フラワー・ロボティクスが大阪・関西万博「いのちの未来」館のロボット・アンドロイドの外装デザインを担当 3体のデザインを公開

フラワー・ロボティクスの代表である松井龍哉氏は、2022年より大阪・関西万博・石黒浩テーマ事業プロデューサーのシグネチャーパビリオン「いのちの未来」館の共創クリエイターとして参画しており、パビリオンに登場するロボットやアンドロイドのうち、複数の外装デザインを担当している。

2025年2月19日に開催されたメディア発表会ではPetra(ペトラ)、Punica(プニカ)、Pangie(パンジー)という3体のデザインを公開した。

発表された3体はパビリオンで来場者を誘導

「いのちの未来」館は、人とかかわるヒューマノイドやアンドロイドを多数開発・発表してきた大阪大学教授の石黒浩氏がプロデューサーを務めている。日本のロボット工学の第一人者である石黒氏と、フラワー・ロボティクス代表である松井氏は約四半世紀に渡る交流があり、ロボットに対する思想哲学を共有してきた。

共創クリエイターとして、石黒氏をはじめ研究者やエンジニアなど専門家と議論を重ねながら、「私たちが選択したいアンドロイドはこれだ」、「新しい人間の姿だ」と思えるような、理想の未来社会を体現する表現を目指し作り上げており、今回発表された3種類のロボットは、アバターとして来場者を誘導する役割を担うとしている。

各ロボットの名称とデザインコンセプト

ペトラ / Petra

©FUTURE OF LIFE / EXPO2025(フラワー・ロボティクス公式Webサイトより)

石の意味を持つペトラは未来の人類と共存する道具としてのロボット。人類は古代、石と木を使い狩の道具を作って大きく進化した。未来の道具はその原点に帰り石や流木さらに神社の円鏡や禅寺の苔を材料にデザインされ過去と未来を繋ぐ存在感を放っている。

プニカ / Punica

©FUTURE OF LIFE / EXPO2025(フラワー・ロボティクス公式Webサイトより)

プニカとは赤い種の果実を持つザクロの属名で約2000年前ペルシャからシルクロード経由でアジアに伝わり日本には平安時代に中国から伝来している。世界の文化が集まる万国博覧会の意味を象徴するザクロの物語をモチーフにした生命感あふれるロボットである。

パンジー / Pangie

©FUTURE OF LIFE / EXPO2025(フラワー・ロボティクス公式Webサイトより)

身体に植物の花粉をつけ受粉を助けるポリネーター/Pollinatorのように、会場で来場者と繋がり新しいコミュニケーションを促進する天使のようなロボット。建築家の磯崎新氏が設計し、1970年の大阪万博で発表となった伝説のロボット“デメ“のデザインをプニカ同様継承している。

コメント

大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー・大阪大学教授 石黒浩 氏

「未来において文化はより深くなる」という考えのもと、未来を表現する当パビリオンを準備してきました。松井さんのロボットのデザインはまさにその考え方を象徴するデザインです。松井さんの日本の伝統を踏襲した美しいデザインに感謝しています。


企画統括ディレクター 内田まほろ 氏

石黒教授と対話を重ね、日本の文化を読み解きながら、現在から1000年先の人類の姿=ロボットをデザインする。この難題に答えられるのは、日本の美意識、西洋のデザイン言語、そして、ロボットの知見、全てを持ちあわせる松井さん以外にいませんでした。

松井さんのデザインによって命を宿した、現在、未来、超未来という3つの時代のロボットたちは、笑いと、カワイイと、美しさをもって、世界のお客さまをお迎えしてくれると思います。


フラワー・ロボティクス 松井龍哉 氏から本プロジェクトに込めた思い

石黒先生をはじめ多くの方々と議論を尽くし、多種のロボット・アンドロイドのデザインをおこないました。それぞれが大変個性的です。しかし全てに共通しているデザインテーマは“日本的なる、もののあわれ”としています。
今後いかなる未来が来ようと、日本という歴史と風土から生まれるロボットの姿には、やはり古代からの延長としての情緒や風情が、自然と滲み出た文化としての形があるはずです。そのような視点から生まれたデザインを万博会場でご覧頂き、いのちの未来について考える手がかりになれば幸いです。


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ロボスタ編集部

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