ANA発アバター事業のスタートアップavatarin、DBJと三菱UFJを引受先とする20億円の資金調達 中核の「アバターコア」とは

ANAホールディングス(ANAHD)発のスタートアップであるavatarin株式会社は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)と株式会社三菱UFJ銀行を引受先とする第三者割当増資により、シリーズAラウンドにおいて20億円の資金調達を実施し、ANAHDからの出資額と合わせ累計調達額は40億円となったことを、2023年4月28日に発表した。

同社は、この度の追加資金調達を通じ、アバターロボット「newme(ニューミー)」の海外を含む展開の加速と、アバター技術の核となるアバターコアの開発・研究及び活用の強化を図るとしている。





同社の目指す未来

世界ではロボティクスやAIによる人の作業代替を加速する技術が着目されているが、同社は、人の享受する体験価値の向上に繋がる身体能力拡張のためのロボティクスやAI技術を追求している。同社は、人が必要とする場所へ、年齢を問わず、気軽に移動することを実現するほか、これまでその人ができなかったことをアバターで能力拡張し、できるようにしていく世界を創っていくと述べており、あらゆる人がアバターという持続可能で気軽で誰でも使える乗り物で未知なる場所に瞬間移動することを可能にしたり、新たな人と出会うことができたり、毎日がワクワクするようなライフスタイルを日本から世界に提案していくことを目指していくとのことだ。




アバターコアの開発・研究

同社は、アバター技術を活用した社会課題解決のビジョンを実現するための鍵となる技術として、アバターコアを独自開発している。ハードウェアに加え、ソフトウェア、クラウド及びAIを組み合わせることで、超低遅延で大容量の映像や音声、制御データなどをインターネット経由で高速伝送することを可能にするシステムモジュールとして、ロボットやモビリティに搭載し、遠隔制御やAI学習での活用を目指している。


「newme」及び「アバターコアハードウェアとソフトウェア」

アバターコアの研究・開発においては、現在は2つのプロダクト「newme(ニューミー)」及び「アバターコアハードウェアとソフトウェア」を軸に開発をしている。newmeは遠隔で自由に動きまわりながらコミュニケーションをとることができる遠隔AIロボットであり、2021年より水族館や美術館などで運用を開始。今後は、国内空港をはじめ、海外空港やホテル、病院、役所、駅、コンビニなどサービス案内業務、誘導などが必要な現場を中心として順次展開予定だ。また、アバターコアハードウェアとソフトウェアについては、今後登場するさまざまなロボットや自動運転、ドローンなどのモビリティ等に搭載し、遠隔からの超低遅延リアルタイム制御を実現するとともに、その遠隔操作から得られた情報を基にAI学習をさせて、人の能力を拡張することを目指すとのことだ。



導入事例

【受付業務】毎日朝10時から17時まで、利用者をnewmeでお出迎えして、受付のタブレットがある場所までご案内。

【カウンセリング業務】newmeを大学のキャリア・センターに設置し、カウンセラーが校外からアクセスして学生のカウンセリングを実施。

【遠隔見学授業】空港施設に設置された本物の航空機を、遠方の中学生がnewmeを通して遠隔で見学する実証実験を実施。

【遠隔施設見学】宇宙好きの子どもたちに向けて、鹿児島県の種子島にあるJAXA施設「JAXA種子島宇宙センター宇宙科学技術館」へのアバター体験を実施。


利用事例の詳細(公式サイト内)
関連サイト
avatarin株式会社

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