多言語同時翻訳AIアナウンサー「Virtual Talking Head(バーチャル トーキング ヘッド)」の企画・開発・運営を行う、横濱ベイサイドギターワークス合同会社と、国内最大のコミュニティ放送局向けコンテンツネットワークを持つ、株式会社ミュージックバードは、47言語に対応し緊急時にもタイムリーに活用できる「Virtual Talking Head」の販売委託契約を締結したことを、2022年8月25日に発表した。
少子高齢化や人口減少に伴い、外国人の人口が増える全国の各地域では、新型コロナウィルス等の蔓延や気候変動等の自然災害が甚大化する中、行政からの緊急情報や気象情報の発信、避難情報等を多言語で発信するニーズが高まっている。
この問題に対し、両社は共に、持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標である「SDGs」を推進することで、地域の活性化と外国人も安心して住める街づくりを目的として、「Virtual Talking Head」の全国のコミュニティ放送局への普及を目指し、今後、全国のコミュニティ放送局を中心に自治体での活用も視野に入れた拡販・販売体制を協業して行くとのことだ。
発災時に外国語での情報提供が困難だった経験から生まれた
多言語同時翻訳AIアナウンサー「Virtual Talking Head」は、発災時に外国語での情報提供が困難なことを経験したコミュニティ放送局の実体験から着想を得て開発されたサービスだ。災害などの非常時に、日本語および複数の外国語による合成音声によって臨機応変な情報提供を実現する。
緊急時に人や環境に依存せず「すぐに」使える利便性
最新のパブリッククラウドを活用し、日本語の文章を複数の外国語に同時翻訳すると共に、各言語の読み上げ音声もリアルタイムに生成。クラウドサービスとして提供されるため、専用の機材などを用意することなく、 日常の業務で使うパソコンからWebブラウザで利用可能だ。また、パソコンに不慣れな方の利用を配慮し、数クリックの操作で合成音声を作成・再生できるシンプルなユーザインターフェイスを採用している。
原稿の翻訳や話者の確保に掛かる費用を削減
同製品を使用することで、原稿の翻訳や外国語での読み上げに必要となる話者(パーソナリティーなど)の確保に必要となる諸経費の削減が期待できる他、緊急時であっても、日常の業務で使うパソコンから合成音声によって原稿を読み上げることができるため、話者の確保に掛かる手間や、話者不在による情報提供の機会損失を低減できる。
多言語同時翻訳AIアナウンサー「Virtual Talking Head」開発経緯
多言語同時翻訳AIアナウンサー「Virtual Talking Head」の開発は、2019年に猛威を振るった台風15号と19号が立て続けに上陸した際のコミュニティ放送局での実体験がきっかけとなっている。外国語で避難勧告や避難所の開設情報を伝えたくても、重なる悪天候などの影響で原稿の翻訳や読み上げを託せるスタッフを確保できず、ほとんどの情報を日本語でしか伝えることができず、その結果として、もっとも重要な有事での外国語対応に脆弱性があることを深く認識することとなった。この苦い経験をきっかけに「人や環境に依存せずに外国語での放送を実現する」必要性を強く感じ、実際の現場体験から仕様などの構想をまとめ、ベイサイド ギターワークスが製品の企画策定・実装開発に着手、最新のパブリック クラウドサービスを活用した機械翻訳と音声合成を活用した、多言語同時翻訳AIアナウンサー「Virtual Talking Head」を開発するに至った。
想定される活用イメージ
【コミュニティ放送局での利用シーン】
● 緊急時や災害時における、外国語を交えた臨機応変なリアルタイム情報発信
● 地域で生活をする外国人居留者に向けた生活情報の発信(地域のイベントや自治体からの告知など)
● 地域の観光エリアなどにおける外国人観光者に向けた多言語でのアナウンス放送
【自治体での利用シーン】
● 地域在局のコミュニティ放送局を通じた防災割込放送における外国語での原稿読み上げ
● 防災無線による外国語を交えた平時、緊急時、災害時における臨機応変な情報伝達(放送)
● 避難所や一時避難場所等における外国人への情報伝達(放送)
【イベント会場や国際会議場の利用シーン】
● 外国語を交えた緊急時、災害時における臨機応変な情報発信
● イベントや会議の状況に応じた会場及び主催者からの外国語を交えた案内