阪神本線でSub6帯を使用した「ローカル5G」「AI画像認識」等の実証実験へ　NECやアイテック阪急阪神らと

アイテック阪急阪神株式会社と阪神電気鉄道株式会社、阪神ケーブルエンジニアリング株式会社及び日本電気株式会社(NEC)は共同で、鉄道事業のより安全・安心かつ効率的な運営の実現を目指し、阪神本線において、地域の企業や自治体等が、それぞれのニーズに応じて自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる「ローカル5G」及び「AI画像認識」等を活用した実証実験を開始することを発表した。

阪急阪神ホールディングスグループでは、デジタル技術の活用による既存事業の生産性・効率性の向上や、デジタル空間等における新たな収益事業の創出を目指しており、様々なデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する取組みを進めている。その中で、鉄道事業において、将来、国内労働力人口の減少によって懸念される乗務員や保守作業員等の不足に対応するため、新技術の活用による更なる安全性向上と鉄道運営効率化の実現に向けて検討を行っている。今回の実証実験はそれに関連したもの。

なお、同実験は総務省「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証(特殊な環境における実証事業)」の一環として行うものだ。(冒頭車両画像：阪急阪神ホールディングスグループ公式サイトより)

同実証実験の背景と概要

阪急阪神ホールディングスグループは、鉄道事業において、昨年度は阪神電車武庫川線においてローカル5GやAIの活用に向けた基礎検証を実施しており。今年度は昨年度の基礎検証の発展として、車地上間通信を基盤としたシステムを新たに開発し、運行管理システム等の既存システムとの連携試験や現場での試行により、安全対策の高度化や設備点検業務の省人化等に係る有効性評価、課題抽出及び将来実装に向けた具体的な課題実証を行う。同実証実験については、ローカル5GについてはSub6帯(同実験では、4.8～4.9GHz帯)の電波を利用し、阪神本線の一部区間(西宮駅～芦屋駅、御影駅周辺)をカバーするよう環境構築を行い、鉄道線路上における電波伝搬や線路外への電波漏洩抑制手法に関する技術的検証を実施する。

▼同実証実験の期間と場所

課題実証内容について

今回は、「地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止」「車地上間における車内映像等のリアルタイムな情報連携」「車上カメラとAI画像認識を用いた日常巡査点検の省人化」の３つについて検証を行う。

地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止

AI画像認識によって踏切や駅ホーム等で発生した危険を検知し、ローカル5Gで瞬時に列車乗務員等に通知するとともに、現地でスピーカーによって注意喚起を行うことで事故の未然防止に努める。

地上カメラとAI画像認識を用いた事故の未然防止

ローカル5Gで車内防犯カメラの映像等をリアルタイムに地上係員及び乗務員と共有することで緊急時の対応を早め、利用者の安全確保に貢献する。

車上カメラとAI画像認識を用いた日常巡査点検の省人化

列車前方に搭載したカメラの映像からAI画像認識によって設備の異常等を自動的に検知することで、日々の巡視点検に係る保守作業員の負荷軽減、省人化の実現を目指す。

プライバシーの保護について

実験時のカメラ撮影に関する告知については、実験実施場所(撮影場所)において、撮影中である旨の掲示を行うと同時に、個人情報(撮影された映像等)については、個人情報保護方針に則り厳重に取り扱うこととなっている。

各社の役割

同実証において、各社の役割は以下の通りだ。

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