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ハグや握手できる着ぐるみロボット　人間と触れ合える軽量キャラクターロボットの進化版　アールティ

2025年6月9日 By ロボスタ編集部

アールティは、長年愛されてきた着ぐるみロボットRIC（Robot Inside Character）シリーズの進化版モデル「RIC90 TypeR」を発表した。

ロボットの人間との交流やパフォーマンスに、最新のロボット工学をシームレスに統合して、人間との親和性を革新的に進化させるというビジョンから生まれた「RIC90 TypeR」は、人間と優しいハグを交わせる親しみやすさと、総重量20Kg以下という女性一人でも軽々と運べる画期的な携帯性を兼ね備える。多用途で魅力的なキャラクターロボットの新たな基準を打ち立て、世界中のエンターテインメント体験に革命をもたらす可能性を秘めているとしている。

RIC90に込めた願いを更に昇華

ロボットのパフォーマンスを行う際には安全のために観客と距離を置き、周囲に柵が必要とされていた時代の2009年、アールティはいち早くハグや握手のできるRIC90を開発し、ネコ店長を実現した。

ネコ店長は多くのイベントや、店舗の店先でお出迎えをするなど、リアルワールドで活躍している。アールティ代表の中川友紀子氏は次のように語っている。

中川友紀子氏

多くの人がロボットに抱く『触れてみたい』という純粋な願い。その想いこそがRIC開発の原動力でした。私たちは、ただ動く機械ではなく、人と触れ合い、そして心を通わせることができる存在を目指しました。

代表中川友紀子とネコ店長（内部：RIC90）

開発者でもある中川代表の熱い想いから生まれたRIC90。今回のTypeRは、その願いをさらに昇華させた新時代のロボットである。

長時間の着ぐるみでのパフォーマンスは人間にとっては過酷な重労働である。これをロボットに置き換えることで、熱中症を防げる他、均質なパフォーマンスを繰り返すことができる。着ぐるみを着せ替えることで、多様なキャラクターを演じわけることができ、かつ軽量で操作も易しいRIC90 TypeRは、キャラクターロボットの新たな基準を打ち立て、エンターテイメントの可能性が大きく広がる。

実現された夢：キャラクターに命を吹き込む

RIC90の構想以来、その核となる哲学は単なる機械を超えて真のパフォーマーとなる様々なキャラクターを具現化できるロボットを生み出すことだった。

代表の中川友紀子氏は次のようにコメントを続けている。

中川友紀子氏

私たちは常に、RICシリーズが、ある時は可愛いマスコット、ある時は歴史上の人物、あるいは気まぐれな生き物など、あらゆるものに変身できるプラットフォームとなるべきだと考えていました。目標は、単なるギミックではなく、物語やエンゲージメントに真に貢献し、笑顔と驚きを引き出すことができるロボットを創造することでした。

RIC90 TypeRは、この夢の集大成であり、最先端の技術とパフォーマンスのニーズに対する深い理解をもって進化を遂げたという。

魅惑と利便性のために設計されたロボット

RIC90 TypeRは、ダイナミックなキャラクターに命を吹き込みたいと考えるエンターテイナー、イベント主催者、クリエイターにとって究極のパートナーとなるよう設計されており、パフォーマンスと実用性の両方を向上させる印象的な機能を多数備えているという。以下、プレスリリースより。

豊かな表現力と優しいハグ：人気の「ネコ店長」と同様の、流れるような自然な動きを実現し、豊かな表現力と魅力的なパフォーマンスを提供。さらに、その設計により親しみやすいハグを交わすことができ、キャラクターと来場者の間に温かい心の繋がりを生み出す。

精度とパワー：ROBOTIS製Xシリーズモーターを搭載し、正確で信頼性の高いスムーズな動作を保証。より幅広いキャラクター表現を可能にする。

堅牢性と軽量性：アルミニウム合金フレームは、軽量構造を維持しながら耐久性を提供し、長寿命と一貫したパフォーマンスを保証。観客との接近時の安全性も保たれる。

完璧なプロポーション：人気のネコ店長と同じ「身長120cm（外装含む）」で、着ぐるみとの統合や人間と同じスケールでのインタラクションに理想的なサイズとなっている。

比類ない携帯性：現代のモバイルエンターテイナーのために設計されたRIC90 TypeRは、一般的なスーツケースで簡単に運搬・発送可能。女性一人でも軽々と運べるほどの軽量化と設計最適化がなされており、スーツケースを含めた総重量は23kg以内に収まるため、様々な会場での展開が驚くほど容易になった。

直感的な操作：無線ゲームコントローラーでの操作により、誰にでも簡単に操縦できるため、あらゆる場面で臨機応変にパフォーマンスをさせることが可能。

スマートな電源管理：RIC90 TypeRは、立ったまま電源を切ることができ、さらに独自の設計により、電源を切って椅子に座らせた際に自然な待機姿勢を保つことができ、優雅な移行を保証する。

ダイナミックなサウンド：内蔵の音声スピーカーにより、キャラクターが話したり、音楽を再生したり、聴衆と音声で対話したりすることができ、没入感をさらに高める。

拡張性の高いAIプラットフォーム：Raspberry Piを搭載しており、カスタムプログラミングや高度なインタラクティブ機能のための柔軟で拡張可能なプラットフォームを提供する。

持続するパフォーマンス：約30分間（動作内容による）の連続稼働が可能で、長時間のエンゲージメントに対応。バッテリー交換を併用することで、より長時間の稼働にも対応する。

手軽なバッテリー交換：取り外しが簡単なバッテリーにより、迅速な交換が可能で、忙しいスケジュール中のダウンタイムを最小限に抑える。

アールティが20年培った「フィジカルAI」の粋を結集

RIC90 TypeRの根底には、アールティが創業以来20年以上にわたり深く取り組んできた「フィジカルAI（Physical AI）」の知見が息づいている。フィジカルAIとは、単に情報を処理するだけでなく、ロボットが物理的な世界で実際に動き、感覚を持ち、外界とインタラクションする能力を指す。

アールティは、このフィジカルAIの分野で長年にわたり数々の革新的な製品を世に送り出してきた。代表の中川友紀子氏は、フィジカルAI領域において深い知見と経験を持ち、そのビジョンがRIC90 TypeRの「触れ合えるロボット」というコンセプトの具現化に寄与。長年培われた確かな技術と知見が、RIC90 TypeRが実現する自然で人間らしい動き、そして心温まる触れ合いの基礎となっている。

エンタメは次のフェーズへ、心躍る体験を提供

マスコットが来場者と温かいハグを交わし、イベントのキャラクターがダイナミックなルーティンで観客を魅了し、教育的なキャラクターがインタラクティブな展示を通じて学習者を魅了する世界を想像したとき、RIC90 TypeRは、これらのシナリオを鮮やかな実現することができるという。

テーマパークや企業イベントから教育現場や舞台制作に至る様々なステージで、このロボットは単なるツールではなく、触れ合いを生み、感動を呼ぶ、忘れられない体験を生み出すパートナーとなりえるとしており、その比類ない携帯性と堅牢なデザインは、魅力的な魔法のキャラクターがどこへでも旅をし、瞬時に観客を喜ばせる準備ができていることを意味する。

アールティは、人間とロボットの相互作用の限界を押し広げることに尽力しており、同社はRIC90 TypeRでクリエイターがより大きな夢を描き、最も想像力豊かなキャラクターに命を吹き込むことの手伝いを行うとしている。