産業用ドローンの緊急落下にパラシュートで対応 エアバッグ技術を応用した「PARASAFE」実証実験

日本化薬株式会社は自社で開発する産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を用いた実証実験を、国家戦略特区に指定されている兵庫県養父市にて実施することを発表した。


緊急時の安全装置として「PARASAFE」の有効性を確認する

産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」はドローンの落下を検知し、火工品を遠隔的に作動させることにより瞬時にパラシュートを展開し、安全にドローンを降下させる装置。日本化薬ではエアバッグ用インフレータやシートベルト用ガス発生装置等の自動車用安全部品の開発・製造・販売をグローバルで展開しており、そこで培った火工品技術を応用して「PARASAFE」を開発している。「PARASAFE」は2021年12月に販売を開始する予定。


今回の実証実験は今後ドローンの活躍が見込まれる市街等を飛行中の緊急時の安全装置として、パラシュートシステムの有効性確認を行うことを目的として実施する。実証実験によりパラシュートシステムの有効性が証明されれば、ドローン運用に安心感が生まれ、普及が促進され、新しい業界業種でのドローンの利活用が推進されることとなる。ドローン機体本体、搭載物、人命を守るための検証によって、社会におけるドローンの活躍の場をさらに広げるための実証実験でもある。

【実証実験の実施内容】
・産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を搭載したドローンを飛行させ、飛行ロガーを用いて飛行ログの取得を行う。

・産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を搭載したドローンを落下させ、パラシュートによって落下衝撃を緩和できる効果を確認する。


実証実験で使用するドローンとPARASAFEの仕様

【実証実験で使用するドローン】

・メーカー:株式会社プロドローン
・名称:汎用型ドローン
・モーター軸間:1000mm
・サイズ:700x700x410mm(PARASAFE含まない)
・サイズ:700x700x560mm(PARASAFE含む)
・離陸重量:9.07kg(PARASAFE含む)
・ペイロード:2.5kg(PARASAFE含まない)
・飛行可能時間:15分(PARASAFE搭載時)

【PARASAFEの仕様】

・最大離陸総重量:25kg
・外形寸法:Φ130×H154mm
・本体重量:1kg
・パラシュート面積:12㎡
・降下速度(理論値):5m/s(25kg吊下時)
・最低展開高度:30m以上


実証実験の実施概要
実証実験名 ドローン緊急時のパラシュート有効性検証実験
実施日 2021年10月25日(月) 10:00〜12:00 実証実験についての概要説明会(場所:養父市役所)
2021年10月26日(火) 13:00〜17:00 ドローン飛行/落下を行う実証実験(場所:つるぎが丘公園グラウンド)
※10月25日の概要説明会に関しては、天候に関わらず実施。
※10月26日の実証実験に関しては、雨天の場合は10月27日の同時刻にて実施予定。
場所情報 ・養父市役所:兵庫県養父市八鹿町八鹿1675番地
https://goo.gl/maps/VWkqzBmjdqsWrUdW6

・つるぎが丘公園グラウンド:兵庫県養父市八鹿町小山291番地1
https://goo.gl/maps/G3XySm1uHho6AmX7A



日本化薬株式会社について

日本化薬は1916年に日本初の産業用火薬メーカー「日本火薬製造株式会社」として誕生し、帝国染料製造株式会社、山川製薬株式会社を吸収合併し、1945年に現在の社名である「日本化薬株式会社」となった。その後100年を超えて「火薬」「染料」「医薬」「樹脂」の保有技術を駆使し、これらを融合・変化させながら、時代のニースに応える新製品を生み出している。



ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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