オプティム(OPTiM)は、2025年1月23日に「OPTiM スマート農業サービス 2025」をオプティム 佐賀本店で開催した。オプティム 佐賀本店は佐賀大学内にある。国立大学内に上場企業本店を2017年に設置し、日本初の試みで知られている。
開催された「OPTiM スマート農業サービス 2025」では、オプティムの創業者であり、代表取締役社長、更には佐賀大学農学部招聘教授の菅谷俊二氏が登壇して講演を行った。
OPTiMはいろいろな産業に向けて、IT技術を活用したDXソリューションを提案している。菅谷氏は多くの知的財産の権利化を進めていることでも知られ、情報通信分野における個人特許資産規模ランキングで1位を受賞した経験を持つ(2015年1月末時点、パテント・リザルト社調査)。
菅谷社長は「日本のすべての産業において、人口減少とそれに伴う労働人口の減少、少子高齢化、地域格差の拡大などの課題が山積している。労働人口減少の課題をIT技術で解決したい(緩和させたい)。そして、今回の主題である農業は、国の重要な基幹産業。AI・IoT・ロボットを使って、“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現したい」と語った。
国内最大のドローン散布DXサービス「ピンポイントタイム散布サービス(PTS)」の2024年度実績とともに、ドローン散布DX関連サービス・テクノロジーを一挙発表した。
「ピンポイントタイム散布サービス」は農薬や肥料の散布サービスで、従来はヘリが中心で行われてきた農薬や肥料の散布を、ドローンを用いて、病害虫や雑草が発生している地点をAIで特定してピンポイントで散布するのが特徴。AI推論による最適な散布タイミングの算出、ピンポイント散布による農薬や肥料の節約・資材コストを削減できる、飛び地でも散布が可能などが利点。
■共同防除DXで事務経費を約46%削減|ピンポイントタイム散布【紹介動画】
「OPTiM スマート農業サービス 2025」発表内容
1:数値で見る2024年度「ピンポイントタイム散布サービス」の実績
2024年度の水稲防除における実績では、26府県133市町村のエリアにて、約100防除組合・JA等の顧客に約26,000ha、約11万圃場で導入。国内ドローン散布サービスにおいて最大規模となった。また、2024年度「ピンポイントタイム散布サービス」を利用された顧客に評価してもらった結果、94%以上もの顧客が2025年度の継続利用意向、92%以上の顧客から利用拡大意向があったとしている。
2:AI適期防除効果(従来の無人ヘリコプター防除委託との比較)
「ピンポイントタイム散布サービス」では、AIによる適期散布を実現している。従来の一律日程による無人ヘリコプター散布の一般的なデータと、オプティムが実施・検証したAIによるドローン適期散布を比較した結果、着色粒による等級落ちが大幅に削減し、平均約60%の品質向上に寄与。品質が向上することで、収量が増え売上の向上にも期待できる。
3:「ピンポイントタイム散布システム」の概要
主な機能
・散布デジタルマップ作成(特許出願中)
圃場のデジタルマップを作成。独自のAIを用いて散布対象の地番の正確な位置を特定し、散布効率のよいマップ作成が可能。
パイロットルーティング(特許出願中)
独自のAIが18万パターン以上の演算を行い、パイロットのシフト管理、当日散布を効率的に行うための最適な散布ルートを作成する。
散布状況可視化
遠隔でリアルタイムに当日の散布進捗を確認することが可能。
今後の展開
オプティムが2022年より実施してきた水稲での「ピンポイントタイム散布サービス」の経験やノウハウを基に、今後は柑橘類をはじめとして、大豆・枝豆、麦、ネギ、カボチャ、サツマイモ等のさまざまな作物で「ピンポイントタイム散布サービス」を提供し、散布DXを実現する。
inahoが安曇野の菜園へマルチ台車ロボットをRaaSモデルで10台提供 作業効率化を実現するスマート農業ソリューション
Microsoft CopilotとAzureと連携したAI搭載キュウリ収穫ロボットの新デザインを発表 埼玉県でAI画像データ収集開始
テムザックが乾田・湛水の両方で使える除草ロボットの開発を開始 愛知県が公募した「水田有機農業省力化推進事業」に採択
ヤンマーが2035年を想定した未来へのビジョンとデザインを発表 「本質デザイン」思想を農機や建機、ボート製品やサービスに適用
2050年までに日本の有機農業の面積を40倍に!ハタケホットケがスマートアグリ製品の開発・拡大に向けてクラウドファンディング開始
この記事を読んだ人におすすめ
- 2050年までに日本の有機農業の面積を40倍に!ハタケホットケがスマートアグリ製品の開発・拡大に向けてクラウドファンディング開始
- 「遠隔就労とロボット技術を活用したサービス革新」を開発実証 エイムが「ぐんま未来共創トライアル補助金」に採択
- ピザ専門店とロボットメーカーが異色のコラボ アレルギー対応の「ノンアレルギーピザ」にロボット耕作米の米粉を使用
- 特異点をすり抜ける技術や触覚技術、微細手術支援ロボット、回転式栗収穫ロボなど 【大学見本市2024】
- ヤンマーが2035年を想定した未来へのビジョンとデザインを発表 「本質デザイン」思想を農機や建機、ボート製品やサービスに適用
- 東京都と日本科学未来館がコラボ「Tokyo Mirai Park」 国際宇宙ステーションシミュレーターや「脳の声」を聞くメガネなど
- テムザックが乾田・湛水の両方で使える除草ロボットの開発を開始 愛知県が公募した「水田有機農業省力化推進事業」に採択
- Microsoft CopilotとAzureと連携したAI搭載キュウリ収穫ロボットの新デザインを発表 埼玉県でAI画像データ収集開始
- inahoが安曇野の菜園へマルチ台車ロボットをRaaSモデルで10台提供 作業効率化を実現するスマート農業ソリューション
- NTT ドローンと画像認識AIで道路橋の点検作業効率化・維持管理コストを縮減 腐食の深さを推定する実証実験開始