アールティの双腕ロボット「Sciurus17」に新リフト機構を搭載 移動能力はカチャカと連携 研究室から社会実装へ

アールティは、AIによる作業の研究開発用双腕上半身ロボット「Sciurus17」の新たなオプションとして、「Sciurus Lift」を開発し、2025年6月より受注生産を開始する。既存のSciurus17が持つ高度な双腕作業能力に加え、自由な昇降機能と移動能力を搭載しており、模倣学習をはじめとする、より実践的な研究開発を強力にサポートする。


アイデアを形にするリフト機構「Sciurus Lift」

Sciurus Liftは、研究者や学生が直面する「手が届けば」「移動できれば」という課題を解決するために誕生した。部品の取り出しから、家庭内でのタスク、レストランでのサービス、工場の部品仕分けや組み立てまで、幅広いシーンを想定した研究開発に活用することができる。



Sciurus Liftが研究にもたらす革新的な特長

【高さの制約を克服】70cmほどの昇降機能により、ほぼ人間の手が届く範囲の高さの異なる環境への適応が容易に。これまで制約されていた実験セットアップも自由自在。

【移動の制約からの解放】手持ちの移動台車(kachaka他、各種対応可能)と組み合わせることで、実験室内のあらゆる場所へスムーズに移動。モバイルマニピュレーション研究を加速させる。

【ROS 2で広がる可能性】最新のROS 2開発サンプルを豊富に搭載。二次開発が容易で、あなたの独創的なアルゴリズム実装を強力にバックアップする。

【二つの腕で、より人間に近い作業を】人型ロボットならではの双腕作業により、複雑なタスクや協調作業の研究開発に最適。模倣学習、強化学習、画像認識といった最先端の研究を強力に推進する。ハンドも交換可能なため、3Dプリンタで開発したハンドを取り付けることも可能。

【実践的な研究フィールド】 キッチン、片づけ、レストラン、部品仕分け、組立など、現実世界の多様なシーンを研究室で再現可能。より実用的なロボット技術の開発に貢献する。

【世界への挑戦】RoboCup@HomeやRoboCup Industrial Logisticsへの出場機体としても活用可能。自身の研究成果を世界に示すチャンスが広がる。

※参考イラストは別売りのSciurus 17本体、移動体としてKachaka Pro使用時の動作例


「Sciurus Lift」は、以下のような研究テーマに最適

模倣学習: 人間の動作をロボットに学習させ、複雑なタスクを実行させる研究
強化学習: 試行錯誤を通じて最適な行動戦略をロボットに獲得させる研究
画像認識: カメラなどのセンサー情報から環境を認識し、タスクを実行する研究
双腕作業: 二つの腕を協調させて、より高度な作業を実現する研究
モバイルマニピュレーション: 移動しながら物体を操作する、より実用的なロボットシステムの開発

対象ユーザー

大学・高専の研究室に所属する研究者、教員、学生
企業の研究所に所属するロボット研究開発者

Sciurus Lift 主な仕様

名称 Sciurus Lift
型番 S17-LIFT
備考 Sciurus 17本体、移動台車は別売り
上下動リフト 70㎝ 1本
接続部品 各種金具、ケーブル類 1セット
バッテリー 1台
説明書 オンライン 1式
サンプルソフト ROS 2(基本的な移動+作業のサンプルはカチャカProを前提として作成)


関連サイト
株式会社アールティ

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