豊田スタジアムでサービスロボット達が来場者にデモを披露 愛知県「ARX」豊田スタジアム開催レポート(後編) サービスロボットプロモーション編

愛知県は2022年12月17日(土)に、豊田スタジアムにおいて「サービスロボット社会実装推進事業」(ARX:AICHI ROBOT TRANSFORMATION)を開催した。前編の記事では「サービスロボット実証実験」編をお届けしたので、後編は「サービスロボットプロモーション」編をお届けしたい。
「サービスロボットプロモーション」は、展示やデモンストレーション等を通じて、現地の市民・スタッフがロボットと触れあう機会を設け、ロボットおよびロボットが提供するサービスの認知度・理解度の向上を目指すもので、当日は8機のロボットが参加した。


配膳ロボット「DINERBOT T5 Laser」(KEENON Robotics 株式会社)

「DINERBOT T5 Laser」は、配膳に活用される自動搬送ロボット。トレイに飲食物を乗せて自動配送する機能を活用し、スナック菓子をトレイに乗せて、コンコースを回遊走行するデモを行った。既に、多くの来場者が飲食店などで商品を運ぶ配膳ロボットを見慣れ始めているためか、気軽に近寄る様子が多く見られた。

スナックを乗せて巡回走行する「DINERBOT T5 Laser」(写真提供:Incubion Inc.)

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清掃ロボット (クリーンスタジオ株式会社)

クリーンスタジオはGaussian Robotics 製のロボット3種類「SWEEPER 111」「SCRUBBER 50」「VACUUM 40」をデモ公開した。屋内と屋外の床面を自動走行で清掃するロボットで「SWEEPER 111」はブラシを使った掃き掃除、「SCRUBBER 50」はブラシとはけで床面を水洗浄と排水、「VACCUM 40」は吸引清掃を行うことができる。試合開催中、「VACUUM 40」が走行デモを実施、壁ぎわ40mmまでの清掃走行や、人やフェンスの回避など、安定感のある動きを披露した。

ブラシ清掃に対応した業務用清掃ロボット「SWEEPER 111」(写真提供:Incubion Inc.)

吸引式清掃ロボット「VACUUM 40」(写真提供:Incubion Inc.)




6脚自律走行ロボット「SOL」(新明工業株式会社)

新明工業はスタジアム1階のSouthサイドで6脚自律走行ロボット「SOL」の8分の1モデルを稼働デモ展示。約10cmの段差の階段を昇降した。ユニークな外観のため、男子を中心に来場者の興味をひいた。
6脚は、車輪型では立ち入れない悪路での移動に有利で、災害現場や月など過酷な環境での稼働を目指す。実寸のロボットは人を乗せての移動も将来的には想定している。

ユニークな外観で、約10cmの段差の階段を昇降するデモ。子ども達は目を輝かせて見ていた(写真提供:Incubion Inc.)

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会話ロボット「Kebbi Air」(名古屋国際工科専門職大学)

名古屋国際工科専門職大学は、AIを搭載し手足や頭を動かして表情豊かにコミュニケーションするロボット「Kebbi Air」(NUWA Robotics 社製)のデモ展示を行った。表情や動き、画面表示をプログラミングすることができ、教育の場でも活用されている。今回は、ラクビーチームに関するクイズを画面上に表示して出題するゲームを実施。子ども達が特に興味を示して集まり、ロボットとのコミュニケーションを楽しむ様子が見られた。

コミュニケーションロボット「Kebbi Air」は、家族連れや子ども達の興味を惹きつける(写真提供:Incubion Inc.)




COBOTTA クレーププロジェクト&サーブロボット(愛知工業大学)

愛知工業大学 ロボット研究ミュージアムは「COBOTTA クレーププロジェクト&サーブロボット」をスタジアム1階のNorthサイドでデモ展示した。デンソーウェーブ製の人協働ロボット「COBOTTA」(コボッタ) 2台が連携してクレープを調理し、できたクレープをスタッフが取り上げてサーブロボットに載せる。クレープを乗せたロボットが配膳を模して、周囲を巡回移動するデモをおこなった。全自動化を目指したものではなく、人とロボットが役割を分担して協業を目指す価値感を示した。また、クレープの完成度も高く、実用化の可能性の高さを感じさせるものだった。

「COBOTTA クレーププロジェクト&サーブロボット」のデモには多くの家族連れが集まった。認可の関係で完成したクレープ食品の提供は残念ながらなし。(写真提供:Incubion Inc.)

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空間洗浄ロボット「ステリボット」(愛知工業大学)

愛知工業大学 ロボット研究ミュージアムは、AIT・UV-C エアステリライザーRT「ステリボット」も展示した。外の空気を取り込んで機体内でUV-Cを照射し、ウイルスを不活性化させて洗浄した空気を排出するしくみ。自律移動が可能で、人が密集するエリアを検知して接近して、空間洗浄を効率的でアクティブに行ったり、密回避の促進を実施することができる。

人が密集しているエリアに自律移動して空間洗浄を行う「ステリボット」(写真提供:Incubion Inc.)

ARXは、他にもイオンモール常滑、アーバンネット名古屋ネクスタビル、藤田医科大学病院などで実施される。詳細は特設サイト確認いただきたい。サービスロボットの実証実験と、メーカーやSIerなどロボット企業と団体/施設/導入企業とのマッチングが進み、実用化が促進されることが期待できる。

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ロボスタ編集部

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