「海のDX」「船舶のロボット化」を推進するエイトノット、内閣府の事業に自律航行技術を提供

株式会社エイトノットは、内閣府総合海洋政策推進事務局が公募した「自律型無人探査機(AUV)の利用実証事業」の「洋上風力発電施設の維持管理モデルの構築」カテゴリに採択された「自律型海洋無人機・無人潜水機を用いた利用実証事業」に、自社開発の自律航行技術を提供することを発表した。

本実証事業は、株式会社FullDepth、東洋エンジニアリング株式会社、日鉄エンジニアリング株式会社、沖電気工業株式会社と共同で実施される。

 

無人機を活用した実証試験の概要

実証試験では、ASV(自律制御水上無人機)とROV(遠隔操作無人潜水機)を用い、将来的なAUV化(機器自身が水中の位置や周囲の状況を認識し、自律して動く無人潜水機)を想定した海上での試験を行う。具体的には、浮体式洋上風力発電設備を模した観測対象の水中データを無人で取得し、その技術の有効性を検証する。

試験結果を基に、AUV活用に向けた技術的課題の抽出や整理を行い、データ駆動型の洋上風力発電維持管理モデルや収益モデルの検討を進める。最終的には、AUVの社会実装に向けたロードマップを作成する計画だ。

 

エイトノットの自律航行技術

実証試験で使用されるASVには、エイトノットが所有する小型船舶「Eight Knot Ⅰ」が採用される。この船舶は、同社が開発した自律航行プラットフォーム「エイトノットAI CAPTAIN」を搭載しており、AIとロボティクス技術により目的地への航行、障害物回避、離着岸を自動で行うことが可能だ。

なお、ROVにはFullDepth製の「DiveUnit300」が使用され、観測対象は沖電気工業が所有する計測バージ「SEATEC NEO」の係留ラインとなる。

 

海のDXを推進する企業として

株式会社エイトノットは、2021年設立の船の自動運転技術スタートアップであり、小型船舶向け自律航行技術の開発を通じて「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進している。自律航行プラットフォーム「エイトノットAI CAPTAIN」は国内での実装を拡大しており、2027年には北米市場への進出も予定している。

本実証事業への技術提供により、洋上風力発電の維持管理効率化や安全性向上に貢献するとともに、AUVの社会実装に向けた重要な一歩となることが期待される。

 

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杉田 大樹

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