バイラテラルに対応した模倣学習向けロボットアームキットを開発 アスラテック&東海林ファジィロボット研究所の共同開発

アスラテック株式会社と、東京都公立大学法人発ベンチャーである株式会社東海林ファジィロボット研究所は2025年9月1日(月)、共同で模倣学習用ロボットアームセット「V-Sido Bilateral ToPoArmキット」を開発したと発表した。

 

フィジカルAI時代の到来と模倣学習の重要性

近年、人間の動きをそのままロボットに学習させる「模倣学習(Imitation Learning)」が研究者の間で盛んになっており、そのためのロボットアームキットが注目を集めている。特にフィジカルAIという言葉が象徴するように、AIをロボットなどの物理的な装置に作用させ、実世界での操作や作業を可能にする研究は世界的に広がりを見せる。

一方で、低価格の模倣学習用アームは普及が進んでいるものの、精度や耐久性、力覚フィードバックといった要素に課題があり、研究用途としては十分ではないという声もあった。

 

高精度な体験を実現する革新的なロボットアームセット

本製品は、そうした状況に応える形で、「実際の操作に近い体験を高精度に実現する」ことを目指した模倣学習向けロボットアームセットである。

製品は6軸マスターアーム「ToPoArm-mini」と6軸スレーブアーム「ToPoArm」の2つのロボットアームというハードウェア構成になっており、「ToPoArm-mini」をコントローラーとして用いることで「ToPoArm」を操作するロボットシステムだ。

 

V-Sido Bilateralによる直感的な操作を実現

ロボットにかかる力を操作者が体感できるロボット操作システム「V-Sido Bilateral」を搭載しているため、操作者は対象物の硬さや衝撃を直感的に把握でき、人間らしい繊細な操作を再現しやすく、模倣学習に必要な「自然なデータ」を獲得することが可能となっている。

「ToPoArm-mini」は小型ながら金属ギアを備えたサーボモーターを採用し、長期間の利用にも耐えられる堅牢性を実現した。また金属製サーボホーンやスラストベアリングを備え、耐久性を確保する。

 

 

「ToPoArm」は金属製筐体のサーボモーターとスラストベアリングにより、剛性と精度を兼ね備えた設計となっており、模倣学習においても人の動作を高い精度で再現することができる。

 

 

 

製品概要

本製品は2025年9月2日(火)から東海林ファジィロボット研究所より、大学や研究機関向けに販売予約が開始される。価格は540,000円(税別)。


ロボスタでヒューマノイド関連のオンラインセミナーを開催(アスラテックの吉崎航氏も登壇)

ロボスタでは9月のオンラインセミナーでヒューマノイドに関連するセミナーを2つ開催します。

ヒューマノイドや巨大ロボ最前線

ひとつは、ヒト型ロボットや巨大ロボット、4脚モビリティなどのロボット制御システム「V-Sido」を開発したアスラテックの吉崎氏がゲストの【オンラインセミナー】「動く・乗る・魅せる!巨大ロボの最前線」ロボット制御システムV-Sido開発者の吉崎航氏が描く AI時代のロボット制御の未来 です(2025年9月8日(月)開催、詳しくはこちら)。



ヒューマノイド研究の最前線、進化と課題、日本の現在位置

そしてもうひとつは、日本から世界へ向けて、ヒューマノイドを含むロボットのファウンデーションモデル(基盤モデル)の実現を目指す「AIロボット協会(AIRoA)」の尾形理事長がゲストの「ヒューマノイドの進化と課題、日本の現在位置 ~ヒューマノイド研究の最前線、AIロボット協会・尾形理事長に聞く」(2025年9月11日(木)開催、詳しくはこちら)です。どちらも無料ご招待キャンペーン中です。ぜひご参加下さい。

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杉田 大樹

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