筑波大発のFullDepth、産業用水中ドローンが国交省の港湾施設点検の実証事業に採択

自社開発の産業用水中ドローン「DiveUnit300」を軸に日常使いできる水中アクセス手段の提供をする筑波大学発のスタートアップ、株式会社FullDepth(フルデプス)は、国交省が公募した「海の次世代モビリティ利活用に関する実証事業」において、産業用水中ドローン「DiveUnit300」が採択され、機器の提供とROVの使用に関する技術的な指導を実施することを発表した。


国土交通省の実証事業について

日本の沿岸・離島地域では水産業、海上輸送等が発展しているほか、洋上風力発電、海洋観光等での海域利活用が進展している一方で、高齢化・過疎化による担い手不足、老朽化が進むインフラの管理、海域の自然環境劣化等の課題を抱えている。

国土交通省では沿岸・離島地域の課題解決のため、ASV(小型無人ボート)やいわゆる海のドローンとして活用が期待されるAUV(自律型無人潜水機)、ROV(遠隔操作型無人潜水機)等の「海の次世代モビリティ」について、その技術・知見の活用及び現地に実装するための必要事項を検証することを目的として、その検証に資する実証実験を行っている。

いであ(株) ズワイガニ資源量推定におけるAUV活用
(株)NTTドコモ 真珠養殖業におけるROVを活用した海洋環境調査の有効性実証
静岡商工会議所 ローカルシェアモデルによるROVを用いた港湾施設点検の実用化実験
長崎大学 海洋ゴミ問題解決のための「ASVと自律型ROVの一体連動による海上・海中・海底調査システム」の実用化
(株)マリン・ワーク・ジャパン 小型ASVを用いたウニ密度マップによる効率的な駆除方法の検討
三井造船特機エンジニアリング(株) ROV搭載型ベントス回収装置の実証実験


『ローカルシェアモデルによるROVを用いた港湾施設点検の実用化実験』

清水港をはじめ国内の港湾の水中施設の老朽化が進む一方で、点検作業には多額な費用がかかる上、従来の点検業務を担う潜水士の減少と高齢化で人材不足が深刻化しており、点検作業の効率化や作業負荷の軽減が課題となっている。

FullDepthは静岡商工会議所の『ローカルシェアモデルによるROVを用いた港湾施設点検の実用化実験』において、産業用水中ドローン「DiveUnit300」を用いて、潜水士による点検作業の一部である目視検査と写真撮影の業務を代替することで、潜水士作業の効率化や作業負担軽減を図り、標準化された作業として実用化を目指す。

ローカルシェアモデルとは:水中ドローン利用者の機器導入に係る負担や投資リスクを抑制するため、一定の地域内の企業で機器を共用(シェア)し、幅広い業務に活用することを目指す仕組みのこと。
【採択事業代表者】
 静岡商工会議所

【共同提案者】
 掘谷株式会社
 大日工業株式会社
 株式会社柿澤学園
 一般社団法人マリンオープンイノベーション機構(MaOI機構)
 静岡市海洋産業クラスター協議会(MICCS)
 株式会社鉄組潜水士工業所

【実証実験のスケジュール】
9月27日(月)
キックオフMTG

9月29日(水)
水中ドローン オペレーショントレーニング

10月上旬〜12月上旬
実証実験 場所:清水港

12月中旬〜
評価分析・報告書

3月上旬
成果報告会


産業用水中ドローン「DiveUnit300」について

1.深海300mまで調査可能
本体に搭載した7基のパワフルな推進器により、300mの深海まで潜行が可能。

2.超極細光ケーブルが可能にする機動力と安定性
本体と船上の通信を行う3.7mmの超極細光ケーブルは潮流の抵抗を低減でき、水中における機動力と安定性を実現し140kgの加重まで耐えられる。

3.手軽に持ち運びが可能
遠方の現場には宅配サービスで送付可能。ダム等の車が入れない現場にも手軽に運べ、狭い場所でも運用できる。

4.多彩な装置を搭載可能
濁りや浮遊物で水中の視界が悪い状況でも調査対象を把握することができる「マルチナロービームソナー」や水中ドローンの自己位置を把握できる「USBL音響測位装置」、強い濁りの映像補正が可能な「画像鮮明化装置」等でバックアップする(オプション)。 

5.水中点検技術としてNETISに登録
DiveUnit300は国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」(New Technology Information System)に登録されている(NETIS登録番号:KTK-200007-A)。


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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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