立命館大学とフラワー・ロボティクスが芸術表現とテクノロジーの融合で連携 アバターロボット「Yui」動画

2013年に立命館大学が設立した「立命館大学デザイン科学研究所」は、フラワー・ロボティクスと、芸術とテクノロジーの融合をテーマにした共同プロジェクトを2025年4月から開始した。

背景

開始した共同プロジェクトでは、フラワー・ロボティクスが誇る「美的で感性に訴えるロボットデザイン」とデザイン科学研究所が蓄積してきた「人々が“豊かな生活”を実感することのできる時空間の創造」に関わる学術的知見を掛け合わせ、ロボティクスと芸術表現の共創による未来社会のビジョンを具体化することを目的にしている。

これに伴いフラワー・ロボティクス代表でロボットデザイナー・美術家の松井龍哉氏をデザイン科学研究所の上席研究員として迎え入れ、ロボットデザインの知見を活かした、より実践的な視点を高めた研究を追究する。

本共同プロジェクトを実施するにあたり、2025年4月21日にフラワー・ロボティクスと立命館大学は、学術研究・教育や地域社会連携・貢献等における連携・協力に関する協定を締結。今後は、デザイン科学研究所でのプロジェクトに加えて、2026年4月開設予定のデザイン・アート学部、デザイン・アート学研究科の教育・研究にも、この連携を繋げていく。

芸術とテクノロジーの融合をテーマにした共同プロジェクト 概要

1:美と感性を重視した共存型ロボットのビジョン創造

美と感性を重視した共存型ロボットのプロトタイプを開発し、実証実験を通じて未来社会におけるロボットと人間の共存モデルを具体化する。

ロボットが人間の感性や美的価値に寄り添う存在として生活の質を向上させる可能性を提案します。これにより、感性豊かな未来社会のビジョンを創造する。

2:人間とロボットの共存によって生まれる新たな生活世界における芸術表現の探究

人間とロボットが共存する未来の生活世界をテーマに、共感や調和、つながりを表現する新しい芸術表現を模索する。

ロボットを創造のパートナーとして活用し、人間の感性とロボットの技術が融合することで、新たな関係性や文化を創造します。この探究を通じて、生活世界における芸術の役割を再定義する。

3:次世代のデザインリーダー育成教育プログラムの開発と推進

人間とロボットが共存する未来の生活世界をデザインし、社会に革新的なビジョンを提示できるリーダーを育成する教育プログラムを実践する。

美と感性を重視したロボットデザインと日本の伝統文化の融合をテーマに、文化的洞察力や創造力を養います。学術研究と実践を通じて、未来社会を構築するための高度な能力を育む。

これらの取り組みを通じ、ロボティクスと芸術の共創による社会的価値の創出を目指し、人間とロボットが共存する新たな生活世界を提案します。また、美と感性を重視した視点から、未来社会における新しい文化や生活モデルの可能性を探究する。



アバターロボット「Yui」動画公開

フラワー・ロボティクスは大阪・関西万博のために、デザイン監修をおこなった人間型移動ロボット存在感CA(サイバネティック・アバター)「Yui」の最新動画が公開した。万博会場のシグネチャーパビリオン「いのちの未来」にて来館者の見送りをしている。(研究・開発:電気通信大学 仲田研究室)

■アンドロイド・アバター Yui の紹介 ~万博篇 (ムーンショット目標1/石黒PJ)

立命館大学デザイン科学研究所について


人々が“豊かな生活”を実感することのできる時空間の創造」を目指し、デザイン科学のアプローチで社会課題の解決に取り組む研究機関。

産業界、地域社会、行政と連携し、実社会におけるデザインの実践知を蓄積し、持続可能な社会づくりに貢献している。

フラワー・ロボティクスについて


2001年の創業から“ロボットを日常の風景にする”ことをビジョンとし、工業デザインを軸としたロボットの企画/開発/デザインをおこなっている。

ヒューマノイドロボット「Posy」「Palette」、自律移動型ロボット「Patin」などを自社開発する他、KDDI 社のスマートフォン+ロボット「Polaris」、大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「いのちの未来」館等、企業や公共事業へのロボットのデザインコンサルティングを展開している。

フラワー・ロボティクス代表 松井龍哉 氏 プロフィール


ロボットデザイナー・美術家
日本大学芸術学部 客員教授 成安造形大学 客員教授
日本建築美術工芸協会 AACA 賞選考委員
受賞:グッドデザイン賞、ACC ブロンズ賞、iF デザイン賞(ドイツ)、red dot デザイン賞(ドイツ)
著書:「優しいロボット」大和書房(2021 年)

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ロボスタ編集部

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