以下 UAP社)は、空飛ぶクルマの離発着場であるバーティポートの早期実用化に向け、ポートの共同開発ならびに国内での実証実験を行うことに合意する覚書を4月27日(水)に締結したことを発表した。
提携の背景と取り組み
道路の交通渋滞緩和やCO2削減、災害対応などの社会課題を解決する手段のひとつとして、また、新たなビジネス機会を創出に向け、飛ぶクルマへの期待が高まっている。その社会実装のためには、空飛ぶクルマが安全に離発着するためのポートやその管理システムが必要不可欠。
ブルーイノベーションは2016年から国土交通省や東京大学と共同で、ポートの稼働状況やドローンの運行情報などをリアルタイムに集約・管理するポート情報管理システム「VIS」(
Vertiport Information System)と、ドローンポート本体から成るドローンポートシステム「BEPポート」の研究開発を進め、全国で実証実験を重ねている。また、国際標準化機構(ISO)において有人・無人航空機の離発着を管轄する空港インフラ(SC17)のワーキンググループの議長を務めるなど、空のインフラや設備の国際標準化にも積極的に取り組んでいる。
ポートの稼働状況や空飛ぶクルマ等の運航状況、自動離着陸時の安全確認などの各種情報を一元的かつリアルタイムに集約・管理し、他システムとも共有・連結することで、一連かつ複数の飛行オペレーションを安全に遂行させるシステム。
ドローンポートシステム「BEPポート」
ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」をベースに開発したVISとドローンポート本体を組み合わせたシステム。高精度離着陸機能、ポート周辺の複数ドローンの運行管理機能、ポートへの人等の侵入検知機能、ポート周辺の風向風速情報管理機能を備え、ドローンの安全な離着陸を実現する。BEPポートのVISは、様々な種類のポートと接続・運用が可能。
一方UAP社は世界でも数少ない空飛ぶクルマ向けバーティポートメーカーとして、世界中の空飛ぶクルマやドローンのメーカーを牽引している。既に米国やEU、アジア太平洋地域の主要な地域65ヶ所に独自開発の空飛ぶクルマ向けバーティポートを設置する計画を進めており、2022年4月25日に英国Coventry市に最初の空飛ぶクルマ向けバーティポート「Air One」を設置し、実証実験を開始した。
Urban Air PortのAirOneは設置場所やニーズにあわせて機能を選択・組み合わせできる、モジュールタイプのeVTOL(垂直離着陸機空飛ぶクルマなどの電気垂直離着陸機等)向け離着陸場。空飛ぶクルマによるタクシーやドローンによる物流、災害対応などの幅広い用途で活用を見据え、さまざまなeVTOL機種に対応できるよう設計されている。通常の空港やヘリポートよりもはるかに低い設備投資と運用コスト、コンパクトで柔軟な空のインフラ構築を可能にした。
今回の提携では空飛ぶクルマの社会実装を見据え、ブルーイノベーションのVISとUAP社の空飛ぶクルマ向けバーティポートを連結させることで「BEPポート」のラインナップを強化し、日本国内での実証実験を通して早期実用化を図るとともに、グローバル展開を視野に入れた事業化検討を進めていく。
提携についてのコメント
ブルーイノベーション 代表取締役社長CEO 熊田貴之 氏からのコメント
Urban Air Port .Ltd CFO Adrian Zanelli 氏からのコメント
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山田 航也
横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。