ロビ2の新機能や開発にかけた想い、人工知能やキャラクターロボットについて語る「ロボットクリエイター高橋智隆氏トークショー」

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「ロビ2」の初お披露目と週刊ロビ2の発売記念を兼ねたイベント「ロビEXPO」(3月30日16 時~4月1日)が開催されています。

3/31の会場の様子

それに伴ってプレス発表会が3月30日に行われました。
そこでは48体のロビとロビ2によるパフォーマンス「Robi48」がお披露目されたことは既に速報(【速報】六本木「ロビ EXPO」は本日16時から! ロビ2 初お披露目プレス発表会で「Robi48」披露!!)でお伝えしたとおりです。
今回は更にプレス発表会で語られた、ロビ2の販売目標、ロビ2開発に関する思いなどをレポートします。
高橋智隆氏のトークショーでは、ロビ2の新機能、人工知能について、人気キャラクターロボットを手がけない理由、ロビ2をインターネット連携しない理由、パートワークについて、などが語られました。

ロビとロビ2が48体で踊るパフォーマンスは圧巻!!



ロビは世界で15万台を販売、ロビ2は機能強化で楽しみが拡がる

プレス発表会は「Robi48」が並ぶ会場で、フリーアナウンサーの木佐彩子氏の司会ではじまりました。

司会を担当した木佐彩子氏

冒頭、株式会社デアゴスティーニ・ジャパン 代表取締役社長 村野一氏が登壇し、「週刊 ロビ2」創刊にあたっての心境を語りました。
「最初のロビは2013年に創刊、ロボットクリエイターの高橋さんと組ませて頂きました。高橋さんの素晴らしいデザインのロボットと、我々の行っている少しずつ組み立てていくというパートワークの魅力が合致して、素晴らしい商品ができあがりました。私自身、70週間という長い時間を掛けてロビを組み上げ、最初に起動したときにロビが「わたしを作ってくれてありがとう」と話したときはウルッと来ました。
日本で三回刊行し、約12万台を販売、イタリア、イギリス、台湾、香港、中国、シンガポール、マレーシアと海外へも展開し、おかげさまで合計で約15万台を販売する大ヒット商品となりました。
たくさんのユーザの方々から、”ぜひとも私達のロビを進化させて欲しい”という声を多数頂き、それならもう一度高橋先生とタッグを組んで、ロビ2の準備を進めよう、ということになりました」

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン 代表取締役社長 村野 一氏

「いよいよ6月6日にロビ2の販売が始まります。デザインの基本的な可愛さはそのままに、機能の進化に注力しました。更にロビ2に加えて相棒の「キューボ」(Q-bo)が誕生します。週刊書籍の内容を連携して、キューボを使って英語の勉強をしたり、ボードゲームをしたりと楽しみ方が大きく拡がります。初代のロビとロビ2とで対話をしたりダンスをすることができます」

ロビEXPOに展示されているロビ2とキューボ

「地域限定の先行販売も好調に推移しておりますので、ぜひ期待して頂きたいと思います」
※ロビの販売台数の目標はこの記事の最後に。


ロビ2はどう進化したのか?

ロビ2の初お披露目プレス発表会はロビによる自己紹介から始まりました。
ロビは自身の紹介をした後、自分を生み出してくれたロボットクリエイターの高橋智隆氏を紹介、高橋氏が登壇してトークショーがスタートしました。

ロビ2のひとつの特徴は、ロビと連携して掛け合い(会話)をすることです。
トークショーではロビとロビ2が「あっち向いてホイ」のジャンケン遊びをしている様子が紹介されました。
これは常に同じ動作と勝敗になるわけではないので、ロボット同士がコミュニケーションすることに加えて「今日はどちらが勝つかな」と遊んでいる様子を眺めて楽しむ要素も入っています。

ロボットがコミュニケーションしながら「あっち向いてホイ」。それを見守る高橋氏


ロビ2は家族を認識し、笑顔がわかる

高橋氏とともにロビ2が登場し、ロビ2の特徴が紹介されました。
進化したロビの最も大きな特長はカメラ機能を装備したこと。ロビ2に内蔵したカメラ機能で家族全員の顔を覚え、認識することができます。
更に顔の表情を読み、笑顔を見分けて「今日はなにかいいことあったの?」と問いかけます。
カメラ機能ではもちろん撮影ができるので、家族の笑顔をロビ2が撮ってメモリーカードに残していくことができます。

ロビ2で写真撮影をする木佐氏と高橋氏


撮った写真をすぐに公開「ロボットに撮ってもらうと自然な笑顔になれる」と木佐氏

また、ロビ2には「今日、ゴミの日だよ」とリマインドする機能や、家族やキューボとともに英語やボードゲームを楽しむ機能があります。

ロビの特徴については高橋智隆氏のインタビュー動画をデアゴスティーニが公開しているので、動画でも確認することができます。

ロビ2はメルマガで届いたQRコードをカメラ機能に読み込ませることで、新しいダンスや会話ができるようになります。Wi-Fiやネットを使っていないのでアップデート機能はありませんが、QRコードをトリガーにして予め持っている機能が利用可能になるしくみです。


高橋智隆氏トークショー

ロボットクリエイターの高橋智隆氏のトークショーは、フリーアナウンサーの木佐彩子氏との質疑応答の会話形式で行われました。

木佐(敬称略)

ロビくんには人工知能は入っていますか?

高橋(敬称略)

人工知能という言葉が流行っていますが、多くの人は安易に考えすぎていて危険に感じます。人工知能がわれわれ人間の振る舞いを真似ることで、ロボットがスタスタ歩いて、人間ができることがドンドンできるようになる未来を想像するかと思いますが、技術的にはまだそんなことはない、実現できないのが現状です。自戒の意味を込めて、一研究者として人工知能が入っているとアピールしすぎることは自重しなければならないと思っています。

木佐

人工知能がそんな風にできるようになるまでにはあと何年くらいかかりますか?

高橋

技術的にいろいろなブレークスルーがあって、ロボット製品がたくさん使われていくに従って、技術の精度が上がって、数年、5年くらいはかかってしまうと思います。

木佐

ロビ2はインターネットに繋がるのですか?

高橋

ロビの特徴としてWi-Fiやインターネットには繋がりません。そのために、ネット環境のない方にもお買い求めがしやすくなっています。また、アメリカ等ではオモチャがネットに繋がることでインターネットに繋がることで、子供の会話が漏れてしまったり悪用される恐れがあるので、子供が利用するトイ製品はインターネットには繋がらない方が良いという意見があります。その点でもロビ2は安心して楽しんで頂けるようになっています。
一方で機能は増やしていって欲しいという要望がありますので、メルマガのQRコードを読ませることによってロビ2の機能がアップしていく、進化する楽しみは持たせる工夫をしています。

木佐

コミュニケーションロボットというジャンルが拡がったきっかけになったのがこのロビくんだったと聞いています。高橋さんは今までオリジナル・デザインのロボットを手がけてこられましたが、既にあるキャラクターではロボットを作らないことに理由やこだわりがあるんですか?

高橋

この会場の中でも今まで手がけてきたロボットが展示されています。実は、ロボットの外観だけをキャラクターに似せたとしても、とても違和感を感じるんです。過去に鉄人28号のロボットを作ったことがあるんですが、それは操縦するロボットなので今の技術で実現できます。しかし、もっと人間味溢れるキャラクターのロボットを作ろうとしても、キャラクターのロボットは技術的に動くことを想定してデザインされていないので、まずは外観を真似ることがほぼ不可能です。更に(作品の中の)キャラクターの知性だったり、運動能力を今の技術では実際には再現できないので、オリジナルで知性と運動能力とのバランスを考えてデザインすることが大切で、それがロビであり、可愛さに繋がっているんだと思っています。

木佐

あらためて進化したロビ2くんの特徴を教えてもらえますか?

高橋

最大の特徴はやはりカメラが付いたことで、家族を見分けてくれる、大切な日を一緒にお祝いして、写真を撮ってくれることです。ほかにもロボット同士でコミュニケーションをとったり、新たな友達キューボとコミュニケーションをとることができます。デアゴスティーニさんの製品は読み物とセットになっているので、英会話や勉強など、読むコンテンツと連携できることが特徴です。

木佐

少しずつ部品を組み立ててロボットが完成するパートワークの特徴はなんですか?

高橋

小学校の入学時に6年分の教科書をもらったらゲンナリしてしまいますよね(笑)。ロボットのパーツも一度にもらったら引いてしまいますが、少しずつ組み立てていくなら楽しいし、難しいと思っていたことが本当は簡単なんだ、こういうしくみになっているんだという新しい楽しみも感じてもらえると思います。
また、一度に高額のロボットを購入すると自分に組み立てられるだろうか、と心配になる人も多いと思いますが、創刊号から組み立てていって、自分には向いていない、楽しくないともしも感じたなら途中でやめることができる、という点も、気軽にはじめてみる、ロボットに触れてみるのには良いのかな、と思います。
組み立ての方法は雑誌に詳しくやさしく書いてありますので、簡単に作れるキットになっていると思います。組み立てやすさにこだわってロビを設計してきましたので、ロビ2は更に組み立て易くなっています。親子でロボットのしくみを勉強しながら一緒に作ってみるのも楽しいと思います。



最後の質疑応答で、高橋氏は「ロビ2の開発では、家族の一員となるのには家族を見分けて名前を覚えてくれることが重要として開発を心がけた」と言います。ロビ2がロビと比べて外観のイメージがあまり変わっていないことに関しては、ロビのこのデザインがたくさんの人に愛されていることを勘案したこと、デザインは機構的なものに大きく関わることから、内部の進化を重視したということのようです。

デアゴスティーニの村野社長は「ロビ2の販売目標は6万8千台強、日本の世帯は5千5百万世帯ということなので、ロビシリーズとしてはいずれはその1%のご過程に笑顔を届ける、55万台を目標にしていきたい」と語りました。

「週刊 ロビ2」は6月6日創刊です。
また「ロビEXPO」は春休みに親子で行くにもピッタリのイベント。
開催は明日までなので、時間があれば足を運んでみるとよいかと思います。


《神崎 洋治》

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神崎 洋治

神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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