理経は、カナダのNuraLogix(ニューラロジック)社が開発した多項目の健康状態を計測できる、非接触バイタル計測ソリューションの販売を開始したことを発表した。
スマートフォンなどのカメラで顔を撮影するだけで血圧や心拍数、血糖値に関するリスクおよびストレスレベルなど多項目の健康状態を非接触で計測できる。
製品概要
昨今、国内では高齢者の急増により、保健医療システムの持続に懸念が生じており、持続性を高めるには、予防・予後サービスを充実し、病気にならない社会の実現が求められる。そのためにはヘルスケア産業へのデジタル技術の活用が大きく寄与するとされ、結果として新しいヘルスケア産業の市場拡大が見込まれている。
「病院」に行くことから始まるヘルスケアではなく、場所・時間を問わない「個人が主体的に選択・発生するヘルスケア」を実現するために、生涯医療データが個人毎に管理・活用できるPHR(Personal Health Record:パーソナル・ヘルス・レコード)の構築が世界的に広まっている。
今回理経が販売を開始したNuraLogix社が開発した非接触バイタル計測ソリューションは、スマートフォンやPCから手軽に日々の健康状態の計測・記録を可能にするソリューション。
経皮光学(皮膚を透過する光とスマートフォンの光学センサーを用いて、スマートフォンで撮影した顔の動画から血流のわずかな変化をとらえる)の技術を応用して、カメラで撮影した顔の動画から抽出した血流データをAIで解析し、血圧、心拍数、血糖値に関するリスクなどのバイタルデータや、ストレスレベルの推定値を算出する。
ユーザはスマートフォン・PCのカメラから顔の動画を撮影するだけで利用でき、特別な計測機器は不要です。但し、現時点では医療機器認定を取得していないため本製品を医療診断行為に利用することはできない。
測定方法・測定可能な項目と特長
スマートフォン・PCで、顔の4つのポイントから皮下組織の血流データを30秒間静止して撮影後、結果が表示される。
心拍数、呼吸数、血圧、不整脈、ストレス、不安・鬱、心血管疾患リスク、脳卒中リスク、心臓発作リスク、心拍変動、心臓負荷、BMI(※2)、肌年齢、糖尿病リスクなどが測定可能。
特長としては以下の点が挙げられる。
スマートフォンから手軽に計測
スマートフォンを利用し、わずか30秒で計測可能。手軽に素早く、非接触で健康状態を把握可能。
従業員の健康管理用途に
健康で幸福感の高い組織は、生産性の向上に貢献し、個人および企業全体のパフォーマンスの最適化と人員の定着率向上につながる。
企業での使用例としては、長距離ドライバーなどの健康管理に用いることができ、各自のスマートフォンから計測したデータを企業側で管理できる。
測定履歴を記録
日々の測定データをアプリに記録。履歴を後から確認し、時間の経過とともに変化する健康状態の傾向を追跡することが可能。
理経は、今後従業員の健康管理ツールを探している企業や、健康管理の支援を行う企業・団体、在宅介護サービスを行う施設などに向け提案していくとしている。また、SDKも用意されているため多彩なデバイスやプラットフォームとの連携・統合も可能なソリューションとなっている。