約50kgの荷物を運ぶ産業用ドローン「空飛ぶ軽トラ」実現へ!プロドローンが新製品「PD-Bear10」プロトタイプで救援物資を輸送

社会課題にコミットするドローン開発を進めている、株式会社プロドローン(PRODRONE)は、平時は医薬品や経口補水液を輸送し、災害時は救援物資を50kg搭載して50km飛行できる「空飛ぶ軽トラ」の開発を進めている。

この度、同社は、愛知県と名古屋鉄道株式会社、生活協同組合コープあいち、ミヤチ株式会社、新城市、豊川市、東三河ドローン・リバー構想推進協議会とともに、『高ペイロードドローンを活用した孤立集落への重量物を含む救援物資輸送の検証』を2023年2月14日に愛知県新城市で実施したことを、同月16日に発表した。

同実験に際しては、優れた携行性と高ペイロードを両立するドローンの活用により、これまで実現が難しかった小型資機材(水・食料等)の大量輸送や、蓄電池等の重量物輸送について検証すると同時に、新城市と災害支援に関する協定を締結している生活協同組合コープあいち、及び東三河ドローン・リバー構想推進協議会の会員ともに大規模災害時における連携を確認した。

なお、今回は「空飛ぶ軽トラ プロジェクト #2」であり、同社は今後も、各関係者とともに実際の運用に向け協力していくと述べている。



同実証実験の概要

同検証は、東三河地域等の山間部で課題となっている、大規模災害による孤立集落の発生時に、高ペイロードドローンが救援物資の提供を行う運用モデルの実証実験だ。今回は、【救援物資を50kg搭載して50km飛行できる「空飛ぶ軽トラ」】の前段階といえる、50kg搭載10km飛行可能な新製品「PD-Bear10」プロトタイプを活用して、重量物運搬の検証飛行を3回に分けて行った。

1回目は、初動から必要となる約15kgのバルーンライト、2回目は23kgの大容量蓄電池、3回目は43kgの水・食料の各救援物資を輸送。ネット等の重量3.5kgを加え、それぞれ18.5kg、26.5kg、46.5kgを運搬した。

1回目バルーンライト15kg

15kgのバルーンライト

2回目蓄電池23kg

23kgの大容量蓄電池

3回目食料と飲料43kg

43kgの食料と飲料類



事業実施体制
愛知県:事業委託元(「無人飛行ロボット活用促進事業」)
名古屋鉄道株式会社:事業総括、関係者調整等
株式会社プロドローン:機体開発・運航
生活協同組合コープあいち:救援物資(生活資材)提供
ミヤチ株式会社:救援物資(蓄電池)提供
新城市、豊川市:実証実験協力
東三河ドローン・リバー構想推進協議会:実証実験協力




機体(「PD-Bear10」プロトタイプ)概要

今回、実証で使用した機体は、折り畳みが可能で、ワンボックスバン等に載せて搬送することが可能。今後の量産化を見据え、メンテナンスのしやすさを追求し、シンプルな構造となっている。重量物運搬飛行は、荷物搭載時と無搭載の時で大きく負荷が変化する。そのため、無搭載時にはモーター回転数が低くなり飛行が不安定になることが課題だったが、ゲイン調整や各アームの長さの変更、プロペラを見直すことにより、問題をクリアすることができた。

「PD-Bear10」プロトタイプ


空飛ぶ軽トラプロジェクト#1『43kg運んでみました』(同社公式サイト内):
https://www.prodrone.com/jp/release/8414/ 

【空飛ぶ軽トラプロジェクト#1】12枚機大型試作機(XPD12B)

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ロボスタ編集部

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