【ロボットフレンドリービル】戸田建設とALSOK、ロボットとセキュリティ扉の連携を実証実験 課題と実験結果を公表
戸田建設株式会社は綜合警備保障株式会社(ALSOK)と共同で行う、ロボットとセキュリティ扉の連携に関する実証実験について、経済産業省が公募する「令和5年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業) 」に採択されており、今回、同実証実験が一定の成果を確認したことを2023年12月20日に発表した。
今回の実証実験は、同年4月に発表したロボットとヒトのエレベーター同乗連携等に関する実証実験に続き、同ビジョンの達成に向けての実装力を強化する取り組みとなる。
建物内のセキュリティエリアもロボットが安全に移動
これまで、機密性やセキュリティの要求が高い場所で、外部からのアクセスが制限され、特別な認証や権限が必要な建物内のセキュリティエリアにおいて、ロボットとヒトが共存するためには、いくつかの課題があったが、今回、これらの課題を解決し、複数タイプの扉とロボットがスムーズに連携できるようにするために、様々なシナリオを想定して実証実験を行った。
ロボットとセキュリティ扉の連携に関する既存の問題点
1. | ロボットは、セキュリティのかかった扉を解除できないため、稼働エリアが限定されている。 |
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2. | ロボットと出入管理サーバーの通信において、標準化された通信規格がないため、各ロボットメーカーの開発コストが増大する。 |
3. | 2台のロボットが同一の扉を利用するときに制御ができない。 |
4. | フラッパーゲートの利用において、センサー位置の高さに満たない小型ロボットは通行を検知されない。 |
実証実験の概要
同社筑波技術研究所において、3つのセキュリティ扉(自動ドア・フラッパーゲート・電気錠扉)と2台のロボット(警備(案内):REBORG-Z、清掃:PUDU CC1)が、共通のインタフェイスを活用してセキュリティ扉の開閉を制御する「出入管理サーバー(Ville-feuille) 」と連携動作させることで、2台のロボットはセキュリティレベルの異なるエリア間を自律移動した。
実証実験では 、ヒトとの共存や災害時の対応も含めた合計20通りのシナリオを基に、ロボットと出入り管理サーバーの連携を確認した。
今後の展開について
同社は、(一社)ロボットフレンドリー施設推進機構(Robot Friendly Asset Promotion Association:RFA)への参画企業であり、ロボットとヒトの最適な共生空間を創造する『ロボットフレンドリービルディングデザイン』というビジョンを掲げ、この分野のリーディングカンパニーを目指しており、今後も、通信規格の標準化に積極的に取り組むとともに、『ロボットフレンドリービルディングデザイン』の構築に向けて更なる努力を重ねて行くと述べている。