DJ Roboticsが運営する「Craft Academy」の受講生である岩田一平氏によって推進されている「FISH MAN PROJECT」が、環境問題への新たな挑戦として注目を集めている。
「FISH MAN PROJECT」とは海洋ゴミを資源化し、持続可能な社会を目指すプロジェクト。3Dプリンター用フィラメントを海洋プラスチックから生産する革新的な装置の開発に焦点を当ており、岩田氏は、アートとテクノロジーを融合させることで、環境問題の認知拡大と解決に貢献しようとしている。
環境問題の意識を広げるためソーシャルアートの取り組みを開始
岩田氏は高校3年生の6月に海洋ゴミ問題を抱える地域である対馬に出会ったことをきっかけに、現在は環境問題の意識を広げるためのアート活動をしている。
海洋ゴミの問題は大きな問題に発展しているが、岩田氏は「高校生ながらに出来ることは何か?」「分が今まで行ってきたアートを通して問題解決にアプローチをかけたい」という思いから環境問題をアートの力で創発していくソーシャルアートの取り組みを開始した。
アート作品に取り組んでいる岩田氏だが、今回クラウドファンディングに挑戦しようと思った理由は、海から陸に上がってきた半魚人という設定のキャラクター「フィッシュマン」のコンテンツを作り、環境問題の認知と共に、海洋ゴミを資源として利用できるサステナブルな社会を目指す「FISH MAN PROJECT」を実行したいからとのこと。
これを実現するために今回は、プロジェクトの始めとして、海洋プラスチックという不要なゴミから、3Dプリンターのフィラメントを生成する装置を開発し、フィッシュマンの再生利用フィギュアを作り、ペイントワークショップを開催するための開発資金150万円を集めるため2024年3月10日からクラウドファンディングを行っている。
実際に開催したワークショップ
ペットボトルから3Dプリンターのフィラメントを制作し、2024年1月14日に対馬市交流センターにて、フィッシュマンのアートワークショップを開催した。
岩田氏はイベントを開催するのは初めてだっただが、現地の方々の協力で無事に開催でき、当日は子どもから大人まで24名がワークショップ参加。参加者は楽しんでフィギュアの制作に取り組んでいた。
尚、ワークショップでペイントしたフィギュアは絵具を乾かし、パッケージングをして後日参加者に郵送された。
今回はこのよう流れ着いたペットボトルを3Dプリンターのフィラメントに再利用し、フィッシュマンのワークショップを開催した。しかし、海岸に流れ着く海洋ゴミ全体から見たペットボトルゴミの量はほんの一握りに過ぎず、海洋ゴミ問題の解決には、より多くのゴミを効率的に再生利用するプロセスを生み出すことが肝要だ。
サステナブルな社会に向けての展開
FISH MAN PROJECTでは、アートとテクノロジーを掛け合わせ、サステナブルな社会へ向けての解決策を探るとしており、アート分野では、ワークショップや環境アーティストとのコラボ、教育用の絵本やアニメーションを通じて、人々の意識や行動を創発していく。一方、テクノロジーでは、海洋ゴミからフィラメントを作る装置を開発し、新しい製品やリサイクル技術を創出し、本質的な問題解決に向かう。
岩田氏のコメント
岩田一平 氏
対馬の海洋ゴミで埋め尽くされた海岸に衝撃を受けたのをきっかけにアート活動を始めた私ですが、この度アートとテクノロジーを通して海洋ゴミ問題の解決を目指す「FISH MAN PROJECT」を立ち上げました。
私は海洋ゴミ問題を解決するには、アートによる意識創発、テクノロジーによる問題解決、これらの二つのアプローチが必要だと考えています。そこで今回プロジェクトの第一歩として、合同会社DJ Roboticsさんの「Craft Academy」を通して、海洋プラスチックから3Dプリンターのフィラメントを生成する装置の開発に協力していただいています。また、装置開発のための資金を集めるため、CAMPFIREにてクラウドファンディングを開始いたしました。
このプロジェクトの、そして僕の新しいスタートアップにぜひ、力を貸してください。
ものづくり⽀援サービス「Craft Academy」について
Craft Academyは、プログラミングやロボット工学などの技術を学びながら、生徒が自身のアイデアを形にできるようサポートする教室やワークショップを提供しており、本サービスは、生徒の創造性や問題解決能力を育てることに焦点を当てている。
合同会社DJ Robotics